2018年9月13日木曜日

死者の復讐

いやはやなんとのっけからいくら重症病棟といえども。看護婦の態度もドライすぎるし。カーテンごしのうごく影もこわいくらいだし。といろいろめんくらってしまった。まるで野戦病院のようなあらっぽさ陰鬱さだ。で。つづきをみてわかった。本作。これってハードでソリッドなアニメ巨人の星のようにアスリート競争社会を内側からそのカケヒキにのみ焦点をしぼり極端にえがく手法の。いわゆる企業もの業界もの芸能界もの系だったのだ。ギャングの業界をえがくものが暗黒街ものとすればこれは競馬騎手というボクサーにもおとらない過酷なダークアスリート業界をえがいたやはりくろいノワールもので。そこにおきたある不思議な戦場怪談のような復讐エピソードをとりあげたというところか。悪女をめぐって男の友情がくるいはじめやがて復讐の応酬へと変貌していく。見事などすぐろさだ。そう女もふくめ一切カタギの人間はこの物語にはあらわれない。皆どろどろとした野心をかかえている。病院の看護婦でさえ。そうおもってみたら冒頭の野戦病院めいた乱暴さも納得がいく。もしかしたらこの。病院にしたって競馬業界で偉業をなしとげリタイアしたトップが収容される業界専門機関なのでは。表むきは優退だが内実厄介者あつかい。処理場としてのロートル収容所。そうしたちょっと近未来ディストピアsfの要素もはいっているのが本作なのかも。だとするとすごく納得がいくし全編興味ぶかく俄然おもしろくみれた。

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