2019年12月16日月曜日

土門刑事の選択

すべてはラストの屋上シーンに込められている。呆気ない別れがこの二人には本当にお似合いだ。ただ一陣の風が吹いただけ。本作をドライでクールな硬質のハードボイルド刑事ドラマとするなら正にコレデヨシとなる。同時に怪奇大作戦の京都買いますみたいでホントしぶくておもしろかった。個人的には今後の土門刑事にはより孤影。哀愁の影帯びがつよくなる。

2019年12月6日金曜日

土門刑事の妻

発端はよくあるトップ屋絞殺殺人。二週連続前後編。土門刑事編である。亡き前妻がからみ死んだとおもわれていた旧友が生きていた。京都の古寺を舞台に幻の亡き妻と旧友の亡霊をおうマサに第三の男のような渋いエピソード。もしくは怪奇大作戦の京都買います。20世紀末の荒れた世相ノストラダムス学生サークルの集団自殺事件。マサに廃墟のウィーンのように描かれる1999年の京都が重ね重ね渋い。そして現在。警察上層部の隠蔽。背後にある巨悪を捜査からはずれ男として刑事生命をかけ孤独に追い詰める土門。いつになくマリコが切ないオンナをかんじさせてくれるような演技もあって実によい。前回のホステスマリコの真逆。さて後編へだが。大恋愛編としてマリコは追いすがる女になるのか菩薩のような巨大なチカラをみせるのかやはりロボな鉄の女のままなのか。目がはなせない。クリスマスがらみ。ふたりの切ないラストクリスマスになるのか。それとも。

2019年11月30日土曜日

ミステリーの達人 ドクターKの失敗

冒頭。子供の秘密基地でもありそうなクサッパラ。紙芝居のような演出。聖地巡礼なるオタク用語がネックの話だったが捜索対象をオタクどころか文盲の元受刑者へと松本清張ばりのスケールに純化。そのせいでオタク用語の聖地巡礼がまさに四国巡礼か聖フランシスコの巡礼ばりに深く重く。京都界隈のたった一日の巡礼エリアだったがスケアクロウなアメリカンロードムービーのような抒情さえたたえてナイス。そのスケール感はまさに砂の器といったところ。劇中劇に少年探偵団風がからんだこともありキーパーソンの小説家がまるで怪人二十面相のようにも。乱歩と清張の世界がジュブナイルファンタジーの手法によって見事に融合。名演。名作。特筆はマリコがまるで少年探偵団の少女メンバーのようにキュートで健気な活躍っぷりだったこと。あと蒲原のわんぱくさも探偵団しててよかった。そういう意味でもファンタジー回。先週の鉄オタといい二週つづいてオタクが被害者のエピソードだったが二作ともおもいっきり全年代オタク擁護の感動作に仕上がっていてこんなリアルタイムな御涙頂戴は好感。

2019年11月10日日曜日

吸血地獄

本作ニーナを完全主人公の物語としてみなおすととんでもないものがみえてくる。主人公役が外人俳優で。こちらからの感情移入がしにくくなるようにわざわざとしてある。という観点から。まるで人形浄瑠璃の心中モノや歌舞伎の四谷怪談そんな中世不思議グランギニョル人形音楽劇な人工様式美の色彩を帯びてくる。といおうとおもえばいえるからだ。ドラッグ地獄に堕ちていくグラサンロッカーな飼い主を必死で守る背後霊守護神ペットの物語とでもさえいおうか。そうハチ公忠犬物語のようでさえもある。ラスト。崖の上での。周作の手首から血をすうニーナ。あまりにも哀れ。というより。あれは健気の姿なのではないだろうか。主人公の傷を舐めるセラピードッグのような。そんな風にみえてきはしないだろうか。それを突き落とすようにして自らも身をなげる周作。そんな愚かな周作さえ赦すニーナ。そう本作はあのフェリーニの道なのだ。ニーナの顔が元にもどるのは周作への憐れみ。あれはもはやニーナは菩薩となったアカシ。ニーナはジェルソミーナ。映画浮雲。森の妖精の化身がベトナムから日本についてきて戦争に心身傷ついた男たちに尽くし尽くしきったように。本作はポーランドからついてきた少女吸血鬼の無垢。イノセントを描ききっている。死んでも死ねずどこまでも周作のあとをけなげに付き添ったニーナ。周作の名を呼ぶニーナの声が耳からはなれない。

2019年11月8日金曜日

育てよ!カメ

見事な下水道映画である。虚言癖の少年がギャングに誘拐され下水道のアジトに連れ去られる。持っていた亀が巨大化。逃げ出すギャング。好立地とばかりに少年は下水道の秘密基地での。現実から逃避した夢と幻想まみれの亀との暮らし。を始める。そんなある日。亀によってさらに地下の下水の大洋へと少年は導かれる。そこにはマンホールチルドレンのようにして暮らしていたのか。先の戦争犠牲者の少女の幽霊が竜宮城の乙姫としてムー帝国のマンダを従え君臨していた。少年は戦争犠牲者のような汚濁の姿に変えられてしまう。しかしそれは少年の下水の汚水に溺れた際の悪夢だった。無事少年は帰還。しかし下水道に繁殖したその不思議なトリップ作用を持つ下水亀は子供達に大流行。高度成長を虚言癖に。忘れ去られた戦争を隠された下水道に。なぞらえ高度成長を痛烈批判。

2019年10月8日火曜日

どぶ

ツルちゃん。このキャラクターはもったいない。はやすぎたバットマンのジョーカーなのか。裸の大将系アンチヒーローダークヒーロー風味のバリアフリージェンダーフリーヒーローとしてシリーズ化してほしかった。ころさないでほしかった。毎回ふらりと全国津々浦々のスラムにあらわれては働かない男たちに一旦は金蔓にされかかるが健気に街娼業にはげみ男たちを支え励ます。働く事の尊さ。働くとは何かを問い掛け遂にはスラム全体を健全へと覚醒させる。一種の革命家でもある。ツルちゃん。普段は化粧をしていないが街娼の時は変身ヒーローとしておかめメイクになる。業務は一切描写しない。かえりに歌う仕事のうたがツルちゃんの一番輝く時だ。クライマックスは地元のヤクザたちやパンパンたちとの反感を買ってのお決まりのアクション。結局風のようにスラムをさる。まさにヒーローである。新東宝系。まぼろし探偵やスーパージャイアンツ。ダークヒーローの宝庫であった。

製作年 1954年
製作国 日本
配給 新東宝
上映時間 111分

スタッフ
監督 新藤兼人
製作 吉村公三郎
脚本 新藤兼人、棚田吾郎
撮影 伊藤武夫
音楽 伊福部昭
美術 丸茂孝
録音 長岡憲治
照明 田畑正一
協力 山田典吾、絲屋寿雄、能登節雄

キャスト
ツル 乙羽信子
ピンちゃん 宇野重吉
徳さん  殿山泰司
ほか

2019年9月30日月曜日

ドラマ阿刀田高サスペンス趣味を持つ女

ゾクッとするような長身喪服の女。無機的で体温のひくそうな美人である。郊外海辺のマンションの廊下のつきあたりの一番奥フローリングの何もない殺風景なその部屋ではあかずの巨大冷蔵庫が異様な存在感をはなってうなりをあげている。その実写版ブキミ鉄人28号かナチスがらみの東宝フランケンシュタインの心臓かもしくはうしなわれたアークかのような巨大冷蔵庫をいとしそうにだきしめる巨女。屈折しまくった暗黒の母性さえかんずる。女にはいいよるストーカーのような男がつきまとっていて女の次の餌食となりそう。女はみずからを独占欲のつよい女とかいってるし。歳をとればとるほどそれはつのるともいってる。巨大冷蔵庫の中には一体何がはいっているのだろう。一体何がはいるのだろう。異常な男女関係の連鎖に腐臭と妖気がただよう。阿刀田高の極私的二大傑作短編ホラー小説そのうちのひとつのドラマ化である。もうひとつもやはり冷蔵庫ネタでこちらもドラマ化されているのでそれもまた近々かたろう。リアルタイムでみてずっと記憶にひっかかりつづけの本作。その主題歌の記憶ともあいまってバブル残照な気だるい時代のあの雰囲気が横溢していたと記憶する。クールさも過剰ならもれでるそこはかとないグロサとエゲツナサもわすれられない。

2019年9月6日金曜日

風丘早月のメッセージ

マリコという人間は骨の髄まで科学捜査官化しており生身の目の前での出来事より熱感知カメラごしの姿とかレーザーマイクごしの声や音の方をリアルにかんじる。前回がマリコを我々からみて。の。ホラーだったとしたら。今回はマリコにとってのホラーとは何かをみせきる。風丘が目の前でころされるより機器ごしでこそがホラーなのである。以下ネタバレ。とにかく今回は誰も死人がでなかったその割にはどっとつかれるヘビーさ。それは奥ふかいところで風丘主人公の法医学ドラマにしっかりとなっていたからだし。なによりも背景にあるのが仮想通貨などという得体のしれない世界のひろがりだったからだ。

2019年8月31日土曜日

女神のぬか漬け

今回はお茶や寿司の回のような消化回ではなかった。時々あるように。ある意味マリコのホラーキャラ面をうきぼりにしていそう。食品というより微生物の宇宙としての糠づけの世界をめでているその姿はやはりマッドサイエンティスト。そんなホラーなかくし味があったからこそラストの不穏さ。次回の急展開へうまくつながった。

