2017年12月2日土曜日

怪獣総進撃

この第一話は岸田森ふんする坂田健こそが主人公である。そして帰ってきたウルトラマンとは極論すれば本作一作につきる。事故によって足をうしないとうとう愛弟子の命までをもうしなわさせられた因果なカーレースという夢。夢の残骸の流星号にガソリンをかけみずからもやすシーンのなんとドラマチックなこと。本作はヒーロー物でも防衛隊物でもなんでもない。刑事をやめて探偵になった男が相棒をうしない探偵をやめる。片目をうしない現役をやめトレーナーになったボクサーが愛弟子をうしないボクシング界をさる。そんな話のレーサー版でありそれを徹底的なハードボイルド手法でえがききったらついにはsfみたいになってしまった。そんな前代未聞のすばらしすぎる男の物語。それくらい他をあっして鬼気せまる演技をしている主演岸田森なのだ。よみがえった郷をみるその目完全に幽霊をみる目。当初死者である郷の方の感情をよみとろうとしてどこか不条理な靄のかかったような作風におもえてしまっていたがそうではなかったのだ。坂田の感情をよみとればよかったのだ。本作の後日談となる第二話。こちらはハードボイルドから一転。でも主演はやはり岸田森。さっていく隊長と郷の車をいつまでもかなしげにみつめる演技は意味深だし。直後のアキだけをのこし次郎をだいてその場をさる演技の見事な事。ラストは星になった郷をアキがみあげている。郷の幽霊は映画ゴーストのようにしてまた寅さんのようにしておとずれそして永遠にさっていった。極上のファンタジーだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