2020年8月27日木曜日

吸血地獄





崖っぷちをドライブ中のカップル文字通りだし何かを象徴してもいる。運転する男がやたらハイテンション猛烈に事故のフラグがたちまくっている。酒に酔っているのかヤクでもキメテイルノカ案の定対向車をよけきれず正面衝突いやよけたせいで崖下に落ちたどっちなのかその辺が曖昧なままフロントガラスが割れアニメっぽく人工血液が飛び散るという抽象的な象徴カットで画面は葬式現場に切り替わる。ここの切り替わりは何度観てもぶつぎり感が凄くやはり極めて異常としか言いようがなく加えて死んだ女の棺から取り出したのか棺に納めようとしているのか男は薬物の小瓶を手にしこんな物飲まなければなどと言っているこれもよく考えると変何より葬式の様子が変その他大勢の振る舞いが全員よそよそしくバラバラで勝手なことばかりしている我関せずで現実的手ごたえが全くない。変なところが長回しだったり変なところがワンカットだったり。兎に角変何か普通と違い浮わついていてドキュメンタリーっぽくも陳腐な学芸会ノリ再現ドラマっぽくもある。円谷一氏の演出の他の作品ウルトラセブン侵略する死者たちの冒頭第三病院をフルハシが訪ねた時の院長の応対のちぐはぐさとかウルトラqあけてくれの冒頭一平がおいてきぼりをくらう所の唐突さとかよく似た異様さなのだ。やはり本作もうすでに冒頭から異次元トリップ夢おちなドラッグフィルム感バリバリに振り切れてしまっている。そんなツブラヤハジメ氏はさりげなくなにくわぬ顔でドラマにメタフィクションという地雷的なモンスターをここ怪奇大作戦でも子供相手に平気でぶちこむようなそんなナイスオトナコドモな屈折好漢なのだ。結局本作ラストのナレーションまで視聴者まきこんで大風呂敷の大嘘っぱち真実は崖下に落ちた車だけ投げ出された男女だけ海岸なのか山肌なのかはわからないそんなマットペイントカキワリ状の岩の隙間にアニメっぽくドクドクと満ちる人工血液郵便配達は二度ベルを鳴らすを観たくなるくらいな乾いたハードボイルドさだ。本作の実体そんなエンドロール部分冒頭の事故シーンとこのシーン正味それだけであって吸血鬼がどうとか死後復活がどうとかドラキュラの末裔がどうとか実はすべてなかった事なのだ。ただヤクはヤクをキメての運転はアブナイですよとさらりとながしてうまくかわしている様子だけなのだ。スポンサーが製薬メーカーだったり売血など当時の放送禁止の時事的話題をあつかっていたりというのもあるかもしれないそれだけただただそれだけな良い意味での陳腐すぎるストレートすぎるテレビ三面記事ウィークエンダー再現フィルムそのものな内容。そうだからこそ本作まさに奇跡的暴力的ヤケッパチ青春ドラッグフィルムたりえている。成功失敗を越えた作例で筆者はその魅力にハマってしまって金輪際ぬけだせそうにもない。ウルトラの父と母ともいえる名コンビが最後に放屁したアニメとドキュメンタリーとベタすぎる特撮が渾然一体となったパンクな作品。


2020年8月6日木曜日

エレベーター

安全上。最近はホームドアどころかモノレールのとかはホーム全体がガラスばりの駅さえあって安全かつ近未来な感じがして良い。でもたしかに駅って色々あって。モノレールはプラットホームが空中なので危険だからガラスばりなのはわかるとして。古い地下鉄の駅なんかどこまでがこの駅のプラットホームなんだよってくらい長く横にひろがって闇の奥に続いているなんてのもあった。このままいけば隣の駅と柵で隔たれた地点さえあってホームがつながっているんじゃないかとか。または。途中の夕闇の中で田舎の無人駅のホームのようにとぎれてしまっていてそのまま今は使われていない廃線線路上にポツンとなげだされおき去られるんじゃないかとか。色々妄想がひろがってしてしまう。さてさっきの近未来駅だが。それだとまるで駅がエレベーターホールと変わらなくなってしまいということになってさえしまい今度はエレベーターで妄想がひろがってしまう。エレベーターの坑道内を何機ものカゴが電車のようにはしっているのだ。もちろん。時刻表どおりに。だ。カゴも車両連結化しててホームというかホールというかそのドアも複数。エレベーターホール内には壁画製作現場でみられるような鉄骨足場みたいなのが持ち込まれている。そんなヘンな妄想。それどころかエレベーターが走っているのも球形の上の線路のように無限軌道上だとさえ考えてさえしはじめてさえしまうのだ。例えば地下のない一階どまり本マンションのこのエレベーター。無限大の山手線。ターミナル駅で終わりではなく終着駅の更にその先その先。じつは無限に深いエレベーターピットを有している。階数表示されないが裏操作取説がある。分厚い時刻表だって我が管理人室には完備されてさえいさえさえするのだ。底には地下水や比重の重い有毒ガスや一酸化炭素が溜まり死体が折り重なっている。何機に一機かはそんな冥界への下降用として幽霊達に使われている。反対に上り線だってある。いつの間にか誰もが自分は今エレベーターに乗っているのか電車に乗っているのかわからなくなる。だってほらもはや現代人はエレベーターのgを電車の加速と同じように感じなくなってさえしまっているではないか。リアルとヴァーチャルごっちゃになったネット社会。のように。そうなるとエレベーターの坑道も地下鉄の坑道のようにその闇の中すみずみ魑魅魍魎がゾンビたちが満ちてくるんじゃないかな。そんな気さえしてくる。