2019年8月23日金曜日

予約された死

ネタバレ注意。まるで昭和ドラマによくあった夏の怪談回といってよい今話。患者にたいしてドsな町医者がころされた。この町医者。まるでどこぞの大学病院教授のように葬儀社までまきこみ誤診の過去を隠蔽工作。これは。ダークでハードな話になりそうだ。と。おもいきや。真犯人はありふれて家政婦だし。隠蔽工作にしたってみずからのオチャメなドm趣味の隠蔽だったし。女王様のピンヒールでのこめかみへの一撃という死ももろドmだし。美女二人による解剖プレイなんて。至福。か。そうなのだ。話はどんどんハチャメチャドタバタスラップスティックな方向に。ホラーからドタバタそしてホンワカ家族愛と。二転三転のまさにジェットコースタームービー。でも本質はまるで日本昔ばなしのようなよいはなし。そこがなんともよい。最後お約束の屋上でのメタ解説だが土門のマリコにもいえない秘密をにおわせてのジエンド。さてこの土門の秘密とは。シリアスなものなのか。それとも今回の町医者のそれのようにほほえましいものなのか。

2019年8月9日金曜日

赤い宝石

サブタイトルといい全体的なくらい色調のカメラといいどちらかといえばハードボイルドクライム編。治安のわるい地区にある病院では抗争でかつぎこまれる患者がひっきりなしだ。貴重な血液製材材料のめずらしい抗体をもつヤクザ者。ひょんなことでそんな彼と遭遇することになった臨床検査長。その関係がヒューマンにながれずドライにえがかれるのがよい。そう臨床検査長とヤクザ者の関係まるでフランケンシュタイン博士とその怪物なのだ。マリコはといえば本作ではまるで志村喬のような巨匠重鎮科学者なオモムキ。さてしかしヤクザ者だが。人間的な良心にめざめはじめるとその出自と現状とのあいだにさいなまれ怪物的にあばれだす。花壇の花をふみけちらすその描写やよし。また映画フランケンシュタインのように子供との遭遇もありこころかよわせるかとおもわせやはり映画ばりにつめたくつきはなすようなにがい結果。これもよし。

2019年8月2日金曜日

殺人遊覧船ツアー

熟練の夫婦漫才のようなマリコと所長のかけあいは洗練のきわみで風光明媚さとあいまってイタリア映画かフランス映画のこじゃれたミステリーコメディーのようなおもむきさえ。要所に蒲原宇佐見のイケメンっぷりをはさこむあたりもしゃれていた。それよりなによりいつになく土門刑事がしぶい。ヒッチコック映画でのケーリーグラントばりである。所長とのコンビ捜査で。よい観光になったんじゃないかとそのバディーっぷりをひにくるラストの土門にたいしてうれしそうに否定するマリコ。あなたとならすてきな観光になったわよといわんばかりである。乙女っぷり全開である。なかなかの清涼感あるラブコメ編であった。

2019年7月31日水曜日

怪獣少年の復讐

廃線というほどではないが。さびれた郊外鉄道沿線の雰囲気がまずよい。高台の鉄道会社社長宅と線路高架下のまずしい界隈。その対比。鉄道会社社長が名前だけで。非常に重要な役まわりなのだがその描写。一切皆無。かなり不気味。その鉄道会社社長宅でおこるミステリーではじまり。郷と少年の感動物語でおわる。のだが。希少車両。ふるい変電施設。などの鉄道風景もあじわいぶかく鉄道マニアにアピールする鉄道映画としてもっと評価されてよい。岡隊員の前線での男前さ。など。全体に男くさく。硬質かつ濃密で過剰。泥くさいリアリズムは。帰マンどころかウルトラシリーズ全体とおしてでもめずらしい作風。鉄道事故前後にきまって停電がおこるという捜査線上のミステリー要素や。線路上に石をおいて列車事故を誘発させる容疑者それが鉄道マンの父を事故でなくした。くらい目のビッコの少年。これら数々のサスペンス要素が複雑にからみあいまるでヘビーでアダルトな刑事物のようである。また同時にアメリカンクラッカーや怪獣人形など小物も充実で細部にもぬかりがない。観賞しなおし相当な名作ときづく。

2019年7月26日金曜日

吸血地獄

暗黒物語である。戦後のドサクサ。ヒロポン患者やパンパンがあふれかえっていた時代。それは洋の東西をとわずであった。外交官がポーランドの売春街であそんだ折。売春婦からたくされた赤子。それがニーナ。素行不良の血はあらそえずニーナはブルジョワ世界からとびだしヤク中の青年としりあう。話はもどる。あふれかえっていた売春婦の時代のことである。そのなかに吸血鬼そのものの症状がでる奇病におかされていた者がいたって不思議ではない。帰国引退後も外交官はその母親とかわしたプレイがわすれられずその娘ニーナともそんなプレイをかさねていった。外交官の妻ももはや制止できるレベルではなかった。そしてついに外交官は全身の血さえうしなって命をおとしてしまう。庭の木陰でひそかにたのしんでいたのであろうか。死体は庭師によって発見。デカダンのきわみ。自業自得といってしまえばそれまでだ。このように本作の背後にはそんな最暗黒のすくいようのない世界がどこまでもふかくひろがっている。

2019年7月25日木曜日

宇宙指令M774

本作。主要テーマは地球には全歴史にわたってじつはもうすでにあらゆる宇宙人がひそかに定住して暗躍。というものなのだがそれにはボスタングのような生物兵器や超兵器もふくまれていて。ひそかに移送され設置されまだつかわれてなかったりつかわれないで遺棄され遺跡化したり冬眠したりしている。そんな事情もえがかれている。不時着した変なジュークボックスのあったあの場所もじつは宇宙人の基地か超兵器の。痕跡めいたものとおもえばよい。また同時に対侵略組織もじつは全歴史にわたって存在。こうしたこともやはり本作にはえがかれている。唐突に登場する海上保安庁の戦艦。何処からか飛来してくるジェット戦闘機。異様なかんじさえしてしまう。じつはこれ海上保安庁とか自衛隊とかなんかではない。これらこそ地球防衛軍のガイネン。ソノモノ。イメージ。ザントウ。ザンゾウなのであるのだ。だからリアルな装備なのになんとも現実感のないシミュレーションじみたあっさりバトルにみえてしまうし乗組員も亡霊っぽくみえてしまっているのだ。しかしそれは現実をはるかにこえたとんでもない破壊力であり軍事力であるのだ。この地球防衛軍と現実の自衛隊とのセンビキミキワメモンダイ。東宝円谷特撮作品をみる場合。全作品にわたって。非常にデリケートによこたわるモンダイで。視聴者の高度な脳内補正能力をようする。

2019年7月16日火曜日

パーフェクトカップル

送り主にたどりついたとおもったらそこは墓地で。すでに死者の送り主と勝手に強引にパーフェクトカップルにされてしまう主人公女史。まわりのすべてがグルのようだし。送り主のサダハルがまったく描写されない。まるでラスボスのよう。で。不気味きわまりない。モノリスのようにそそりたつその墓石ばかりが。えげつない存在感でせまってくるばかり。漆黒の虚無へと支配されゆくごときこわさ。なにか宗教戦争やナチズムといったようなものをさえすらかんじさせられる。かってに英霊にまつりあげられたサダハル。ころされたか。いや。はなっからそんな彼はいなかったのでは。いや。いたとしても死人にクチナシ。だろうし。さて魔女めいた。母親をなのる者や。寺社。秘密結社構成員めいた。住職や社員たち。いつのまにか利用されるだけ利用されてしまっているコワサ。ポーの黒猫やローズマリーの赤ちゃんと同系の。そうそう。黒猫といえば。あれは魔女がりの首謀者が魔界から復讐されるような都会の都市伝説。のようにもみえる。それは余談だが。本作。都会にぽっかりあいたヒューマンブラックホール。そのソラオソロシサ。といったら。格別。よくある田舎にいって閉鎖的な因習にハマり猟奇的事件にまきこまれるというのとはまたべつの恐怖。日常のすぐそこにあるファシズムの不条理のような実存的恐怖体験。

2019年7月13日土曜日

京都爆弾観光ツアー

ミラーマンは鏡を契機に鏡の世界へといききするのだ。そこで本作。本作の主人公そうまた奇妙な被害者が主人公。とにかく音の世界に没頭している。さて音を図像化したサウンドスペクトルグラフというものがあってそれが今回の鍵。逆にサウンドスペクトルグラフという図像から空間をわりだすのだ。さすが科捜研。そうしてわりだされた殺害現場。奇妙な主人公その終焉の場。その竹林がまた幽玄そのもの。この世とはおもえない。そうまるで本作の主人公はミラーマンならぬサウンドマン。恋人は永遠の音の世界にたびだってしまった。そんなせつないsf作品。だった。ぜんぜんサブタイトルとちがう。

2019年7月1日月曜日

吸血鬼の絶叫

警察がさっぱりでてこない。だからこそよい。街がなにやらパラレルワールドか近未来の無法地帯にみえる。おまけに街の人がほとんどでてこない。核戦争後のような人口密度だ。ビル街とかうつしだされるんだけれど。それがまたさむざむしい。ナイスだ。さらに主人公。意味なく科学者的好奇心旺盛で。単独捜査ばかりしている。じつの妹がしんだというのにだ。捜査の動機もその復讐心とかでもなさそう。うれない科学者の屈折したなにかの性癖のほうがつよいようにみえる。うれない科学者くずれと浮浪者のようなドラキュラくずれが。場末のバーのママをとりあうすくいようのないズタボロ三角関係のラブロマンスとしてみるとホントやるせなくてとてもすきなテイストだ。おおむね批評はさんざんな本作である。でもでも筆者は大すきである。べたなラスボス吸血鬼。なにかくるった道化師のコスプレかなにかのようにみえて。それはそれでこわい。なにやらえらくかたいれして過大評価しているようにみえるかもしれないがそれをさせるなにかがしっかりある。なぜならちゃんと用意されているオチというかバレネタがこんな筆者にはよけいにおもえるほどなのだから。

