2023年12月7日木曜日

すばらしき世界2021

コロナや戦争とかでai化ディストピア傾向にある昨今の社会は窓口とかで複雑でヒヤヤカな対応をうけがち。昨日もケータイ窓口でそれに遭遇。軽度の瞬間湯沸かし器の自分でも血圧があがる。本作は社会派難病告発映画である。降圧剤にたよっていきるしかない瞬間湯沸かし器高血圧患者。ますますいきづらい。降圧剤。常用ではなく。特効薬というか本当によい薬が開発されることをいのらずにはおれない。

2023年12月1日金曜日

八つ墓村

おちのびた吸血鬼がゆきだおれた村のはずれで質素にいきのびようとしていたのに村人に当局へうられて虐殺されてしまう。末裔の女吸血鬼が復讐のパートナーとして同胞の吸血鬼男を街でひっかけ色じかけでディストピア村に監禁。まるでカフカの城のよう。そしてベトナムやオキナワの排外差別主義をかんがえさせられる。復讐のターゲットの村の地下は地球防衛軍のようにひそかに吸血鬼の本部要塞化がなされていた。そこには屍蝋化したドラキュラ伯爵。村の双子の老婆を死後もテレパシーであやつり復讐計画はすすめられる。ジョナサンハーカー役にはショーケン。ヘルシング役には寅さん。とにかく吸血鬼をやさしくうけいれてくれたようにみせかけ。てのひらがえしする村人がこわい。葛飾柴又寅屋車屋のように誰でもわけへだてなくうけいれやさしくしてくれる場は夢物語なのだろうか。もう地下トンネルとかソックリで。ガザ経済封鎖地区かよ。世界はもはや巨大なイスラエル八つ墓村。ベルリンの壁エイジに逆もどり。

2023年11月25日土曜日

あばよダチ公(1974)

製作国日本。上映時間93分。もしかしたら本作と野獣死すべしのエノケンヤリスギナンセンスドタバタコメディアクション演技は地続きなのかも。共に優作は探偵物語風な軽いメタコメディ演技ではないしジーパンとも違う。ライトでウケの良いテレビ向けじゃない。野獣での自嘲的かつグロテスクな教祖風人物。盛大にカルト教団的な物かつ集団主義的な物や権威権力を笑い飛ばしているよう。そうそんな風に彼の本質はもっとバンツマのような戦前無声映画的カイブツ。何処迄も異形の存在としての孤独の影。クリストファーリーやブルースリーのような怪優。優作の立ち姿にはそこはかとそんな孤高の自嘲的ユーモアが感じられる。はっきり言う。テレビでの人気者に成る時間があったらモット腐る程プログラムピクチャーに出て欲しかった。本作や野獣死すべしのようにツヨシナガブチヒトシマツモトなカリスマを否定しショーコーアサハラな教祖性を解体しまくる岸田森や伊丹十三や小沢昭一な痛快なモンスターとして。そんなプログラムピクチャーがまだあまりにもすくなすぎる。ゴミのようにあふれているようにみえるカルトVHS作品だが正規一般むけ娯楽作品にくらべたらかなしいくらいこころぼそい絶対数だ。そしてナントイッテモ幼児番組のヒーローとして身障者のカリスマとして。ゴジラのように。ミシマのように。

ア・ホーマンス

ラスト10分のカタルシス。これぞシン仮面ライダーv3。風のようにあらわれ巨大なサングラスを装着して変身する松田優作の姿はまさにライダーマンそのもの。うたれた石橋凌にジャンパーをかぶせるとみせかけ一瞬で改造蘇生手術をほどこす。これもv3にライダーマンがほどこした手術そっくり。奇妙な底辺の改造人間同士の友情を最高の東映魂でえがいた永遠不滅の大人のための東映特撮。片桐竜次とポール牧の不気味さはショッカー怪人以外何者でもない。

