2019年5月21日火曜日

ひとりぼっちの地球人

本放送時や再放映時でもどこがよいのかよくわからなかった本作だがやっとそのよさがわかった。閉鎖的な象牙の塔の大学宇宙物理学研究室においてくりひろげられる白い巨塔ばりのマスコミ世論まきこんでの出世競争がその背景にあるかなしい物語だったのだ。東教授がもし宇宙人だったら。おもしろいではないか。教育実習用宇宙衛星開発。でもさらにそのおくには物質転送装置という人類破滅にもなりうる秘密。闇。隠謀も。によって一躍学会の寵児となったひとりぼっちの地球人くん。しかし恩師協力者の宇宙人教授にうらぎられ。最期はその闇をかかえきれずに物質転送装置にもろともに身をとうずる。まさに財前につうじるかなしさだった。ふくらませ映画化にでもすれば三島原作の美しい星のような作品にすらなりそうな気配も。逆にいえば白い巨塔という作品も本作や美しい星のようにsfとしてたのしむことができるということ。

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