2019年6月14日金曜日

穴の牙

実は本作にしても恐怖劇場アンバランス第一話にしても同監督の。迷作とされるこれらは。ホラーというよりもつきぬけてしまったヤリスギトンデモスラップスティックコメディ。としてみたほうがよい。ヒントというか同傾向参照用にはアニメだが。あのルパンVS複製人間だとかがある。本作にはルパン第2シリーズや鬼太郎第2シリーズにつうじるようなカルトアニメな味がある。大人のための実写によるちょっとエッチなアニメ。とおもえばよいのだ。だから藤田は適役であるし原田のワルノリ怪演もたのしい。11PMやスポーツ新聞のお色気コーナーにあったそんな空気感をおもいだしてほしい。それにしても仙人部落の小島功やチンコロ姐ちゃんの富永一朗。野坂に大島そして巨泉。ああいった戦中派のナツカシキ昭和パンクな世界。ほんとなくなっちゃった。

2019年6月7日金曜日

パンダの中の真実

本年はじめの山間連続爆破事件以来の秘密兵器クリーナー型爆薬検知器がリニューアル再登場。なので警察犬は登場しない。あの事件でマリコをまもりサイボーグ刑事となった土門。東京の警視庁サイボーグ一課科学班での調整中なので土門。登場しない。彼とおなじ名をもつわかきイケメン刑事が主人公。なんともカッコイイ。蒲原くわれる。寅さんと満男な駅のホームでのマリコとのわかれのシーンは番組ファンをさぞキュンとさせたことだろう。パンダ誘拐事件がまさか爆破テロ事件へと展開するとは。オチに用意されていたのはトンデモsf的超秘密兵器。ばれてはならないのでヒントだけ。それはウルトラqガラモンの逆襲。これにはヤラレタとだけいっておこう。それにしても大人のいない子供だけの村。前にもあったっけ。そんなメルヘンsf不気味村。子供食堂のポイントカードといい。パンダのポーチといい。気のきいた小物づかい。元帰マンmat本部長のなんとキュートなことよ。刑事部長くわれる。さてsf風味もよいのだけれど個人的にはもっとホラー風味希望。次回も爆破事件。期待。

2019年6月4日火曜日

ジャガーの眼は赤い

先駆的なヴァーチャルリアリティーをとりあげているとかどうとかではなくて。とにかく義手のウルトラセブンのサンドイッチマン。その強烈なグランギニョール自動人形改造人間っぷりにつきる。それプラス黄昏時の少年の神かくし誘拐のイメージ。とにかくレイブラッドベリな犯人像の怪異さ。それらをどこまでウルトラファイトな。いや怪奇ファイトな。そう。ストーリーがどうのこうのな価値判断をこえ。低予算駄菓子屋貸本屋的哀愁に視聴者自身。ちからわざで。つなげてくみとれるかどうかで本作の評価。わかれる。パノラマ島をなしえなかった男の悲哀。ズタボロ青春ドラマエピソードとして。筆者偏愛。はやすぎた70年代全共闘挫折テイスト。車での逃走など。そこはかとたちこめるロードムービーさ。それもヴァーチャル風景の中で完結するせつなさ。個人的にはたまらないものがある。さすらいのモバイルヴァーチャルリアリティー紙芝居屋として地道にやってればいまごろはジョブズ並のレジェンドだったのに。いやドクターストレンジラブか。笑。

2019年6月2日日曜日

セカンドチャンス

顔だし個人情報駄々もれの人気ユーチューバーが自作自演でみずからをしんだことに。こうして一度サイバーでしんだ青年が中年アナログ弁護士とくんでサイバーがらみの事件を解決していく。とにかくこの設定が痛快である。ひきこもり指向の人間にとってはまさにひきこもりをこえまさにさらにそのむこう側へひきこもるようなもの。そうまさにひらきこもりなあこがれの境地である。変身である。変身人間である。こうありたいとのぞむヒーロー。ダークヒーロー像である。ただこうしておなじようにダークヒーローヒロインを量産しカルトな王国を設立するようなドラマ全体でダーク指向つらぬく内容かとおもいきやどうもやはりリアルでがんばれ的な内容。そこが残念。とことんダークヒーローでホラードラマな内容であってほしかった。

2019年5月31日金曜日

消えたパンダの謎

アドベンチャーワールドからのキッドナップストーリー。海底洞窟がでてきたので誘拐犯と少女が手に手をとって探検めいた時にほのぼのな逃走劇になるかと期待したがそうはならなかった。けれどラストでの誘拐犯が都会でころされての発見これはよかった。おかげでちょっとなけた。

2019年5月24日金曜日

愛される悪魔

第三回のときの心理カウンセラーのように犯人ではないが巨悪っぽくどうやら背後にこの後妻業の女がかんでいるようだ的に不気味な存在としてえがくこともできたのであろうが。ちょっと今回はちがう。でっぱなしだ。だが今回それはそれなりにいやそれ以上におもしろく不気味かもしれない。後妻業の女をしたたかな感情の浪速のど根性女的にえがきマリコの知性的京都女的なものと対峙させているともとれるからだ。そしてだからかどこか奇妙に観念小説めいて形而上ディスカッションドラマの内的宗教葛藤のようにもみえる。それによって後妻業の女の存在が実はもうひとりのマリコの心的虚像のよう。そういう意味では今回はある意味幻想的タッチな異色回だったのかも。土門がマリコをとおしてみた一夜の悪夢回。

2019年5月22日水曜日

電気じかけの幽霊

最初はよくある下宿大学生界隈の怪談ばなしのようなでだし。彼氏に手料理をと。こわれた炊飯器をコンセントに。なんと感電死の彼女。彼氏に接近する後輩娘登場。元カノ幽霊と後輩娘との三角関係バトル開始か。で。恐怖な心理戦と。これですすむとおもいきや。なんと物語はとんでもないダークヒロインの誕生をえがく。そう。しんだ彼女。電気人間としてよみがえるのだ。当初は電気の精としてつつましく彼氏のまわりの家電にひそむと。部屋から出先までことごとくかげながら彼氏の文化生活をサポート。まさにaiインターネット家電先どり。だったのだが。彼氏をとられそうになったその瞬間。こわれた家電やら工事器機やらなにやらをみずからの身体の延長のごとくに肥大化。狂暴化。街は戦場。まさにあのAKIRAのような醜悪な巨大不定形モンスターへと変貌。いっきに作風がサイバーパンクホラーに。後半の派手な特撮アクションが前半のラブコメ風心理怪談劇ととにかく解離していて。その違和感。最高。さて身体をえ復活の元カノ。泥棒猫をバッテリーのなかに退治。これからは正義超人として奥様は電気人間な活躍をするのだろうか。

2019年5月21日火曜日

ひとりぼっちの地球人

本放送時や再放映時でもどこがよいのかよくわからなかった本作だがやっとそのよさがわかった。閉鎖的な象牙の塔の大学宇宙物理学研究室においてくりひろげられる白い巨塔ばりのマスコミ世論まきこんでの出世競争がその背景にあるかなしい物語だったのだ。東教授がもし宇宙人だったら。おもしろいではないか。教育実習用宇宙衛星開発。でもさらにそのおくには物質転送装置という人類破滅にもなりうる秘密。闇。隠謀も。によって一躍学会の寵児となったひとりぼっちの地球人くん。しかし恩師協力者の宇宙人教授にうらぎられ。最期はその闇をかかえきれずに物質転送装置にもろともに身をとうずる。まさに財前につうじるかなしさだった。ふくらませ映画化にでもすれば三島原作の美しい星のような作品にすらなりそうな気配も。逆にいえば白い巨塔という作品も本作や美しい星のようにsfとしてたのしむことができるということ。

2019年5月20日月曜日

吸血地獄

奇岩の無人島や硫黄地獄の温泉場というこの世の果てもしくは精神の奥の奥の間。ほぼ異界といってよい。だから。すべては周作のみた幻想だったのでは。ニーナなどという人間はそもそもはじめっからいなくて彼女は周作がことごとく空想でつくりあげてしまったもうひとりの自分のような存在だったのでは。ハイミナールの禁断症状は吸血禁断症状に姿を変え。世にも怪奇な物語の悪魔の首飾りの主人公のように。だとすると。あの男性の女装のドラァグクイーンのようですらあるケバい吸血鬼姿もますます意味深になり効果的だったといえる。

2019年5月17日金曜日

半世紀前から来た客

目的不明で京都の観光地にあらわれたフランケンシュタインの怪物のような怪異な風貌の異人。いや怪人。つぎの場面では怪人ははや炭化した死体に。まさにモンスター。このホラーなでだしがよい。怪人はじつはベトナム帰還兵でptsdをやんでいた。彼の戦場はおわってはいなかったのだ。彼はずっとナパームの炎の死刑台にかけられこの50年間。ナパームの刑にしょされっぱなしだったのである。いつのまにかナパームの成分は彼の体内をかけめぐるようになって彼は変身人間ナパームとなってしまっていたのだ。そしてついに人体自然発火をおこしそして。やっといましねたのである。ちがうか。笑。刑事ドラマなのにミサイル戦勃発をはでにもりこんでしまったことで特撮感がおおいにもりあがり筆者大満足の本作。ところで怪奇大作戦氷の死刑台のエンディングクレジットの宇宙旅行シーン。あれはもしかしたら冷凍人間オカザキがのっているのでは。せめてもの鎮魂の意味なのでは。宇宙葬なのでは。そうかんがえると吸血地獄のエンディングクレジット同様かなりなけるのだが。

2019年5月15日水曜日

くいとめろ人間植物園!

