2019年7月16日火曜日

パーフェクトカップル

送り主にたどりついたとおもったらそこは墓地で。すでに死者の送り主と勝手に強引にパーフェクトカップルにされてしまう主人公女史。まわりのすべてがグルのようだし。送り主のサダハルがまったく描写されない。まるでラスボスのよう。で。不気味きわまりない。モノリスのようにそそりたつその墓石ばかりが。えげつない存在感でせまってくるばかり。漆黒の虚無へと支配されゆくごときこわさ。なにか宗教戦争やナチズムといったようなものをさえすらかんじさせられる。かってに英霊にまつりあげられたサダハル。ころされたか。いや。はなっからそんな彼はいなかったのでは。いや。いたとしても死人にクチナシ。だろうし。さて魔女めいた。母親をなのる者や。寺社。秘密結社構成員めいた。住職や社員たち。いつのまにか利用されるだけ利用されてしまっているコワサ。ポーの黒猫やローズマリーの赤ちゃんと同系の。そうそう。黒猫といえば。あれは魔女がりの首謀者が魔界から復讐されるような都会の都市伝説。のようにもみえる。それは余談だが。本作。都会にぽっかりあいたヒューマンブラックホール。そのソラオソロシサ。といったら。格別。よくある田舎にいって閉鎖的な因習にハマり猟奇的事件にまきこまれるというのとはまたべつの恐怖。日常のすぐそこにあるファシズムの不条理のような実存的恐怖体験。

0 件のコメント:

コメントを投稿