2018年9月27日木曜日

おとし穴

前半と後半のトーンがぜんぜんちがう。前半はおもわせぶりな清張ミステリー調でドキュメンタリーっぽくも格調もたかい。だが後半完全に破綻崩壊しやはり炭坑を舞台設定としたあの暴動パンクロック映画バーストシティ爆裂都市のほうへとドリフトそのトーンもよりコンパクトに狂い咲きサンダーロードをおもわせ破滅後の近未来世界をおもいっきり疾走するハチャメチャ終末sfになる。廃坑をポストチェルノブイリ的な近未来荒廃汚染世界とおきかえてからそうおもってみていただければちょうどよいくらいかもなかなり若気のいたった暴走気味映画かもなそれがじつは本作の正体だろう。とおもう。それくらいアナーキーなエネルギーにみちみちている。ミステリーのつもりでいると。後半。刑事新聞記者らはやたら大挙するがことごとく無能だし。そしていつの間にかいなくなる。駐在は糠味噌くさい御用ききかよな間男にいきなり変貌するし。特撮全開で無人とおもわれた炭住ことごとく幽霊だらけの村だったことがあかされるし。みずからのミステリー文法をいきなりことごとくこわしにかかってくる。なので。めんくらうことになる。からだ。事件にしたって当局か本社が対立する労働組合をつぶすための陰謀として第二第三の傀儡の組合をでっちあげたり第三国風工作員をおくりこんだりして内紛をおこさせもろともにともだおれさせようとしているようにもみえるが結局のところ誰の目からもすべてにおいてなにがなにやらなのだ。工作員ぽかった犯人のベスパの男もしまいには異星人にまでみえてしまう始末。同士うち共だおれな戯画的人類絶滅後。無人の駄菓子屋の菓子をひとりじめにできてもただただむなしいひとりいきのこされた少年。それと死肉をめあてにどこからともなくあつまってくる丘のうえの野犬。その群の影だけ。それらだけがやたら印象にのこったそんなトンデモ映画だった。

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