2013年3月13日水曜日

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

誇り高き滅びゆく吸血鬼族も不死の退屈から吸血プレイにも刺激を見いだせなくなっていき退廃していく。それはゾンビが本能で瞬間を充実して生きるのに対してゾンビハンターとして運命付けられた人間は長い絶滅への衰退を生きなくてはならずゾンビ狩りもいずれ虚しくなっていくのとオーバーラップしている。本作に描かれるペストや南北戦争下の人間世界の醜さ。娼婦などが性と食に特化されている感じ。それがとてもゾンビ的。そこでこう読み替えてはどうだろうか。主人公のゾンビハンターはシェルターでのたった一人の相棒を失い失意の旅に出る。海を渡ってやっと辿り着いたそのシェルターもやがて内紛から崩壊しまた自分一人だけが生き残る。失意の中元のシェルターに戻るしかなかった彼は廃墟と化したシェルターにあの死んだはずの相棒を発見する。しかし当の彼はゾンビになってこそはいなかったが果てることのない過酷なゾンビハンティングに疲れ切って精神も病み彼をも忘れそれこそ生ける屍のようになっていた。人間でい続けるよりいっそゾンビになっていた方がよっぽど彼にとってはと彼を見て主人公は今の自分も同じでその方が幸せなのではないだろうかとの思いを深くし物語は終わる。