女王花が巨大化しはきだした花粉だが。なにか毒というより快楽麻薬成分っぽい。そんなところからかどうもこのプラントなる一味。やはり麻薬解禁マタンゴめいた退廃思想がらみのものかのようにもかんじられてしかたない。全体が不気味なマリファナ幻想ユートピア譚にもなっているようで。ディスカッションドラマなところもあるし。じつにサイケ全共闘ベトナム戦争。時代閉塞泥沼してて兎に角。変。つぎつぎと人間が植物化して都会の屋上から落下したりするシーンなどもつくりもの感がむきだしだからなのかどうなのか。よけいにこわくかんじられてしかたない。ちからなく退廃自滅してゆくノストラダムスの大予言なジャンキー人類のゆくすえの象徴をみせられているかのようである。やはり全体がバッドトリップで。まさにドラッグムービーな怪傑作といわざるをえない。きたるべき世界がユートピアなのかディストピアなのかなにが正義でなにが悪なのか価値観が判然としないきもちわるさがあふれまくっている。そんなグジュグジュなマタンゴ直系地獄の黙示録直系ノストラダムスの大予言直系のおもくふかいテーマがここにはありそう。冒頭。いったんはプラント思想にながれるがおもいとどまりmjをよび相談する博士。の人間描写が。おもくかつふかい。マタンゴ思想をしっかりうけついでいる本作ならではの名発端だ。博士宅ロケの屋敷がやはり同時期ドラッグロードムービーの怪傑作。怪奇大作戦吸血地獄。のやはり発端。外交官邸そっくりなところも本作の筆者偏愛的神回名迷作感をつよめている。ラスト。緑におおわれた富士樹海のうえをとぶマイティ号。戦艦としての活躍などもいっさいなかった。だからよけいに不気味ですらある。そういえば戦えマイティジャックでのマイティ号。もはや兵器というよりうごくただの基地かコンテナ。そう実写ワイルド7のトレーラーのようなつかわれかただ。対q戦でいったん廃船になってそれを基地がわり住居がわりにつかってるのか。アップルの下部組織化どころかさすらい化したのでは。mj。そんなかんじ。敵もqの残党やなんかなんでもありだが小物ばかりな様相だし。そんなこんなで。でがらしやさぐれ感が戦え30分になってからはさらに濃厚。そこがたまらなくよいといえばよいのだが。

2019年5月13日月曜日

爆破指令

暗黒企業城下町と化した黒崎市。権力もメディアも悪の巨大組織によって裏からことごとく牛耳られて荒廃ディストピアと化してしまっており。工場廃液の沼みずたまりばかりがひろがり若者たちはそんな泥濘の公害汚染地区その一画の脱法バーなんかにたむろしては暴力サイケ音楽酒女におぼれるそれぐらいしかたのしみがない。月曜日がくればまた奴隷のような工場での一週間がはじまるのだ。シャブにたよってどうにか土曜日までもちこたえる。mjメンバーが市へと潜入する。さてここで無印マイティジャックの大人数というのがひどくいきてくる。のがうれしい。各専門分野をいかし科学施設通信施設と潜入箇所を分散。それはもうまるで捜査というよりレジスタンス活動そのもの。そうまるであの大作洋画パリは燃えているかのような大河群像近未来歴史反戦劇の様相すら呈しはじめる。クラブママの久保菜穂子もシモーヌシニョレのようだし写真から敵戦艦最大の弱点をみぬき六さんこと服部隊員役の福岡正剛氏などはそのルックスからいつもはいけてない。でも的な大脱走のドナルドプレザンスかのような大殊勲をしめす。またロシアンルーレットのような不条理さ。なクールであっけないバカバカしいくらいの戦艦直接対決は究極ai兵器どうしのたたかいとして超高度遠隔操作頭脳戦とみるならば現実こうだろう的にじつにすばらしく。装甲のかたさから内部しんにゅう時限ミサイル作戦というのもこれまたすばらしくやはりクールな大作戦である。こういうしずかなバトルこそその両者の巨大ロボ感神話感大戦感をひきたたせるものなのである。この神話的静謐荘厳ゴシック感は戦えマイティジャック最終回にひきつがれ歴史大河sf的大感動をよぶ。ぜひ劇場用映画として東宝マーク大スクリーンでみてみたい。

2019年5月10日金曜日

8億円の猫

前回が科学者そして今回が童話作家と。その業績で地位も名誉も手にしたが。さてさて。的に。その死とそのふかい孤独がえがかれている。遺体と痕跡からそのふかい孤独がしだいしだいに科学であぶりだされるようなおもむき。そうなっている。科学でトリックをあばきだし犯人をおいつめるというおもむきからはこのところかなりとおくなってきている。王道といえば王道である。じつにしぶい。これはこれでよいのであろう。このところシーズンによってはライトに時事風俗をとりいれていたのもあってそれはそれでたのしかったのだが4クールにもおよぶシーズンならば地に足のついた渋渋路線をベースにする。それをたのしむべきなのかも。某国営放送が大河ドラマであまりに時代によりすぎて王道をふみはずし苦戦しているのがみえるだけにそんなおもいがなおさらよけいにだ。今回はさながら家政婦はみたの猫版猫はみたといったところだったが次回はタイムスリップもの。か。

2019年5月8日水曜日

折り鶴が見た殺人

この話は京都府警を地球防衛軍におきかえるとわかりやすい。地球防衛軍武器装備開発班をたちあげたレジェンドその老未亡人の怪死にたとえるのだ。その裏にあった大戦中の悲劇。現武器装備開発班長の紛争国への裏関与。それをしった老婦人の命をかけての抵抗。なき夫の遺志と平和へのいのり。こうしたハードな背景をじつに少女漫画チックにセンチメンタルにえがいているところがじつによい。ウルトラセブン盗まれたウルトラアイのようなあじわいがある。なのでマゼランミサイルのように現武器装備開発班長にあたる現社長を人間として登場させずあいまいに経営aiの暴走による武器輸出とすればなおさらドラマチックになったのでは。

2019年5月7日火曜日

カナダから来た男

この不遇の天才科学者。みずからの死をかけての研究の達成をはかったともいえる。そんな。どこか。かなしさがある。最後に祖国京都をたずねようとしたところなど。さながら今回。悲劇のダークヒーローライダーマンとv3といった。ヒーロー同士のかなしき友情をえがいたどこかアベンジャーズにもつうずるようなおもしろさの回。相馬のあかるいキャラクターとその親友のダークさが好対象。女心理カウンセラーの裏の闇稼業な自殺成立マッチング業めいたものがなんともグロい。それにはまってしまった天才科学者。それを相馬と呂太が科学の力で解決。全体的なトーンがハードボイルドな刑事ドラマなところもよかった。所長と刑事部長の。やりとりとか。犯行場所の空港施設のひえびえとしたかんじとか。も。だからよけいにわかきあかるいイケメン科学者ヒーローたちがきわだった。そのぶん若手刑事ヒーローの蒲原は今回見事にシブい。

2019年4月26日金曜日

天才画家xの計画

あの砂の器にも当時の若手前衛芸術家グループみたいなものがでてきていたが。本作も若手アートグループの美術部室な青春怪談みたいなところがあってそこが特によく。またウーバーイーツめざす宅配ベンチャーみたいなグループにそれがうけつがれ。そのかれらのスティングまがいな集団サギ群像劇。なかなか青春ドラマしててよかった。そして殺人現場の解体工事中の雰囲気満点な迎賓館っぽい建物。あれをみていたらある怪奇ドラマの冷凍人間の回にでてきた科学者コンビの冷凍実験場をおもいだしてしまった。だとするとあのドラマも。本作のアートで世界にまでなりあがるというのとおなじく。医学で世界にまでなりあがろうとしたやはり若者グループの青春怪談群像劇。んな側面でとらえ解釈できるのでは。冷凍人間にされたモンスターの悲哀もよいが加害者側の青春科学者その挫折ドラマとしても傑作だったのではなどとおもえはじめてきた。とにかく本作の被害者役者の演技もすばらしく。本作。彼の立派な主演作となっており。科学犯罪ミステリーというよりカフカやカミュっぽい彼の不条理青春ドラマというかんじで。かなりの異色作だったかも。

2019年4月19日金曜日

科捜研の女vs科警研の女

できれば置屋での芸者の開眼死体の登場シーンでタイトルにはいってほしかった。マリコどアップ変身シーンなタイトルバックはなかなかせっかく気もちわるくてよかったのだから。さて。サブタイトルにひっぱられて鑑賞するより脱走物としてみたほうがおもしろい。意識のない人間にみられてしまったということで誤解して罪をかさねるところなどちょっとホラーでよろしい。また闇にひそんでいるところをとらえるのに最新の装備を投入するところなども怪奇大作戦っぽくsfもしてるようでよかった。とにかく犯人役におわらいの人をキャスティングするのにはおおいに大賛成である。

2019年4月17日水曜日

そこにいる!

