2019年4月26日金曜日

天才画家xの計画

あの砂の器にも当時の若手前衛芸術家グループみたいなものがでてきていたが。本作も若手アートグループの美術部室な青春怪談みたいなところがあってそこが特によく。またウーバーイーツめざす宅配ベンチャーみたいなグループにそれがうけつがれ。そのかれらのスティングまがいな集団サギ群像劇。なかなか青春ドラマしててよかった。そして殺人現場の解体工事中の雰囲気満点な迎賓館っぽい建物。あれをみていたらある怪奇ドラマの冷凍人間の回にでてきた科学者コンビの冷凍実験場をおもいだしてしまった。だとするとあのドラマも。本作のアートで世界にまでなりあがるというのとおなじく。医学で世界にまでなりあがろうとしたやはり若者グループの青春怪談群像劇。んな側面でとらえ解釈できるのでは。冷凍人間にされたモンスターの悲哀もよいが加害者側の青春科学者その挫折ドラマとしても傑作だったのではなどとおもえはじめてきた。とにかく本作の被害者役者の演技もすばらしく。本作。彼の立派な主演作となっており。科学犯罪ミステリーというよりカフカやカミュっぽい彼の不条理青春ドラマというかんじで。かなりの異色作だったかも。

2019年4月19日金曜日

科捜研の女vs科警研の女

できれば置屋での芸者の開眼死体の登場シーンでタイトルにはいってほしかった。マリコどアップ変身シーンなタイトルバックはなかなかせっかく気もちわるくてよかったのだから。さて。サブタイトルにひっぱられて鑑賞するより脱走物としてみたほうがおもしろい。意識のない人間にみられてしまったということで誤解して罪をかさねるところなどちょっとホラーでよろしい。また闇にひそんでいるところをとらえるのに最新の装備を投入するところなども怪奇大作戦っぽくsfもしてるようでよかった。とにかく犯人役におわらいの人をキャスティングするのにはおおいに大賛成である。

2019年4月17日水曜日

そこにいる!

いやはやおもしろかった。毛布やすりガラスの衝立とか小物を不気味にとらえたカメラもすばらしく。また二人の怪優のキャスティングのとりあわせがにくい。たった15分物だが後半ほぼ三分の一の尺をフルにつかいきってのスーパーマーケットフルスペースフルつかいきりホラーシーンはまるであのロメロゾンビさえかんじとってしまった。搬入口から脱出し駐車場をつっきって車になんて。もろゾンビである。だったらエンディングもお茶の間むけのあのありがちなラストではなく。そのまま車をだしてはしらせてほしかった。なにもかも会社もやめてとにかくにげてほしかった。そしてこんな台詞でしめてほしかった。あれから二度とあのスーパーにはいかなかった。そしてあの後あのスーパーがどうなってしまったのか誰もはなさないしはなしているのをきいたこともなかった。

2019年4月13日土曜日

赤んぼ少女

とにかく山のホラーとして材料はここにととのいまくった。さてでだしも快調。嵐の山中でのエンコ。たどりついたのは古井戸のある廃園にかこまれた。たかい塔のある洋館大屋敷。まわりには広大な野犬群よけの高圧電流柵がはりめぐらされている。不気味な侍女。夜毎ひびきわたる。いるはずのない赤んぼのなき声。狂気の女主人と弱気な亭主。前半戦はこれらがゆったりとしたハーモニーでそこはかとない設定当時の火垂るの墓な。やけ跡混沌のやるせない闇をひきずり。なつかしの昭和三十年代ゴシックホラー感にひたれる。ところが後半戦となるといきなり高圧電流柵をとびこえ。イケメンヒーロー登場。そう今風に斎藤工の大活躍編ジェットコースタームービーとなってしまう。その落差は目眩さえしそう。あくまでよい意味でだ。これこそ当監督の本領発揮なのでそれはそれでよいのである。このヒーローはまるでロボコップのようなサイボーグにちがいないからだ。そのグロテスクバイオレンスさじつによろしい。肩から完全に腕をうしないながらも大量出血さえもない。何度もいきかえるしのこされた腕の力も人間ばなれしていて少女を井戸からかるがるひきあげ救出する。その井戸の底は怪物のすむ部屋へとつながっていた。そんな赤んぼ少女とのバトルアトラクションはえんえんとつづく。しまいにはフランケンシュタイン対地底怪獣のように山全体が大規模な山火事にまでなって火の渦にかこまれつつのたたかいとなる。かくして後半担当主人公の斎藤工と前半担当主人公の水沢奈子はかろうじて勝利。敗北した女主人浅野温子と怪獣タマミは業火のなかへと崇高に身をとうずるのであった。