2019年8月31日土曜日

女神のぬか漬け

今回はお茶や寿司の回のような消化回ではなかった。時々あるように。ある意味マリコのホラーキャラ面をうきぼりにしていそう。食品というより微生物の宇宙としての糠づけの世界をめでているその姿はやはりマッドサイエンティスト。そんなホラーなかくし味があったからこそラストの不穏さ。次回の急展開へうまくつながった。

2019年8月23日金曜日

予約された死

ネタバレ注意。まるで昭和ドラマによくあった夏の怪談回といってよい今話。患者にたいしてドsな町医者がころされた。この町医者。まるでどこぞの大学病院教授のように葬儀社までまきこみ誤診の過去を隠蔽工作。これは。ダークでハードな話になりそうだ。と。おもいきや。真犯人はありふれて家政婦だし。隠蔽工作にしたってみずからのオチャメなドm趣味の隠蔽だったし。女王様のピンヒールでのこめかみへの一撃という死ももろドmだし。美女二人による解剖プレイなんて。至福。か。そうなのだ。話はどんどんハチャメチャドタバタスラップスティックな方向に。ホラーからドタバタそしてホンワカ家族愛と。二転三転のまさにジェットコースタームービー。でも本質はまるで日本昔ばなしのようなよいはなし。そこがなんともよい。最後お約束の屋上でのメタ解説だが土門のマリコにもいえない秘密をにおわせてのジエンド。さてこの土門の秘密とは。シリアスなものなのか。それとも今回の町医者のそれのようにほほえましいものなのか。

2019年8月9日金曜日

赤い宝石

サブタイトルといい全体的なくらい色調のカメラといいどちらかといえばハードボイルドクライム編。治安のわるい地区にある病院では抗争でかつぎこまれる患者がひっきりなしだ。貴重な血液製材材料のめずらしい抗体をもつヤクザ者。ひょんなことでそんな彼と遭遇することになった臨床検査長。その関係がヒューマンにながれずドライにえがかれるのがよい。そう臨床検査長とヤクザ者の関係まるでフランケンシュタイン博士とその怪物なのだ。マリコはといえば本作ではまるで志村喬のような巨匠重鎮科学者なオモムキ。さてしかしヤクザ者だが。人間的な良心にめざめはじめるとその出自と現状とのあいだにさいなまれ怪物的にあばれだす。花壇の花をふみけちらすその描写やよし。また映画フランケンシュタインのように子供との遭遇もありこころかよわせるかとおもわせやはり映画ばりにつめたくつきはなすようなにがい結果。これもよし。

2019年8月2日金曜日

殺人遊覧船ツアー

熟練の夫婦漫才のようなマリコと所長のかけあいは洗練のきわみで風光明媚さとあいまってイタリア映画かフランス映画のこじゃれたミステリーコメディーのようなおもむきさえ。要所に蒲原宇佐見のイケメンっぷりをはさこむあたりもしゃれていた。それよりなによりいつになく土門刑事がしぶい。ヒッチコック映画でのケーリーグラントばりである。所長とのコンビ捜査で。よい観光になったんじゃないかとそのバディーっぷりをひにくるラストの土門にたいしてうれしそうに否定するマリコ。あなたとならすてきな観光になったわよといわんばかりである。乙女っぷり全開である。なかなかの清涼感あるラブコメ編であった。