いやはやおもしろかった。毛布やすりガラスの衝立とか小物を不気味にとらえたカメラもすばらしく。また二人の怪優のキャスティングのとりあわせがにくい。たった15分物だが後半ほぼ三分の一の尺をフルにつかいきってのスーパーマーケットフルスペースフルつかいきりホラーシーンはまるであのロメロゾンビさえかんじとってしまった。搬入口から脱出し駐車場をつっきって車になんて。もろゾンビである。だったらエンディングもお茶の間むけのあのありがちなラストではなく。そのまま車をだしてはしらせてほしかった。なにもかも会社もやめてとにかくにげてほしかった。そしてこんな台詞でしめてほしかった。あれから二度とあのスーパーにはいかなかった。そしてあの後あのスーパーがどうなってしまったのか誰もはなさないしはなしているのをきいたこともなかった。

2019年4月13日土曜日

赤んぼ少女

とにかく山のホラーとして材料はここにととのいまくった。さてでだしも快調。嵐の山中でのエンコ。たどりついたのは古井戸のある廃園にかこまれた。たかい塔のある洋館大屋敷。まわりには広大な野犬群よけの高圧電流柵がはりめぐらされている。不気味な侍女。夜毎ひびきわたる。いるはずのない赤んぼのなき声。狂気の女主人と弱気な亭主。前半戦はこれらがゆったりとしたハーモニーでそこはかとない設定当時の火垂るの墓な。やけ跡混沌のやるせない闇をひきずり。なつかしの昭和三十年代ゴシックホラー感にひたれる。ところが後半戦となるといきなり高圧電流柵をとびこえ。イケメンヒーロー登場。そう今風に斎藤工の大活躍編ジェットコースタームービーとなってしまう。その落差は目眩さえしそう。あくまでよい意味でだ。これこそ当監督の本領発揮なのでそれはそれでよいのである。このヒーローはまるでロボコップのようなサイボーグにちがいないからだ。そのグロテスクバイオレンスさじつによろしい。肩から完全に腕をうしないながらも大量出血さえもない。何度もいきかえるしのこされた腕の力も人間ばなれしていて少女を井戸からかるがるひきあげ救出する。その井戸の底は怪物のすむ部屋へとつながっていた。そんな赤んぼ少女とのバトルアトラクションはえんえんとつづく。しまいにはフランケンシュタイン対地底怪獣のように山全体が大規模な山火事にまでなって火の渦にかこまれつつのたたかいとなる。かくして後半担当主人公の斎藤工と前半担当主人公の水沢奈子はかろうじて勝利。敗北した女主人浅野温子と怪獣タマミは業火のなかへと崇高に身をとうずるのであった。

2019年3月31日日曜日

ある殺し屋

これはもうほとんど黄金の七人のようなある犯罪グループのそのミッション達成へいたるまでのスリリングな恋と友情とうらぎりの青春内幕群像劇だ。キャストをあげる。市川雷蔵。野川由美子。成田三樹夫。小池朝雄。渚まゆみ。小林幸子。この顔ぶれでおもしろくならないわけがない。なによりも主人公雷蔵の異星からのスーパーマンのようなたたずまい。まるで地球に落ちて来た男のボウイのようである。ストーリーも同様に群像劇だ。地球に落ちて来た男のほうは企業たちあげから大プロジェクトへをえがいているのでほとんど人間関係も結婚離婚絶交再会と大河ドラマしているが本作のほうは一件の暗殺ミッションとその臨時召集メンバーだけなので規模の大小がある。だが。しかし。その味わいは同質。そして。やはり格別だ。地球に落ちて来た男ほどしぶくはないのでターミネーター第一作のようにならじゅうぶんいまどきの特撮若者へもアピールするはず。十代でも二十代でもないちょっと哀愁のすきまかぜふきこむ青春晩年組が犯罪によってあのあつい青春をとりもどそうともがくときの群像劇はたまらないあじわいがあるものである。たとえばオーシャンと十一人の仲間。こういうあじわいこそ青春映画ともアクション映画ともいわずフィルムノワールというのであろう。

2019年3月20日水曜日

蛇娘と白髪魔

養護施設の女子にめでたく親がみつかり屋敷にひきとられる。しかしその屋敷には。そう。よくある定番設定の怪奇物なのだが屋敷が近所でマチナカなのでゴシックなホラー感がもりあがらない。やはり屋敷はとおく山中の閉鎖的な村に。で。なくては。なのである。クライマックス。幽閉された屋敷屋根裏部屋から脱出。からがら養護施設にたどりつくのだが。施設長のシスターがナニモノかにころされ絶体絶命。でもやはりどこかもりあがらない。なにかあると施設と屋敷をいったりきたりなのである。で。おもったのだ。これは少女版家政婦はみた。そして少女版少年探偵団。では。と。してみてはどうだろうか。と。ホラーというよりミステリー。そして田舎ゴシックではなく乱歩で清張な都会派ミステリー。と。そうとらえるのだ。そうするとじつにハマリがよくなる。ライバル役の。主人公の姉の。なにやら不良少女更生物のようにさえみれてしまうのだ。あの大映ドラマがよみがえる。東宝ならこうはならない。ホラーへとふりきれてしまう。積木くずしなどがよい例で映画版の東宝版なんか。もはやエクソシストへとふりきれてしまっている。しかしこの大映テイストの中途半端さ。そこがじつにあいらしい。少女漫画の映画化としてはこれはこれでよかったのでは。でもやはり近所なのでもりあがらない感が気にかかる。施設と屋敷をいったりきたり。とにかくビデオ初見時には事実そうみえたのだ。だが。しかしである。こんな風にもおもえてきたのである。屋敷そのものが怪物的なイキモノとして主人公の心象で増殖したりして幻想もまじえられてえがかれているのではないか。とも。あの怪奇大作戦吸血地獄散歩する首もそうだ。ホテルも屋敷も山小屋も異常にひろい。無際限の宇宙のようだ。本作も。これ破綻ともみえるがそのじつとんでもないおそろしさをひめていたのだ。ビデオ初見時。二階の屋根裏部屋だというのにあの脱出シーンはまるで何十階だてだかの塔の上からの脱出のようにみえた。屋敷敷地内。はるか眼下に高速道路がよこぎりその下を鉄道線路さえ建物スレスレにはしっていた。あれはどうかんがえてもおかしい。幼少リアルタイム劇場初見時にはその他の恐怖場面ではなくこの迷宮感に。その夜ねむれなくなった。のである。ラスト。おわれにげこむ建築現場にしても実はそこもまだ屋敷敷地内であり工事建物も屋敷の一部だったのでは。そうすると。とにかく本作の一番おそろしいところ。それはその空間のゆがみ感をともないまくったバケモノのような屋敷ソノモノだったのでは。この湯浅監督というのは油断できないのである。事実昭和ガメラシリーズもその空間把握感覚はそういえばすべて異常だった。しかしその異常空間感は本作。コントラストのきついモノクロ画面をえてさらにひきたっている。そこでやはりモノクロ作品昭和ガメラ第一作をみかえしてみたのだが。やはり怪作だった。そうわすれられがちだが。ヒッチコックの鳥やめまいもそうでホラー映画醍醐味には空間恐怖というのがしっかりある。だから劇場でみるにかぎるのだ。

2019年3月9日土曜日

カメラを止めるな!

やはりパゾリーニ高校生映研あがりのゾンビ映画初老ファンとしては三層構造の一番外側がやはり一番おいしい。ホント低予算b級ゾンビ映画としてのソノ痙攣的なリズム感覚な編集がホントここちよい。伏線となるようにと丁寧につくりこまれたうえでのギクシャクさだからというのもあるだろうが。やはりデビュー作でありスタッフキャスト皆のフレッシュさもおおきいとかんじた。あの往年の時代のパンクロックのファーストシングルににた手ざわり。あの時代もプロデューサーバンドともにあつかったものだ。ぜひ一発屋でおわらないでほしいものである。とにかくピアやシティロードあの時代のあついインディーズフィルムなかんじはひさしぶりで。かえってきてくれた感万歳である。

2019年3月5日火曜日

行列

いわゆる異世界物で最後にどんでんがえしのあるいわゆるスジそしてオチだけをたのしむお子様なナンセンス物を期待してはならない。これはハードボイルドな都会の哀愁をえがいたつかれた大人のためのダークな寓話フィルムノワールである。あくまでもその黒い情緒をたのしむべきである。行列のはるか最後尾までつれていってやるとあらわれるオンナガタなタクシー運転手。ニューハーフメフィストなかんじが非常によろしい。いわゆるファムファタールな位置づけなのだ。だから主人公はじょじょに運命をくるわされてゆく。ながいながいトンネルのなかではセクシャルな空気さえただよう。そしてたどりついた行列の最後尾。なにやらとおく町はずれまできてしまった感場末感がいちじるしい。ここんとこがまた非常によろしい。都会の哀愁きわまるである。最後はロッカーゆえのシャウトがさえわたる魂のさけびでおわるのだ。タモリの不気味な上司役もクール。

2019年3月3日日曜日

GAMBA ガンバと仲間たち

やはり七人の侍の設定はワクワクさせられる。まず仲間が七人そろっていく課程。そして現場への移動。寒村や絶海の孤島で。環境が過酷であればあるほどモエる。敵のラスボスはある意味モンスターであればあるほど怪獣退治物っぽくもなりイイ。本作のノロイもその点イイ。集団催眠特殊能力のシーンはじつにもりあがる。それにたいして命をかけて催眠をとくムラのオサ。ここは非常にポリティカルであると同時に政治とはマツリゴトであるという視点があらわれており政治意識とは非常にあやうくもろいものという民俗学的文化人類学的相対思想であることがよくわかる。いってしまえば大衆文化サブカルチャー民主主義をかんがえなおすよい材料となるともいえる。子供むけだからこそ必要な視点ともいえる。ただゲーム的に蛮勇こそカッコイイとするのではなくホントの敵はなんなのか。ホントの敵はココロにこそひそむというオカルトでホラーな描写や視点。すぐれたヒーロー物とはやはりつねにすぐれたホラー物でなくてはとおもう今日この頃。で結論。本作ヒーロー物としては凡作だがホラーとしてはかなりイイ。そしてアニメっぽくないヘンな特撮とかんがえソコがイイとする筆者なのだった。

