2018年9月12日水曜日

かかし

匿名希望というところからこの恐怖エピソード。投稿者は指名手配犯人とか事情をかかえた者であるということがわかる。あえてそう断定する。そのほうが本作をおもしろくみれるので。実際上は鶴田法男氏脚本だが。主人公である少年時代の投稿者。マッチをかくしもっているところなどから。また山の中のあまり裕福そうでないくらしぶりなどから。少年はその後グレて都会へでて極論だがいまこの投稿者。犯罪者にまでおちぶれ逃亡の身の上だったりしているのではないだろうか。そしてふるえながら投稿採用され番組のこのオンエアをみているのではないのか。つい筆者そんなことまでふとおもってしまった。となるとけっこうふかい。ふかいのだ。現在の過酷な身の上だからこそなのだろうなぜか当時のこのようなことをふとおそろしくもなつかしくおもいだし投稿者投稿したのではないのかななどとおもったりもしてしまうのだ。本作ちょっと変則だがりっぱな神かくし物語である。火あそびのうしろめたさをかかえる少年が案山子のカタチをした異形の人さらいに異界の山の入口までつれていかれそうになりながらも咄嗟の機転と偶然の幸運からかろうじて生還するという。そんな冒険譚でもある。投稿者今現在の先のような身の上にてらすことで。どこか夢と願望と現実がないまぜになっている。少年が足をあらうという描写。目の前にいるのにどこかとおそうな郷愁さえまとった実感のとぼしい母親の姿。それらが異常なほど寓意にみちみちているようで。そう。たとえば。股旅物の主人公が凶状の旅の空でみた。ひどく幻想的で。不思議な夢のよう。でさえある。

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