2019年7月26日金曜日

吸血地獄

暗黒物語である。戦後のドサクサ。ヒロポン患者やパンパンがあふれかえっていた時代。それは洋の東西をとわずであった。外交官がポーランドの売春街であそんだ折。売春婦からたくされた赤子。それがニーナ。素行不良の血はあらそえずニーナはブルジョワ世界からとびだしヤク中の青年としりあう。話はもどる。あふれかえっていた売春婦の時代のことである。そのなかに吸血鬼そのものの症状がでる奇病におかされていた者がいたって不思議ではない。帰国引退後も外交官はその母親とかわしたプレイがわすれられずその娘ニーナともそんなプレイをかさねていった。外交官の妻ももはや制止できるレベルではなかった。そしてついに外交官は全身の血さえうしなって命をおとしてしまう。庭の木陰でひそかにたのしんでいたのであろうか。死体は庭師によって発見。デカダンのきわみ。自業自得といってしまえばそれまでだ。このように本作の背後にはそんな最暗黒のすくいようのない世界がどこまでもふかくひろがっている。

0 件のコメント:

コメントを投稿