2019年2月9日土曜日

仁義なき戦い広島死闘篇

広能スクラップ置場の番人という設定もすばらしく。野良犬ばかりの町も近未来な荒涼感満載。猿の惑星ならぬ犬の惑星ともいうべきsf作品として鑑賞。主人公山中正治の最初のミッション現場も開発中の造成地だし川谷の惨殺現場は無人島。大友長次の背景にはいつも原爆スラムの風景がひろがっている。とどめは人類のたえた町。その廃屋で警察の警報アナウンスのなか自決。仁義なきシリーズの魅力中その最大のものにちがいはなかろうが。そのポストモダンでsfチックな側面だけが濃縮されたような超異色作。いや異形作。賛否まっぷたつ。ラストカットもくずれおちた中近東遺跡のような。山中の墓からの原爆ドームへのワンシーンワンカットのながまわしはもはやホラーか怪奇映画である。本作がいかに絵的に暴力の暗黒面を表現してあまりあるかをかたっている。梶芽衣子成田三樹夫はじめキャストのクールビューティーさもきわだっている。超美男美女どうしのまるでアンドロイドかのようなブレードランナー感あふれる無機的なからみシーンなど。そういう意味ではポップアート美術的芸術的作品ともいえるだろう。音的には音楽もシリーズいちにの地味さでほとんど大友役の千葉真一のラップのごときシャウトにもっていかれる。が唯一キャバレーでの山中と広能のシーン。バックでバンドによって演奏される東京流れ者がきわだってクール。仁義なき戦いシリーズ。どれからみるか。どれからすすめるか。ホントむずかしい。全五作すべてがちがったキリクチをもっている。さすがだ。そういう意味ではおなじ五部作。猿の惑星シリーズとくらべるとわらわれるだろうか。あながち黒人暴動の寓話と暴力団抗争の実録で表裏一体ぐるりまわってメビウスの環ぴったり一致なようなきもするのだが。とにかく本作のタイムリープはすごいの一語。怪我のコーミョーかもしれぬが。洋画でもゴッドファーザーなど続編二作目作品が奇跡的超異常傑作になる例のひとつかもしれない。

2019年2月8日金曜日

仁義なき戦い広島死闘篇

のちになんどもくりかえしえがかれるわかきヒットマンたちの悲劇の原点。ただたえるしかなくのこされる女たちのあわれさ。銃身に砂をつめて口にくわえるのがこわい。これだとうちぬくというより暴発して頭部全部がふっとんでしまう。後半のくらさは暗黒不条理sfのよう。なによりも山守がしずかにそのそこなしのダークさをかもしだしている。じつは本作番外篇どころかパラレルワールドものである。山守とたもとをわかったあとからたもとをわかつまえへと広能タイムリープするのだが。そのままたもとをわかったままの広能としてタイムリープしている。別にもう一人たもとをわかつまえの広能がいるということなのだ。だとすると本作での山守ももう一人の山守ということか。どうりでいつもいじょうに不気味。

2019年2月6日水曜日

仁義なき戦い頂上作戦

全編襲撃場面。だがこの虚脱感はなんだ。まるで傷天じゃないか。子分に車におきざりにされる広能昌三なんてもう小暮修そのもの。主人公しんでこそいないがパクられて途中退場。後半は主人公不在でもうカオスそのもの。代理戦争が迷宮感覚だとすると。本作頂上作戦は崩壊感覚。すべてがガラガラとくずれおちていく感覚はクセになりそう。そういえばやはりしんでこそいないがパクられる野崎弘。えんずるは小倉一郎。前回かいた渡瀬恒彦の不条理ヒットマンにつうじる役だが。小倉一郎のことをアンソニーパーキンスとかいたツイッターがあった。やはりおなじようなことをかんじるひともいるのだ。仁義なきシリーズでえがかれる無慈悲にしんでゆくわかきヒットマンたち。かれらはヤクザではなくサイコやカフカなどの不条理ホラー世界の住人だということ。だから仁義なきシリーズはふるびない。原爆スラムにおしよせる警官隊。ドブ川を逃走。下水道ににげこもうとするところを逮捕。このドン底の泥沼感はまさにベトナム戦争のジャングル戦の暗黒感。このぐじゅぐじゅでぐだぐだ。シリーズ次作ではオープニングがオウムのようなカルト政治結社の原爆記念日当日平和デモ。このすくいなささよ。これぞ真のホラーそういえる手法でこそ暴力の真のおそろしさは身体レベルでつたえうる。それを証明するそれが仁義なきシリーズ。

2019年2月5日火曜日

仁義なき戦い代理戦争

仁義なきというより仁義がまるで亡霊とかした世界がえがかれている。死体をみて嘔吐したりぶったぎられた手首のアップがあったり冒頭からもはやホラーである。仁義の墓場というタイトルがあるが本作はさながら仁義の亡霊。巨大化しすぎた怪物のような組織の影にただただみながおそれおののいているばかり。まるで日本沈没くしくも73年同年制作映画の後半のよう。全編くらい密室でたがいに怪談話をしあってこわがらせあっている任侠百物語。もしくはキューバクライシスばりのポリティカルフィクション。実際突然停電したりもする。とりかわされた盃関係ももはや複雑怪奇すぎてなにがなにやらわからなくなっている。舞台の広島がカフカの世界のような不条理さでみたされていく。女もすべて悪女いや魔女にみえる。襲撃現場の野次馬のなかうつりこむ死体をとおまきにしたたずむ少女などこわすぎてこわすぎて。ねとられた嫉妬からうらぎられなにがなにやらわからないうちに蜂の巣にされ骨壺ごと粉々にひきつぶされるそれも母親の目の前で。これでは暗黒不条理世界にまきこまれたカフカ作品の主人公である。際限なき暴力そして戦争というものが人道上どうのこうのではなくただただひたすらにおそろしいものだということをつたえてあまりある。わらってやがて背筋つめたく。本作での渡瀬恒彦はどこかアンソニーパーキンスみたいでホント名演。

2019年2月4日月曜日

ガメラ対大魔獣ジャイガー

パニック映画のおもしろいところは災害現場の現場当事者の奮闘にある。怪獣だって一種の災害で。現場がふんばるからおもしろいのである。担当者や責任者がすぐ現場から誘導され避難。すべては防衛隊にまるなげ。そんなのばかりじゃおもしくない。だのに怪獣主体とばかりに防衛隊ミッション描写主体なのがあまりにもおおい怪獣映画というジャンル。それが王道だからしかたないが特にマニアうけする諸作にそんなのがおおい。なにかタコツボにはまったようでいきぐるしい。防衛隊とは。自衛隊とは。憲法とは。んなかんじとなってボーエーロン沼にハマってしまったんでは。あのミシマをかんじてしまう。あのセキグンをかんじてしまう。あのオウムをかんじてしまう。正面論争がわるいといっているわけじゃない。ただいつも真正面からの論争。衝突。んなんでよいのかということ。そのてん本作は万博パニック映画という設定を導入。新幹線大爆破のようなアオリカタではある。が。警備をまかされた民間の警備会社が防衛隊のごとき大活躍をみせる。その装備や司令室がまたかっこいいのなんの。主人公はあくまでも万博広報主任の若者だ。ここからしていつもマスコミ人な東宝との差別化が意識的になされているようですばらしい。それどころか警備主任のイケメン平泉成がその存在感でガゼン主人公さえぬきんでいる。ファイヤーマンでの活躍がおもいだされる。とにかく。さすがザガードマンの大映である。東宝のは。どこか政府や自衛隊の活躍が前面にでてしまいがちで身近な庶民感とか民間感がうすい。本作の潜水艇なんか。そのへんの町工場製品だ。東宝日本沈没の御用多国籍企業製わだつみ号なんかとくらべられたし。しかし性能はまけてはいない。ガメラ体内を地球内部のごとくに対応。航行する。このミクロの決死圏か地底探検か。そんなsfアドベンチャーなクライマックスこそ。本作のもうひとつの顔であろう。ひとつが警備会社活躍の業界映画。ひとつがsfアドベンチャー。いかにも怪獣映画としては異色で。怪獣のかげがうすいようにみえるがそれでよいのだ。本作。東宝のような秘密兵器こそでないが警備会社のgpsつき携帯電話がでてくる。これなどは今を予言するようですごいの一語につきる。怪獣映画マニアにはこのすごさがわからないのか。スパイ映画ずきならすぐわかる。なにせそれも子供たち。警備会社からかりるでなくぬすむのだ。このかっこよさ。こういうマクロではなくミクロな視点からの。怪獣映画を起点とした災害論争憲法論争も時には必要なのではないかという気にもなってしまう一本。震災時にいつもは炎上悪役ツールなツイッターが世に効したように。万年二番手の大映怪獣映画だってすてたもんじゃない。

2019年1月27日日曜日

わたしを離さないで

数年前にわたしを離さないでというドラマがあって臓器提供して。もはやこの世にいない旧友などといっしょに聴いたおもいでのcdとおなじマイナーアーティストのcdを何十年か後に海辺のセレクトショップでみつけるシーンがあった。店長を大友康平がやっていた。彼は牙狼などで特撮づいてるのでよけいにそのシーンがいとおしくおもえたものだ。