2023年11月23日木曜日

火垂るの墓

あかい幽霊は黒沢清やニコラスローグでおなじみだし冒頭で荒野へなげすてられるドロップ缶にはいった骨片の謎も今村昌平の復讐するは我にありの遺骨空中静止の謎とかぶる。そして全編が幽霊による回想なところはもろシックスセンスでしかもさきどりだし本作見事なまでに意味深で快調な出だしのスリラー映画ホラー映画しかも傑作。ゆえに。くらい反戦映画などという陰気なレッテルがはられおかげでエンタとしてのパンクとしてのポジティブさが年々うしなわれ抹香くさい芸術じみたかびくささばかりがめだってしまうようで実にくちおしい。本作しっかりアニメゆえの拡張された映画的身体性にみちている。節子はもちろん。細部にかいまみえる少年セイタの性衝動っぽいトマドイや怒りや反抗心も見事な。くらくギザギザな青春映画だ。特に空襲火事場泥棒に迄おちぶれ無法を謳歌し映画的に躍動する件は。自動機械戦争という殺人とセッパつまっての窃盗。どっちが重罪。といわんばかりだ。ニューシネマのようでパンクだしロックだ。無垢のみがすくいのポストモダン時代の人間の終焉歴史の終焉のスタンスで本作はかたられている。裏テーマの化学兵器にたいするいかりの昇華の結果のカタストロフィーな荒唐無稽さもゴジラからの東宝の伝統だ。雨どころか横穴の沼の水も人心もことごとく軍需工場の重化学物質いや未知の化学兵器材料か。それもオキシジェンデストロイヤーばりの終末物質。に汚染されていた。ヤバめな森の中の謎の横穴防空壕跡と沼もホント不気味。なぜつかわれず放置されたのか。なぜ大人達はちかづこうとしなかったのか。子供達ばかりが心霊スポットのようにあそぶばかり。ホント野坂原作の映画には傑作がおおい。エロ事師しかり。とむらい師しかり。誰か全漢字題三部作も映画化してくれないものだろうか。骨餓身峠死人葛死屍河原水子草乱離骨灰鬼胎草。対岸の高台の邸宅もきもちわるい。被弾し炎上する軍需工場地帯の幻影とかさなる。蓄音機の音が霧のように沼の上をすべり少女の幽霊が一人あそぶ。ひびきわたる空襲アナウンスの音色の幻聴のような酷薄さとかさなる。典型的なゴシックホラーの仕たてだ。この躍動からのこの落差。こわいし不気味なのだがなんともホスピタブルにいやされる。のも事実。特に真夏の夜の性夢か。暗黒にぬりつぶされた観艦式。筆者的に最高。これこそがゴシックの。ホラーの効用である。本作。この際。元祖ゴスロリアニメの。そのパンク的精神的古典とでもいいきってしまおうか。そして。くりかえす。まちがいなくあの沼は汚染されている。ホットスポットのような汚染地帯で予言的でさえもある。いや。あった。としてほしい。ドロップ缶におさまってしまう迄に汚染物質に侵食されていた骨髄そんな悪夢は近未来sfホラーの絵空事の中でだけでホントもう沢山なのだから。

仮面ライダーx、第7話、恐怖の天才人間計画

長坂秀佳脚本回の怪人はホント気色わるい。怪人はただの怪人で改造人間とかの出自があきらかにされはしない。とてもあいまいに濁らされている。指令もゴッド総司令として。怪人が日常の八百屋の店先など。ちょっと街の裏通り曲がり角に出向いたかとおもうと。そこでうける。怪人の人間態も街にすっかりとけこみ少女の憧れの人の良い大学生家庭教師だったりする。廃墟に不気味な機械仕掛けの地蔵やマネキンがポツン。ホームレスが拾ってきたのか。廃屋の隅のエロ本エロカセットテープのようにして。道中陣のように情報爆弾がしかけられている。

仮面ライダーx、第6話、日本列島ズタズタ作戦

日本の各地に武器をばらまく。もしくは日本のいたるところを兵器工場にしてしまう。それで嘘の情報を流し内乱を誘発する。挑戦人が井戸に毒を投げ込んで回っているとかな作為情報である。ゴッドが直接手をくださなくても日本人が。庶民が。いかに互いの信頼を失い凶暴化しているかがよくわかる。そんな便乗型の作戦が多いゴッドという組織。バドーの犯罪ロボットレンタル業に似ていかにも身軽で合理的。そこがまた情報ディストピア時代の犯罪組織の在り方を描いてて胸糞わるい。snsフェイスブックとかの偽アカウントを偽装すれば全く古くなく実行可能。そして更に今回の舞台。武器暴発事故を起こした兵器工場城下町の川崎界隈あたりだろうか元漁村。化学兵器や核兵器だと汚染もされていよう。露頭に迷い自殺したり。公害病に喘いだり。悲惨な事故遺児達がこの界隈にあふれかえっていく。水俣か火垂るの墓の神戸のように胸糞な地方都市である。そんな遺児達から見れば入植して来た飯場のオヤジ達は冷酷不気味な怪人に見えて当然である。夜中の造成地での酒盛り。おおさわぎしながら一升瓶を振り回す牛のような現場監督。

2023年11月18日土曜日

第18話そびえ立つ恐怖

イルーゴ。五類。致死率は低いが感染力が高い。つまり。それは汚染。コロナも今やウイルス汚染と言える。それは人の気分を消沈させる。裏で進行する闇権力。アッシャー家の崩壊の瘴気に相当する。全世界がポーやワイルドの時代気分厭世的世紀末思想に覆われる。さすが怪談新耳袋で触れて以来注目の継田淳ホラー胸糞な脚本。お父さんエッセンシャルワーカーに感謝。

2023年11月15日水曜日

走れクルーザー!Xライダー!!

