2017年12月17日日曜日

怪獣使いと少年

川のこっち側は河原になってはいなくて護岸整備され工場がたちならびその奥が生活圏になっているかんじだ。さて川のむこう側だがどうやら河原は川の畔だけではなく更に更に奥までつづいているようにかんじられる。たぶんインドはバラナシのガンジス川の両岸のようになっているのだろう。たぶん川むこうとよばれる地帯は産業廃棄物の夢の島のようになっていて公害怪獣がでる位の噂は以前からたっていたのだろう夢の島のゴキネズラみたく。だから街の者は冒頭に物陰からみている女ホームレス以外は誰もちかよらなかったのだが北海道からながれながれてきた少年には事情がわからずついまよいこんでしまったのだろう。この辺の事情が隊長のかたりでさりげなく表現され更に隊長が托鉢姿で川むこうをパトロールしているところなど実にニクい。隊長がゴキネズラとかの公害怪獣に詳しい事がここで期せずいかされている。

2017年12月16日土曜日

幻の宇宙船

以下未見者要注意バリバリネタバレです。でつづけるが本作での死者達はまるでタイムトラベラーでありテレポートエスパーである。そこが興味ぶかい。ただタイムトラベラーテレポートエスパーだけどありがたくも何ともない。なぜならいつどの年齢の時にとばされるかわからないしいつどの居所にとばされるかわからないのだ。そうやって永遠に自分の自由にならないツギハギの人生をただよわさせれている存在それが本作での死者の定義だ。しかも本人達はみずからがしんでいる事がわからずいつの頃からか人生がツギハギなってしまったそんなかんじにしかおもえなくなってしまっていてそんな今の境遇に常に苦悩している。そんな彼等を生者からみたならばそりゃ神出鬼没だろうしそんな彼等をそりゃ幽霊だといってしまうのも無理ない事。

2017年12月10日日曜日

侵略する死者たち

本作は何処か怪奇大作戦のプロトタイプのよう。そこで怪奇大作戦式にしてみなおしてみたい。主題歌前のテーマジングルで主題歌にいかずいきなり海底護衛潜水艦シーンとする。グッとよくなる。ポインターが男をはねたすけおこしてへんなにおいがするというところまでがアバンタイトル。そのタイミングでサブタイトルからのテーマ音楽。バックでは医療センターでの死体のはこびこみや急なおきあがりのためのドタバタがつめたくつきはなしたようにえがかれる。手前味噌だが正に怪奇大作戦気分だとおもう。音楽がおわって本格的にドラマ開始。あのドンデンドンデンで死体が消えた病院にむかうポインター。きりかえしてのヘリコプター着陸。実にクール。終結もステーションのセブン捕獲カプセルがホークの光線によって解除されふたたびセブンが飛来するところで本編では勇壮な主題歌のインストになるがここを完全に怪奇大作戦とおなじ構成にして主題歌まるまるのエンドクレジットとしてしまう。すべておわったとみせかけ。基地にもどった隊員達のクダリからあのラストのダンの顔芸までを太陽にほえろとか科捜研の女のあのなごみシーンっぽくえがく。どうだろうか。でもやっぱりこんな事をかんがえればかんがえる程怪奇大作戦とおなじで一時間物だったらとの夢想がますますつのってしまうばかりなのだが。やめられない。

2017年12月2日土曜日

怪獣総進撃

この第一話は岸田森ふんする坂田健こそが主人公である。そして帰ってきたウルトラマンとは極論すれば本作一作につきる。事故によって足をうしないとうとう愛弟子の命までをもうしなわさせられた因果なカーレースという夢。夢の残骸の流星号にガソリンをかけみずからもやすシーンのなんとドラマチックなこと。本作はヒーロー物でも防衛隊物でもなんでもない。刑事をやめて探偵になった男が相棒をうしない探偵をやめる。片目をうしない現役をやめトレーナーになったボクサーが愛弟子をうしないボクシング界をさる。そんな話のレーサー版でありそれを徹底的なハードボイルド手法でえがききったらついにはsfみたいになってしまった。そんな前代未聞のすばらしすぎる男の物語。それくらい他をあっして鬼気せまる演技をしている主演岸田森なのだ。よみがえった郷をみるその目完全に幽霊をみる目。当初死者である郷の方の感情をよみとろうとしてどこか不条理な靄のかかったような作風におもえてしまっていたがそうではなかったのだ。坂田の感情をよみとればよかったのだ。本作の後日談となる第二話。こちらはハードボイルドから一転。でも主演はやはり岸田森。さっていく隊長と郷の車をいつまでもかなしげにみつめる演技は意味深だし。直後のアキだけをのこし次郎をだいてその場をさる演技の見事な事。ラストは星になった郷をアキがみあげている。郷の幽霊は映画ゴーストのようにしてまた寅さんのようにしておとずれそして永遠にさっていった。極上のファンタジーだ。