2019年1月26日土曜日

博徒七人

まさに歴史上の謎陰謀おおき。時代の黎明薄明期。明治期のオモテムキイケイケな大日本帝国。修羅雪姫でもおなじみなおいしすぎる時代設定。暗黒時代。無法地帯。官権がほとんどおよばない機能しない無法地帯ゴマンで非情無情時代の設定だからこその痛快なそしてダークゴシックなおもしろさがここにはある。おちこぼれのさらにおちこぼれ。わすれられたヒトビト。バリアフリーヤクザ群像。これはもう特撮映画の怪獣たちそのものである。野性と純情しかもちあわせていないそんな魅力あふれる素材が子供うけするヒーローキャラへとフルにいかされている。バリアフリーヤクザ。連呼さえしよう。それをいいことに人造人間を道具のようにつかいすてては終末無法世界をぎゅうじろうとするネルフのような暗黒軍隊組織。憎々しいったらありはしない。さながら東宝の怪獣総進撃のような怪獣映画だ。仮想シマナガシ場オキノシマはまさに怪獣ランドである。第四新東京市である。怪獣と組織しかでないところがほんとうにすばらしい。だからこそ暗黒とはなにかをえがききれている。警察権力公権力は最後の最後にちゃかされてでてくるにすぎない。この脚本さすがだ。県警対組織暴力の萌芽をみた。権力とはの意識的対象化がなされているからこそできる作劇術だ。そしてえがかれる野性と純情。それは義理人情どころではない。さらに昇華されきっている。男。男。男。の世界である。爽快きわまりない。花をそえる松尾嘉代の頭の丸丸丸な点点点な女郎がまた最高である。つねにはんびらきの口元。が。これはあまりにも表現上危険すぎるとふんだのだろうスタッフ。設定上も台詞上も説明皆無。巧妙な演技でにおわせるだけにとどめている。そんなつもりなのだろうがどっこい筆者はみぬいた。彼女もうひとりのバリアフリーである。だから指輪のくだりも自然だ。裏タイトル博徒八人である。荒野の七人のようにメンバーいれかえつつシリーズ化してほしかった。しらべると続編があるらしい。しかし。封印。残念。とにかく見事な演技演出脚本である。それぞれの人物像があまりにも魅力的かつ重厚なので本作第一作の内容だけでも。充分大河ドラマとしても通用しそう。日本沈没73年版とならぶ火薬量も豊富なダイナマイト映画のかくれ傑作でもある。忍者部隊月光のような戦時忍者映画としてもみれるし。船上バトルや海中バトルはないけれど島も海の一部とかんがえれば立派にパイレーツオブカリビアンな海賊映画でありナバロンの要塞のような海洋アクション冒険小説映画化活劇ともとらえることができる。感動シーンも恋愛もある。超おとくな一本。音楽もすばらしい東映戦隊ヒーロー路線の超異色作。なぜそういうかというと。宣伝ポスターの七人のキャラそれぞれにつけられたキャプションがふるっているからだ。キャラ名の次に障害部位と必殺技がならべてかかれている。のだ。続編になると障害のない必殺技だけの新加入キャラもでてくるのだが。それも七人のメンバーとしてキャプションがつけられ紹介されている。障害のない場合は必殺技だけを表記。ということは障害と必殺技はセットということだ。つまり障害があればこその必殺技。日常不便な欠損部位に非日常戦闘武器をアダプトした。障害をおぎなうどころかヘンに増強してしまい人間ばなれな非日常身体になってしまっている。ナーンテユートンデモセッテー。これではまさにサイボーグそう改造人間ではないか。sfではないか。そう本作はサイボーグ009ならぬサイボーグ007いやそれをいうならサイボーグ00893か。それも実写版それも東宝のエスパイのような大人仕様。そんな作品である。すごいではないか。もう筆者のような特撮爺には今年封切リアルタイム作品かよな。ど真中ストライクな一本。まったくふるさをかんじない。ちょっと冷静になろう。そういえば仮面ライダーや海底大戦争などなど改造人間物って東映おとくいのジャンルだった。とにかくそんな今の東映をだれしられず。きずきあげたまさにカゲの功労者。いや功労作。それが本作。さらにどんどんしらべていくとネタバレまでされてて。主人公殉職やメンバー全滅で。とかではなく戦えマイティジャックのようにメンバー中一番の純朴善人あいされキャラの死で。シリーズ終焉というのもまたなかせてくれるじゃないか。

2019年1月19日土曜日

大怪獣ガメラ

大映マークからアバンタイトルのながれがとてもクール。ホリゾントの空の柄もいつもながら現実にはありえないダリのようなシュールさですばらしい。だからこそガメラ出現のタイミングではいる大怪獣ガメラのタイトル。いたって貸本漫画調なやすっぽさとうつるのだが白黒というのとあいまってシュールさからの大落差で超ポップ。みごとなでだし。国籍不明の不気味な爆撃機は。本作を冷戦期という情報暗黒時代におきたエリア51事件のようなできごととしてつよくいんしょうづけるのにひとやくかっている。灯台と怪獣という構図も。ブラッドベリの霧笛をおもわせるが原子怪獣現わるのようなとってつけた感はない。なんといってもそこに孤独な亀サイコ少年をからませたことで暗黒童話っぽさがきわだってウルトラcならぬウルトラqしてしまっているからだ。手足をひっこめ円盤のように飛行するのもわらってはいけない。あらゆる円盤事件はガメラかもしれないのだといっている。吉田義夫と浜村純そして左卜全のおかげでガメラが完全にゴジラ的な社会派怪獣ではなくなってホラーでダークで胡散くさいクトゥルー怪獣のようになってしまってて。そこがなんといってもよい。あとはラストにむかって荒唐無稽さのジェットコースターで。宇宙スケールきわまって。ゴジラのような哀愁もへったくれもなくsfでおわる。ガメラ第一作。ギララやガッパにはない低予算さで逆にいきのこることができゴジラにつぐ存在に。皮肉だが本作それくらいなんともいえないオンリーワンな魅力をもっているのはたしか。とにかくzプランなる謎の国際プロジェクトが秘密裏の人類選別火星移住計画のようでダークすぎ。

2019年1月18日金曜日

愛の亡霊

メキシコ革命期の荒野を舞台にした特撮西部劇恐竜映画があるのだけれどもみていてたのしいものである。そんなたのしさにつらなるものとして邦画ならではならば。股旅ものに怪談ものをからめたものがある。怪談昇り竜とか東海道お化け道中とか。そんな中の一本に本作もいれたいといったらおこられるだろうか。音楽もすばらしくオープニングがまずいい。人力車だが。まるでタクシードライバーのオープニングのあのぬるっと登場するイエローキャブのようだ。車屋儀三郎。屋号は車儀。人力車夫。体力勝負なある意味侠客である。酒もつよい。そしてそのかれがちいさいながらかまえた一家そしてその家屋。中世の古城ならぬ旧日本家屋だが黒びかりして重厚。そこを舞台とした昔気質の漢の年代記であり立派なゴシック劇である。それもヨーロッパというよりアメリカ中西部が舞台のトラック野郎ものにしてもにあいそうな。それくらいかわいた荒涼がひろがってる。そうどこか郵便配達は二度ベルを鳴らすをおもわせるところさえある。そのへんがにたようなジメジメした村視点のみでえがかれたやすっぽいよくある村落日本映画とはひとあじもふたあじもちがっている。あくまでもハムレットやリア王などのシェイクスピア作品にもつうじる主人ののろいが城におよび末代までたたる的なそんな中世大悲劇である。そしてサイコのような。いきなりあれだけ前半存在感をはなっていた主人公が。突然暗殺者にのりこまれあっけなくころされてしまって後半主人公が交代して別の映画のようになってしまうというところのメタミステリー映画でもある。田村高廣から。刑事というより私立探偵っぽい駐在。川谷拓三に主人公がチェンジしてしまうのだ。田村高廣パートはまるでゴッドファーザーパート2におけるデニーロえんずるところのビトーパート。とおい過去。どこか日本昔ばなしのようなえがかれかた。カメラもおくゆきのあるローキー。川谷拓三パートはまるでパチーノパート。カメラはハイキーで。画面はいかにも平面的で三面記事的で現代的な画質へと変化。パチーノと川谷。共通するはそのニューロティックさ。かも。ところで儀三郎暗殺の犯人グループである。吉行和子と藤竜也。どこか無自覚な。罪をおかしてあとになってはじめてことのおおきさにきづくテロリストのようにもみえる。でまくってはいるがどこか存在感がうすくストーリーをすすめるためだけの狂言まわしのようにもみえる。もしくは黒子か文楽人形のよう。それくらい近未来人的で。その性交場面さえ無機的にみえる。それはとにかく。田村高廣がほんとうにすごい存在感。たとえ分家の分家そのジナンサンナンでちいさなヒャクショウヤの出であったとしてもいまや家族をおもう家長としてのイダイサ。車屋という下層だがれっきとした職人としてのプライド。べっとりとその家屋にぬりこめられ。たかのようなそんな重厚な家屋の美術セットとそんな家屋をとらえるカメラはほんとうにすばらしい。アルジをうしなってからの家屋はというと。ひとりのこされた吉行和子がそこを舞台にしてじょじょにくるっていくすさまじさ。長女もイエをでていくし。ボヤをだしやけのこり再建されてからの家屋はというと。いよいよ廃墟感がすさまじくなる。もしかして長男はやけしんだのか。なんとも不穏な雰囲気の美術セットとカメラ。このゴッドファーザーパート3のコルレオーネ家のような家族没落のサマはなんともすさまじい。この段階で二代目当主な顔をしてまるでベトナムがえりか南軍くずれかのような藤竜也がイエへところがりこむ。と。冒頭とそっくりな儀三郎不在宅既視感な二人のブキミな密会シーンに不思議突然もどる。いきなりのタイムループ感。しかし。儀三郎の天の声。いや地の声か。それがまたもかぶさる。それもこんどは地獄の底からのようにまがまがしく。それはそれはおそろしいシーンだった。一瞬みているこちら側の精神までいかれてしまったかとあわてる。この手法。監督の必殺技で。帰ってきたヨッパライでもつかわれていたが本作ではより洗練されさえわたっている。もはやはやすぎるタイムループホラー映画といってさえよい。かくしてもろともに田村高廣ののろいは二人におよびジェットコースターのように終末へ。森の中の地下室のような古井戸から発見される儀三郎の死体もそんなふうにしてみなおしてみると八つ墓村の洞窟死蝋やリングの床下井戸をはるかにこえてはるかにおそろしくうつる。というよりどこか王や神のミイラのようなこうごうしささえ。いやはやクロサワにひけをとらない。クロサワにはやはり夢という特撮映画があるが。いやそれ以上な。あのぶっとい梁の日本家屋のもつ漆黒の魅力のもと。あらゆるものすべてがしらずしらずのうちにうしなわれていってしまっていた転形期薄明時代。その霧と闇にうごめく魑魅魍魎を存分にとらえきって。あっぱれな世界のオーシマ日仏合作逆輸入特撮怪奇映画。