仮面ライダーx第二話。ずっと前から豆腐屋の笛じゃないが八百屋の笛。で団地の住民は何度も扇動され心はとっくに荒んでいたのではなかろうか。平時でも戦時下のような妬み嫉みの密告暗黒社会が出来上がっていた。だから笛の合図ごときですぐ殺し合う。少年の父も八百屋の正対を知ったので消されたか絶望して自殺したのではないだろうか。いやもしかしたら八百屋の先代で真っ先に八百屋ごとゴッドに乗っ取られた。団地に親しまれていた八百屋だから余計に団地住民は騙され易くなっていた。江戸時代のどこかの藩のような話。とにかく近未来ディストピアの戦時ポリティカルフィクションとして通用しそうな大変すぐれた脚本。昨今の世界情勢そっくり。こうしたエピソードが多いxライダー。胸糞度では仮面ライダーシリーズ随一かも。

2023年11月6日月曜日

ロボット刑事、第一話、バドーの殺人セールスマン

敵はあくまでも科学を悪用する科学犯罪組織という意味でも。動くラボ一人科捜研としての機能も兼ね備えているという意味でも。科捜研の女や怪奇大作戦の面白さにも通じ。という意味ではロボット刑事はマイティジャックにちかい万能エンタで。ものすごい男子ワクワク感。かつその不気味なルックスと真面目キャラのギャップがカワイイ。とどめに万能パトカーのジョーカーはめちゃくちゃカッコイイ。ロボット刑事タイトルが仮面ライダーと並び。いかにも渋い大人な社会派リアリズムで東宝変身人間シリーズっぽい。人造人間キカイダーや変身忍者嵐のような子供向けヒーローっぽさとは一線を画す。

2023年11月2日木曜日

ライダー4号は君だ!!

ライダーマンけっこうザリガーナにやられっぱなしだが。あれは直前に信頼していた首領の裏切りが絶望的にメンタルにきていたため。本来の実力をはっきできなかったからだ。一応変身してはいたが。武器のアームはいっさいつかえていなかった。あれだと人間態でたちむかっているのとおなじだ。また絶望がなければアームをつかってミサイルからの脱出もできたはず。いかに絶望がふかかったかわかる。でも次回でザリガーナはv3にズタボロにされてやられる。スカッとする。

2023年10月29日日曜日

デストロン最後の日

最終回論争のあるv3最終回。ライダーマンはその一派と自力で基地を脱走した。v3とは一派の一人をすくう最中にであった。風のようにあらわれ風のようにきえてこそライダーマン。最期のミサイル自爆は風見のみた悪夢かもしれない。バタル弾被害のptsdかもしれないのだ。結城はいつものように風のようにさっただけ。そうかんがえると最終回の一人のこされた風見の改造人間の孤独と哀愁はことさらにひびく。恋人純子の絶叫が切ない。障害者である改造人間は座頭市のようにいつも身を引かねばならないのか。哀愁。ダブルライダーでもりあげる必要はない。この孤独感が良いのだ。

恐怖は地底より

地獄の劫罰とはみずからの生前人生最悪のトラウマの瞬間が永遠にリピートすることらしい。で地下にあいた穴の暗闇をのぞきこむとその人なりのもっとも嫌悪する怪物がみえるのか。幻視だけじゃなく幻聴もだったら。今回のアースガロンとの対話もやばいものになって。まさにホラー回だったかも。でも聴覚を視覚のように電磁波に脆弱なものとせずポジティブなものとしたことでトークエーアイへの希望をえがいた。脚本がよい。

2023年10月26日木曜日

銃声一発! 風見志郎倒る!!

