2018年7月20日金曜日

廃校綺談

あの夏やすみの最中の登校日とは逆の意味でゆるい学校。のようなもの。がえがかれている。廃校当日。ついに当日にいたってしまったということだ。その非日常空間とかしてしまった学校。それはまさに廃校。廃品の集積。すでに死臭ならぬ廃墟臭がそこかしこたちこめはじめている。午前中にかえってしまう者もいれば数人でコンクリートの壁をたたきこわしはじめている者もいる。不気味な無法地帯。しかしそれら反抗や暴力にわかさや開放感はかんじられない。ただただ陰気である。晩夏の午後のようにけだるいばかり。学校がおわるが世界がおわるにつうじている。そういう意味でも廃校ものというものがもしあるとすれば立派な古典的傑作である。半廃墟というものの不気味さ。大あばれしたくなるような気もちまでもがそがれてしまう魔界。もうひとつの台風クラブ。そして家族ゲーム。そんなあの時代の無機的空気感が充填されたかのような本作名作である。ホラーというより終末ものとしてみたほうががぜんしっくりくる。まぁ不思議な監督である。終末監督といえばキューブリックだが。世界に氷河期がおとずれようとしているのか。いやもっともっとおおきな終末のおとずれの予兆なのだろうか。透明なモノリス。学校の怪談fのなかの一本。

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