2019年3月5日火曜日

行列

いわゆる異世界物で最後にどんでんがえしのあるいわゆるスジそしてオチだけをたのしむお子様なナンセンス物を期待してはならない。これはハードボイルドな都会の哀愁をえがいたつかれた大人のためのダークな寓話フィルムノワールである。あくまでもその黒い情緒をたのしむべきである。行列のはるか最後尾までつれていってやるとあらわれるオンナガタなタクシー運転手。ニューハーフメフィストなかんじが非常によろしい。いわゆるファムファタールな位置づけなのだ。だから主人公はじょじょに運命をくるわされてゆく。ながいながいトンネルのなかではセクシャルな空気さえただよう。そしてたどりついた行列の最後尾。なにやらとおく町はずれまできてしまった感場末感がいちじるしい。ここんとこがまた非常によろしい。都会の哀愁きわまるである。最後はロッカーゆえのシャウトがさえわたる魂のさけびでおわるのだ。タモリの不気味な上司役もクール。

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