ある意味ミサイルを操縦する結城丈二よりもこちらの外科手術執刀でのヒロイズム発揮のほうが結城丈二ににあっている。その風貌もどこかブラックジャックににてダークゴシックだし。障害者ヒーロー。さて本題の風見史郎にうちこまれた弾丸だが。これはマイクロチップがエア注射器でうちこまれたとかんがえた場合ひどく現代的でうすらこわい。うちこまれた感覚がなく風見史郎はただなんとなく体調と精神がわるいだけとおもいこみ新宿の裏どおりをまるでヤク中のようにさまよう。これもコロナ後遺症コロナワクチン後遺症とかもかんがえあわせられもしオウムのサリンよりこわいテロ行為だ。とにかく本回はライダーマン全エピソードにおける最高傑作だとおもう。映画看板の裏がすぐ秘密基地だったり基地が公園遊具につながっていたり地下駐車場や警察がデストロン支配下だったりとディストピア感もコロナ戒厳令下のあの頃の日常の空気感そのものだし。結城丈二。本当は少女にも子供にも優しい人なのに。隠して風見史郎を支え任務遂行に専念する姿がいかにもハードボイルドだし男の友情。デストロンに裏切られた家出少女ジュンが結城丈二の手術の助手をしてそれがピノコに見えたりして頼もしい。勝気で真っ直ぐなとこもピノコそっくり。atgっぽい低予算演出がシュールを超えて日常のディストピア描写にまで昇華。魔術的リアリズムというのだろうか。マルケス風の陰謀と不条理だらけの独立した政治的カフカエスク作品といってよい出来。さらに考察をすると。変身すると戦闘モードとなり人一倍はやいうごきをとらえる視覚筋力も暴走し。風見いやv3に見えている世界は速さ大きさなどが狂って。全てが不条理に襲ってくるように見えるそれはそれは地獄のような様相なのだろう。だから結城は変身するな変身すると死ぬと言ったのだろう。脳だけは生身なので脳が人口筋力の暴走に耐えられない。想像するだけで恐ろしい改造手術の負の側面。核や操作済み遺伝子群といった神の領域の科学で汚染されまくった自然。改造された大自然。その統治脳である神はもはや発狂してしまっているのかも。だからこその天変地異やウイルス暴走。

2023年10月25日水曜日

ゲゾラ・ガニメ・カメーバ/決戦!南海の大怪獣

人の心をよむ宇宙意識が動物に憑依した怪獣。そんなクトゥルフ暗黒宇宙神話のしっかりとしたどすぐろいウラヅケ設定があるため。怪獣のプリチーさがきにならないどころかまさにキモカワさきどりにまでなっている。ゲゾラとガニメのなかのひとが足をいれているホンアシのかわいさよ。

2023年10月19日木曜日

ep47待ち伏せデストロン首領

クセのつよい折田演出がひかる傑作エピソード回。デストロン首領。まるでカルト教団教祖である。はたまた20世紀少年のトモダチか。某教団の集会さえ強烈におもわせるロケーション。誰もがしってる代々木体育館をかしきりだ。プロパガンダプロパガンダ。デーストローンデーストローン。前半の横浜高級住宅街をつよくうちだした演出からのこの代々木。なのでまるでマルサの女2みたいで胸糞だ。

2023年10月12日木曜日

第45話デストロンのxマスプレゼント

やっぱり折田演出回はぶっとんでいた。ブラックサンタのあとをおう結城丈二。たどりついたのは路上のマンホール。蓋をあけ地下におりると。なんとこうこうと太陽のあたる場所。シュールな地下世界か。デストロン少年幹部候補生の実戦訓練場。まるでイナズマンfのデスパーシティだ。ライダーマンは身をていして少年らの解放を交換条件にデストロンのダークサイドにあえてふたたびおちる。まるで黄色い悪魔時代のタイガーマスクのようなダークヒーローっぷりがよい。








第45話デストロンのxマスプレゼント

2023年10月4日水曜日

科捜研の女23最後のメッセージ第8話

前話の評のときもかいたけど。科捜研室内セットに。撮影用の機材をそのまま鑑定用機材にみたてて流用したりと70年代的低予算感が本話ではさらに最高度にいかされていた。ひろいバックヤード倉庫のようなセットに孤独にたたずむマリコ。子供のいないマリコ。不器用な母親のようにしかみえないマリコ。そんなマリコがよく表現されている。死んだ娘にいたわられるラストシーンのマリコ。泣ける。マリコが殺された娘の母親と同世代という設定が今回の話のようなものではこうもすごくおもくひびくのだ。このドラマのながさがあってこそ可能な良エピソード回。いっぽうドモンサイド。むきだしのコンクリートの階段の踊り場を流用した取り調べシーンが実にひえびえとしてて。シュール味をこえて社会派リアリズム味。で実に良い。オイルショック期の刑事ドラマをおもいおこさせる。とことん低予算低スペックで特捜最前線なみにつづけてほしい。あと偶然かどうか。悲劇の二号。仮面ライダーv3でのライダーマン回が本日から配信。科捜研本回悲劇のマリコ二号とかさなって。

2023年9月30日土曜日

いくぞブレーザー第12話

ガラモン操縦器の小型ガラダマはフワフワと不気味にとんでいく。たいして。チルソナイトソードの制御装置であるブレーザーのメダルはそこらじゅうにぶちあたり破壊。あげく壁をぶちぬいて暴走ぎみに爆走した。

