2020年2月5日水曜日

雪崩

ガードマン側からみればルノワールの名画輸送ミッションのフィルムノワール。脱走犯側からみれば山岳ロードムービー。おいしいところどりである。のっけからツインピークスばりの不穏な音楽と製材所などの郊外風景。やっぱり白黒映像はカッティングの。編集の。妙がいきる。白黒画面の雪の山脈ははるか日本ばなれ現実ばなれしていてじつにノワールなうつくしさだし。ロケの大変さもつたわって。やっぱり初期のザガードマンはチカラのはいった名作である。マナベ参謀の白衣の名画修復師が円谷なsfムードをたかめてくれていてうれしいかぎりのでだしでもある。途中国道から酷道へはいるあたりからはまたべつのこんどは網走番外地っぽい大人なムードにシフトチェンジだ。でも。なぜか筆者的にはウルトラq。ガラダマやガラモンの逆襲をおもいだす。まとめてセットにして観賞しよう。さて夕闇せまり。ご都合主義な不整合感もありゴシックでダークなかんじな限界集落のポツンと一軒家。繰り広げられるドロドロの男と女の愛憎。その女が岸田今日子だったらもうこれは。砂の女。なんだが。でも市原悦子もそれにせまる不条理なたたずまい。そんなファムファタールさのおかげで。そのスペクタクルな幕切れはもはやカフカの城のような唐突な強引なまとめおわりで不条理感特撮感sf感さえただよっている。もしかしたら遠景のアルプスは東宝特撮のようなマットペイントだったのでは。いやはやじつにすきなテイスト。高橋悦二がガラモンにみえてくる。いや等身大だから不良ピグモンか。その怪人っぷりはじつにいい。登場がバイクファッションだったからか。大友克洋の漫画ハイウェイスターのあのダークヒーローのようなかっこよさだった。