2019年10月8日火曜日

どぶ

ツルちゃん。このキャラクターはもったいない。はやすぎたバットマンのジョーカーなのか。裸の大将系アンチヒーローダークヒーロー風味のバリアフリージェンダーフリーヒーローとしてシリーズ化してほしかった。ころさないでほしかった。毎回ふらりと全国津々浦々のスラムにあらわれては働かない男たちに一旦は金蔓にされかかるが健気に街娼業にはげみ男たちを支え励ます。働く事の尊さ。働くとは何かを問い掛け遂にはスラム全体を健全へと覚醒させる。一種の革命家でもある。ツルちゃん。普段は化粧をしていないが街娼の時は変身ヒーローとしておかめメイクになる。業務は一切描写しない。かえりに歌う仕事のうたがツルちゃんの一番輝く時だ。クライマックスは地元のヤクザたちやパンパンたちとの反感を買ってのお決まりのアクション。結局風のようにスラムをさる。まさにヒーローである。新東宝系。まぼろし探偵やスーパージャイアンツ。ダークヒーローの宝庫であった。

製作年 1954年
製作国 日本
配給 新東宝
上映時間 111分

スタッフ
監督 新藤兼人
製作 吉村公三郎
脚本 新藤兼人、棚田吾郎
撮影 伊藤武夫
音楽 伊福部昭
美術 丸茂孝
録音 長岡憲治
照明 田畑正一
協力 山田典吾、絲屋寿雄、能登節雄

キャスト
ツル 乙羽信子
ピンちゃん 宇野重吉
徳さん  殿山泰司
ほか