2023年9月29日金曜日

墓場から呪いの手

 円谷には東宝変身人間シリーズなる一連がある。本作その系譜とみると俄然おもしろくなる。男を主人公とみれば。ありふれた恐怖劇にすぎない。しかし女の事件簿な哀しき女版変身人間シリーズだとするとどうだろう。犯人の男によって女は腕人間にされてしまった。女としての根拠をことごとくうばいさられてしまったのだ。乳房も子宮もバラバラにされて。女は指輪とあかいマニキュアのながい爪それだけがみずからにのこされた女としての存在根拠といわんばかりに。地面をその爪でひっかき不快な音をたて進撃する。復讐というにはあまりにも不器用でただ実存につきうごかされているだけにみえる。あまりにもせつなすぎる女モンスターの姿。本作。牧紀子の鬼気せまる死体名演技からはじまり愛する男ととの墜落死でおわる。みるみるミイラ化していく腕人間。指輪とマニキュアばかりがものいいたげだ。これはガス人間水野が花輪のもとで黒こげの姿に実体化するのとかさなり。そのやりきれなさはハンパない。藤千代の腕の中でではない。名声の残骸の花輪の下でである。腕女も男のもとでではない。すぐそこに相手がいるのに戦争でひきさかれた男女のようなこの絶対的な孤独感。バラバラにされたのではなくこの女は元々バラバラだった空虚な女。それが男にみつぐ事で一瞬かがやきまた無にもどっただけなのかも。そうかんがえるといかにもむなしい。

2023年9月28日木曜日

第7話

科捜研のセットに撮影用の機材をそのまま流用したり。70年代的低予算感もかなりでてきた。もどってきた。あと今回の話のように。犯罪というより庶民的純愛をとりあげたり。やはり70年代的な雑多なb級z級感がいとおしい。オイルショック期の特撮や刑事ドラマのように。とことん低予算低スペックでつづけてほしい。

2023年9月25日月曜日

マルサの女2

実は本作。前作とはかけはなれてて。日本沈没。人間革命。ノストラダムスの大予言。につらなる東宝特撮社会派路線の異形の大政治宗教映画。公開当時はどうしても伊丹映画としてしか認識できなかった。それはしかたないこと。それくらい伊丹十三は時の人だった。そしてそれは天国と地獄が黒澤ブランドつよすぎで。東宝特撮社会派路線の傑作と認識されなかった事情とおなじ。でも天国と地獄の。あの煙と阿片窟。東宝特撮特殊美術の威光以外なにものでもない。本作も冒頭とラストの崖崩れ。やはり東宝特撮特殊美術の威光以外なにものでもない。今にしてみればそれはすごくわかるはず。すくなくとも自分にはそうかんじられてしかたがない。統一教会ロシアウクライナ問題なんかも。本作の視点をそのまま世界地図にひろげたとしかおもえないくらい。それほどの先見性。

炎上1958大映

市川崑まだリアルな初期で実録風とさえいえ市川雷蔵現代劇演技初でまだ地なのか素っぽくパンク。文芸映画というより。いわゆる90分枠の娯楽映画のフォーマットでえがかれたフィルムノワールスタイルの怪奇ミステリー。ピカレスクなダークヒーローとしてテロリストをみごとにえんじきっている。その火の粉の特撮面からいえば怪奇大作戦。呪いの壺の原点にあたるしキモいメンヘラ演技面からいえば仲代達矢中村玉緒ご両人ミゴトにハードボイルドしていて岸田森斎藤チヤ子の京都買いますの原点にあたる。怪奇大作戦ファンにとっては神映画。あの火の粉状の炎リュート物質の発色に違いない。三島作品でリュート物質によるテロがえがかれているなんて。もはや美しい星なみのsf度はゴジラ第一作級。東宝大映特撮マニアなら。もっと話題にすべき名作。

襟裳岬1975日活

秋吉久美子の歌謡三部作は話題になるが忘れられた山口いずみの歌謡映画。同時にカルト映画としても忘れられている。が。かなりの完成度だしカルト度。よくある複雑奇妙な男女二人の。遺骨を伴っての抒情ロードムービーなのだが。遺骨の生前が。その日常が。その人物像が。余りにも詳細に濃密に描かれる為。主人公が唐突に死ぬヒッチコックのサイコのようなショックホラーにしか見えないのだ。

2023年9月21日木曜日

第6話サバイバル72時間

同窓生ではないから震災でなくなった美少女に嫉妬したわけでもない。でも今回の真犯人。マリコをも殺害しようとしているし。美人へのなにかダークなものをかんじる。そこが今回の胸糞ポイント。怪奇大作戦がそうだったように胸糞要素をめいっぱいもりこめるからこその。偏愛の科学犯罪捜査モノ。