2019年1月13日日曜日

マタンゴ

マタンゴは間接的ゾンビ映画だ。だって人間がキノコになってそれを人間がたべてまたキノコになるんだもの。キノコは元人間である。キノコの正体は胞子である。胞子は粘菌のように条件さえととのえばみずからの意思でうごくことができるようになる場合さえある。緊急指令1041010のドロ人間がそうだ。地中の。分解一歩手前の腐乱死体に胞子がとりつき生前の残留思念と胞子の意思がむすびつきゾンビのように復活した。サンゲリアの半世紀前ゾンビなんかがその好例だ。そうかんがえるとマタンゴ。あのマタンゴの森はもしかしたら原住民の村落墓地だったのでは。うめられた死体が胞子に感染しキノコ人間もしくはキノコとしてよみがえった。そういうものなのかも。そうかんがえるとラスト。いきのこった主人公がふりかえるとマタンゴをたべてもいないのにその顔にはマタンゴ症状がすでに。あれって胞子が空気感染したとかいわれたりしているが。じつは彼。マタンゴの森でゆきだおれてしまっていったんはしんでしまった。だが胞子に感染しその状態でいきかえり日本にもどってきた。そうともとれるのだ。だとするとあのマタンゴの森ってチンケにみえるけど相当に不気味だ。

2019年1月11日金曜日

かまいたち

どうやら牧主演回とおもうから本作は難解なのであって。じつは本作。的矢所長主演回なのでは。それも牧のエヴァ的苦悩ではなく所長の鉄人28号的大活躍。それがストレートにえがかれているようにおもう。所長のかたる少年時代のかまいたち騒動のくだりなんかあまりにもしんにせまりすぎているからだ。どこか村の長老が村人たちへと伝説の妖怪ばなしでもしているようなそんな妙なスケール感と深淵さがある。じっさい本作での所長は出番も口数もすくないがその表情でじつにおおくのことをかたっている。まるでゴジラのセリザワ博士のようなかっこよさだ。所長主演回といえばこうもり男の回もそう。じつにシュールな回であった。この的矢所長という人物像ホントつかみどころがない。仙人というか。モーゼというか。そんな所長が巫女じみたサーボーをしたがえてかまいたちとの勝負にでるのだ。そのようにかんがえると。一般にいわれている動機なき殺人などという本作の社会派推理的解釈がじつは相当に偏狭であることがわかる。そう。宗教殺人。たとえばカミュの異邦人とか。そうした神学的旧約的背景。それくらい原罪と実存のふかい闇をかかえた事件。そっちのほうこそがよっぽど理にかなっている。どうだろうか。わかい女ばかりをそれもおなじ橋のうえでバラバラにしてころす。まるで古代インカとかのあらぶる神への供物祭儀のようではないか。そうなるとあのアロワナのえさやりショーのシーン。戦慄ものでさえある。こうしたゴジラのような暗黒神不条理絶対巨悪にささやかだが抵抗せんとする確固たるsri精神。あの。つり人形プラスコントローラーと。そしてそれをあやつり勝利する所長。その表情。ダークサイドをしっかりみすえみずからはダークサイドギリギリでふみとどまる。そのことの大切さ。それをあの表情はおしえていやしないだろうか。あわてふためく野村はもちろん。とまどいの表情の牧やいかりばかりな町田警部。すくなくともかれらよりあきらかに力づよい。さすが所長。

2019年1月10日木曜日

地球に落ちて来た男

本作の原作脚色はといえば。しっかりと経済小説しておるし起業家サクセスストーリーのポイントもちゃんとおさえ。個性的なメンメン弁護士オリバーや大学教授ブライスそして宇宙人ニュートンによる巨大新興企業ワールドエンタープライズその盛衰それらをてぎわよくていねいにえがこうとしている。それはたしかだ。登場するお茶目な運転手つき社用車もたのしいし暗躍する国家がらみの対抗勢力かれらとの攻防にしたっていたってスリリングだし。しかし感覚派監督ニコラスローグはというと。そうしたよくできた職人的脚本にそった波瀾万丈にドラマチックなあつい正統派大悲恋大河ロマン風演出からはどうやらはなれようはなれようとしているようで。どちらかというとダメセレブ同士の退廃的でズブズブななんにもおこらない腐縁すれちがいメロドラマそっちのほうを志向している。よって脚本と演出においてへんな解離がおこり全体がギクシャク。それが本作を一見ゲージツっぽく難解にみせている。これはデヴィッドボウイ自身のアーティストイメージにもおなじことがいえる。ボウイは一見ロッカーなビジネスマンミックジャガーとはちがう。ましてやゲージツ家でもない。本作のラストシーンをみよ。スターじゃない。ジギースターダストでもない。時代おくれなただのスターダスト。このズタボロさ。かっこよすぎ。さてそしてついにオリバーはころされニュートンは国家に拉致されてしまう。しかしバラバラになりそうになった会社や青春の仲間たちを維持せんがためとマドンナであるメリールー。えんずるはあのアメリカングラフィティーのキャンディークラーク。彼女は意図的に科学者と所帯をもつ。そこにはニュートンにたいする純愛がふかくふかくきざみこまれている。ブライスはブライスでミュージシャンにまでおちぶれたニュートンを必死でさがしあてる。ここにきて一見難解にみえていた本作。いかにもストレートかつシンプル。すばらしい腐縁メロドラマ。かつダメセレブ群像賛歌。で。同時に。あのアメリカングラフィティーにおとらずの。さわやかで。せつなすぎる青春映画その大傑作。

2019年1月6日日曜日

パーマネント野ばら

地方のパーマネント屋が舞台。ながれ者がきていつきそう。床屋じゃないから大丈夫か。でも薄幸天使な少女とそれをとりまくハハとババのコンビがオナジミのホラーキャスティングすぎてまるで復讐するは我にありのアイマイ宿みたいではある。もしくは千と千尋か。店にでいりする客もオミズなのがおおく田舎でたのしみもないし血の気やチソコ汁のおおそうなのもおおそうなので近親相姦関係が複雑そうで痴話殺人とかしょっちゅうおきてるっぽい立地はやはりホラー。で。やはり。でた。悪魔のいけにえアーンド八つ墓村なチェーンソー男。まさにきり株な所業。やはり本作最大のクライマックスは妖怪鬼婆への出張パーマか。感想。サイコホラーとしても主人公にトウがたちすぎているしさびしんぼうや時をかけるのようなせつないアイドル映画をねらうより山岳ホラーとして海岸より禁じられた遊びチック共同墓地な丘でおわらせたほうがよかったかも。でも最後を薄幸天使でおわらせたのはよかった。

2019年1月4日金曜日

正月スペシャル

ある意味ホラー回。爆破片は弾丸よりはやいそれにうちぬかれるようなものだとかさんざんおどしといて狂気の悲鳴とともに背中に無数の被弾。だもの。かかわった男がつぎつぎ不幸になるそういった魔性感ファムファタール感。というか業のふかいショーバイ科捜研そのオンナな雰囲気をまとったマリコがなんともダーク。真犯人の巧妙なダークサイドおとしこみ作戦だったのか。にしてもこのじわじわと。という悪はなかなかでこのてのふかい心の闇をかかえた犯人像。わくわくする。さて犯行だがヒトケのない山岳ミステリーと爆破サスペンスをからめた点がなかなかに荒涼でダウナーな気分をb級映画的にかもしだしてくれている。クライマックスも廃ビルだったし。住人がパニックになって無人。ゴーストタウン化した町を爆弾感知器もって爆弾処理にむかう一行その図はムチャクチャかっこいいとおもうので。もうちょっとスケール感つけてえがいてくれてもよかったのですが。最後にとにかくわすれてはならないのが上島竜兵氏。首おられころされたうえに死体を爆破処理され。それもついでに。しられぬまま土砂にうもれるなどというあまりにもなムザンさはさすが。にあうことにあうこと。土から顔だけでていたがあれは頭部だけで発見されたということなのであろう。すさまじいかつみごとな死体演技である。