2018年11月11日日曜日

一滴の血

血の池地獄があるのなら血の雨地獄だってあってよいはず。主人公はじつはすでにしんでいる系の作品としておもいっきりたのしめる世界終末風景ものの本作。ここにえがかれている東京っぽい都会はすでに地獄界なのだ。ゆききする雑踏は亡者たち。豊田商事なバブル時代を猛烈に皮肉っている。そうこの世界。おしゃれきわまりないが。白黒だし。水のしたたる音が終始。空間に反響してて。とにかく変。うり手市場の好景気。地獄には今日も履歴書が大量におくられてくる。60年代は例のあのボーリング工事音だった。あれもじつに不穏だった。異界だった。本作の無人のブティック風景は60年代のあのウルトラセブンアンドロイド0指令やあの白日夢の作中の無人デパート風景につうじている。無機的である。そう地獄にちがいない。ディストピアにちがいない。いやもしそうでなくてもラストカットのこの直後。血の大雨がふるのだとすれば。その終末風景たるやハンパないだろう。冒頭すれちがった雨もふってないのに傘をさす女。主人公だけが半狂乱で皆。平然と傘をさしてあるく。その伏線か。どこぞのカルト宗教の布教pv。汚染物質が大気圏にふきだまり赤潮ならぬ赤雨そんな環境破壊ノストラダムスの大予言系終末パニックトンデモ動画。としても。充分かつ最強といえよう。そう本作。個人的収集ジャンルであるところの。そう例の。下水道映画でもある。みつけたぞ。ここにもあった下水道映画。嗚呼。素敵な地下世界万歳。ディストピアsf万歳。ところで怪談新耳袋には佐野史郎が演出したカセットテープというのもあって。丸尾末広の漫画。電気蟻そのもの。80年代ジャパニーズニューウェーブバンドの当事者としては。本作もふくめ。怪談新耳袋。以外なところからのわすれかけていたオルタナロック魂その映像化はうれしいかぎり。

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