2023年9月17日日曜日

親と子⁠/⁠ウルトラマンブレーザー

人間態とブレーザーとの意思疎通や境界が曖昧なのはブレーザーの精神年齢がおさないからだろう。今回もテレビの赤ん坊に反応したり親子怪獣に同情したり。たぶんウルトラマンタロウとおなじく人間態との合体の瞬間がブレーザーの精神態の誕生だったのだろう。初戦でのワイルドさはブレーザーが幼体ゆえのことだったのだ。

2023年9月15日金曜日

岬の兄妹(1019)

真夜中のカーボーイのリメイクとして観た。身体を売る美形とビッコの醜男。本作では妹と兄。最後の兄にかかってきた電話は再びクビの電話だと思う。不吉なラストシーンである。兄が妹を殺そうとする直前に見た足が治る夢だが。本家の砂浜を駆ける夢とオーバーラップする。今度こそ本家同様に家を追い出される事になるのだろう。本作。本家と同じく不景気が如何に過酷で。残酷な結末を弱者にもたらすか。を描いており。立派に本家同様。社会派映画としての機能を果たしている。見事な告発。

2023年9月14日木曜日

第5話

宗野賢一監督。前話と二連投だが前話は挨拶がわりで氏の職人技庶民性がでたにとどまっていた。が本作は持前の胸糞オカルトな部分が全開で。たのしい。今回の主人公エクソシストっぽい風貌の心理カウンセラー氏が被害者被疑者両方をプロファイリングするところから俄然もりあがる。といっても被害者の声は霊媒師ではないのできけない。そこで科捜研が植物の声をきく。被害者は大学を中退しずっとひきこもっていたのだ。悪魔憑きか。いやどうやら植物に異常にこだわり。憑かれるがごとくひきこもったものらしい。しぬ前に花をたべたりして不気味といえば不気味。ちょっと怪奇大作戦の美女と花粉っぽい。みずから遅効性の毒の花粉のようなフェロモンをまきちらす植物学の美人女教授はモンスター。毒にやられたゼミ生徒は次々と淫蕩な悪魔に憑かれたようにひきこもり悶々となる。なかなかに胸糞だ。

ゴーストシャーク(2013)

どことなく悪魔のいけにえや溶解人間をおもわせるぬるっとしたカメラワークだ。夕陽が印象にのこるのだ。そんなかんじで鮫にのろわれた入江の部落が舞台。因襲の老人と無法の若者がせめぎあう。せめぎあうだけで人物がふかく描写されない無機的即物的な群像ホラー。水のあるところならプールからトイレから自由に移動可能な四次元ザメ。でもそんなふうにミラーマンとかのハードsfチックよりにかんがえず。仮面ライダーの怪人のようにガバガバな演出のザルさゆえの神出鬼没さそれがきわまったとかんがえたほうがおもしろいしこわい。ただ。飲料水生活水にまぎれた病原菌による鮫の幻覚をともなう感染症映画としてみると。それもこわい。それよりも凶事の兆候の青白い光をチェレンコフ光とみるほうがもっとこわいかも。タイムリーだし。

2023年9月12日火曜日

武蔵野夫人

ヴェンダース小津の東宝作品がよかったのでゴダール溝口の東宝作品ということで期待してみてみる。撮影はゴジラ浮雲の玉井正夫だ。いわゆる白樺林をセレブが散策するジャンル映画としての高原映画。地平線のむこう東京への爆撃がゴジラチックな特撮。婦女子に配給される青酸カリ。防空壕ほってたらでてくる人骨。いやがる婆にうれしそうに手にしてちかづく爺。婆即死。墓場で爺遺言即葬儀シーン。ギャグかとおもうぐらいまがまがしい。爺葬儀中の空襲警報でいきなり戦後にタイムスリップ。謎の復員兵帰還でまきおこる犬神近親相姦異常性愛相続ミステリー。季節がいつも夏なのは地球によくにたパラレルワールド武蔵野パークをえがいたタルコフスキーチックな田園sfだから。音楽も映画音楽というより遊園地や行楽地でながれる宣伝音のような過剰さで武蔵野ふくめ戦後のすべてがテーマパークで作り物。といわんばかり。田中絹代がウエストワールドのユルブリンナーみたいなロボット感でまさに武蔵野夫人その電池がきれたかのようなこときれかた。武蔵野パークの創立者先代進藤英太郎博士によって建造された乙女ロボットが武蔵野パークから一歩もでないで武蔵野パークをけなげに一人まもりぬく。なかなかせつない。で本作もしかしたら赤線地帯にまさるともおとらずの自分大切な心のわすられぬ作品になるかも。風と共に去りぬ級だ。田中絹代はロボットみたいだが同時に少女のようでもある。とんでもない名演だ。戦災でやけだされ千と千尋な奉公にだされた孤児のようにえんじている。武蔵野が東京の下町のようなストリートにみえる。それも洋画っぽくニューヨークのコニーアイランドばり。

2023年9月9日土曜日

ヒエロニムスの下僕

ヒエロニムスの下僕。ウルトラqダークファンタジー。ずばり本作筆者的に下水道映画の大傑作とさせていただく。男がハンカチを液化されたさい。手の平の一部も液化されたのか。いたそうだった。ヒエロニムスマシーンの作動音はまるで排水口がたてるあのゴボゴボいう不快音そのもので下水道映画マニアとしてはたいそう心地よく興味ぶかかった。本作。そんなウルトラqダークファンタジーのなかの一本。さかのぼりウルトラq2020年の挑戦での人間消失だが。あれは素粒子化して異次元にとびさったわけではない。一瞬のうちに液体人間化しそうみえるだけ。水たまりに足をかけた瞬間きえているようだがそうではない。水たまりと同化してしまったのだ。冒頭に謎のスライムが登場しそれに接触して人がきえているのをおもいだしてほしい。あれはまさに映画美女と液体人間そのもの。さらに。しらべると。スタッフも意識して意図的に映画の設定をテレビにもちこんだとかかれている。ということで以上をふまえての本作の解説である。ぜひよんでふまえてほしい。本作はそれでその不気味さこわさが二倍ましになるのだから。かさねがさね本作筆者的に下水道映画の大傑作とさせていただく。脚本の高橋洋はやはりリングという下水道映画をものにしている。レンタルビデオ屋の床下に古井戸があってそこにはやはり恐怖の液体人間貞子がひそんでいた。そんな映画だ。下水道世界なるものを可視化したラストカットの冒険も見事な本作ヒエロニムスの下僕だが液体人間は井戸地下水道下水道がその棲息域だ。液体ということで液晶画面のなかにもはいりこむことさえできる。インクや現像液にまぎれポスターや写真にもはいりこむことさえできる。一種の二次元人でもある。リングも本作もテレビやビデオのなかに人がとじこめられる。それはほんとうに気もちわるいイメージだ。かくして。液体人間たちはいつもはくらくふかい魂のダークサイドをおもわせる下水道世界のなかで悶々としているのだが。雨ふりの夜など窓にべっとりはりついたり。液晶画面から液晶画面をわたりあるいたり。して。液にふれたものをやはり液体人間にしてしまう。謎を謎のまま。にして。

オトノホシ

ガラモンは名前ではない。ガラダマに積まれたモンスターだからガラダマモンスターその略。ガラダマの飛来は侵略ではない。原子炉そのものの不法投棄である。セミ人間は清掃局員もしくは演歌ずきなダンプの運ちゃんつまり底辺労働者。廃棄場に派遣されガラモンを誘導。エイリアンのゴミ運搬宇宙船員って設定もたいがいに底辺だったが。ガラダマのガラはガラクタのガラでゴミアクタの意味もある。もはや侵略以上の始末の悪さか。ガラモンはロボットである。それも大きさすらまちまちな三流大量生産品。なぜならガラモンそのものが移動可能な原子力発電所だから。手や足の装甲は剥がれやすく使い終わったら使い終わったで厄介な旧式の原子炉。それを廃棄物用コンテナであるガラダマに乗っけて宇宙の果てから地球に向けて奴ら片っ端から廃棄しているのだ。ついでにゴミにICチップタグを付けるように電子頭脳の小型のガラダマまでおまけして。しかしそんなエコロジーな文明批評や詳細説明は表立ててやったんでは効果半減。ヘドラがそう。説明し過ぎ。そういうのは背景におしとどめてこそ真の文明批判なのだ。その点ウルトラqはすばらしかった。ゴジラ第一作もそうだし怪奇大作戦もそう。だからガラモンが動く廃原子炉であり制御不能で口からメルトダウンするとかという設定よりもいったん電波を遮断されるとふたたび電波を流してももう二度と作動しない点。つまり電波は墓場つまりゴミ捨て場所定位置への一度きりの誘導電波にほかならないという何かひどく無常感漂うあのラストそう文楽とか能とか今回のラストタンゴっぽい設定演出編曲の方が世紀を越えて残る古典においては何倍も重要なのだ。

2023年9月8日金曜日

007ゴールドフィンガー

スパイ映画と探偵映画のちがいはどんなところだろうか。事件へのとっかかり。か。探偵映画はあやしい美人の依頼人が事務所をおとずれ。スパイ映画はハイテクなツールで連絡がはいり探偵映画のようにむこうからではなくこちらから秘密基地めいた場所を訪問しこうるさい上司から詳細をきく。ところから物語がはじまる。第一作第二作でのボンドはどこか探偵めいていた。おかげでしっかりハードボイルドしてた。しかし本作のボンドはかかわる女という女がしんでゆくしハードボイルドというよりどこかボーヨーとしてて人間失格な太宰治みたい。つまりいきた人間感がなくその不死身さもどこか幽霊っぽいということ。そこが本作の。いや本シリーズの自分としては最大の魅力。逆に悪役が人間くさい。ブレードランナー味といえばよいのか。そんな傾向はいよいよ定着していくが本作が一番あやしくて怪作なシリーズ第三作。

2023年9月7日木曜日

フェイクプラスティックプラネット(⁠2019⁠)

実は死んでいた系ジャンル。ディストピア奇妙な界隈の場末のネカフェには女の幽霊がいる。幽霊だから自分がいきているのかしんでいるのかわからない。こんな設定だとやりようによっては幽霊が自分の死因をさぐる幽霊探偵。クローンかサイボーグか異形の自分をうんだ組織をつきとめ復讐するSFアクション。解決しない不条理アートムービー。つまりミステリー調SF調アート調イロイロ料理することもできる。そんなことをおもいながらみはじめた。結果どれでもありでどれでもなかった。ホラー映画というよりもエクソシストタイプのオカルト映画だった。タクシードライバーのようにブルーススプリングスティーンなニューヨークダウンタウンストリートロッキンなあついテイストがいい。ラストの唐突な成仏も。炊き出しとかの場で上映されてそうなカソリック教会勧誘宗教映画。主人公の子の演技はもうちょっとだが親友で茶髪の子がよかった。

2023年9月6日水曜日

ゾンビの誕生ナイトオブザリビングデッド1968

正に仁義なき戦いのような集団抗争劇。立て籠った家はまるで都市のように広い。広く感じる。こういうパノラマ表現がロメロはホントうまい。恐怖と謎に満ちた二階。二界か。女の独り暮らし。だったのか。ノーマンベイツの母親か。そして地下室の地下グループのその唐突な見事な登場の仕方など続猿の惑星などは勉強すべき点が。拠点は本部は一階か地下室か。のディスカッションも素晴らしい。クライマックスははからずもの二階と一階のチームプレーで一瞬だが無敵要塞のおもむきに。ラストでの地下室の使い方そのスケール感。正に教科書というか密室ゾンビ劇の原点にして聖典。

2023年8月31日木曜日

第3話

テキストマイニングならぬ音声マイニング。よくあるシリアルキラーのプロファイリング物だけど。深めたら傑作になりそうな脚本。起こる全ての通り魔事件が一人の犯行ではなくて一件毎に違う犯人がのネットを駆使しての模倣犯。そんな事態を考えてしまった。今や時代はサイコパスを超えた胸糞さで。もはやディストピアとしか言いようのない暗黒さ。底辺同士がデジタルリアル問わず鬱憤を晴らし合うリアルsns社会。そんな暗黒時代だからこそ。細やかな情緒や人情が事件を解決だけでなく未然に防ぐ。これからのai犯罪時代の刑事ドラマは一周回って昔に戻るのかも。老刑事の奥さんの息子への無償の愛が犯人をシリアルキラーに追い詰める事なく傷害致死と模倣犯に逆に押し留めたのでは。そう考えると。泣ける。同じディストピアでも先日観た藤井秀剛監督の映画猿ノ王国が復讐心にアクセルし血みどろの結末になるのと対称的。

2023年8月24日木曜日

第2話

廃墟化したビルの高層階その屋上のペントハウス。犯人と疑われた被害者の叔父。勘当されて。野鳥探偵を開業。ペントハウスはその探偵事務所か。カッコイイじゃないか。傷天してるじゃないか。廃墟ビルの高層エリアは。野鳥も集まって来るし。ワケアリ女も集まって来る。しかし。ところで。それにしても。真犯人。ボロ船に死体を乗せて河流しとは。風流風情どころか時代劇かよな時代錯誤な怪談感。夏らしいと言えば夏らしいけど。

2023年8月20日日曜日

2023初回2時間スペシャル

櫻井武晴脚本兼﨑涼介監督。強盗闇バイト実行犯の若者二人が良い。移民スラムのような地区に住む大男は偶然の殺人犯に堕す。闇バイトを渡り歩いていたのか痩せた方の男。あんなに饒舌だったのに今じゃ別人のように負のオーラ濃く。挙げ句の果てが爆死。二人のアイダに人間的交流は皆無。真犯人は殆ど狂人なコンサル野郎。充分一本の胸糞映画っぽい。