2018年7月17日火曜日

ヒエロニムスの下僕

ずばり本作筆者的に下水道映画の大傑作とさせていただく。男がハンカチを液化されたさい。手の平の一部も液化されたのか。いたそうだった。ヒエロニムスマシーンの作動音はまるで排水口がたてるあのゴボゴボいう不快音そのもので下水道映画マニアとしてはたいそう心地よく興味ぶかかった。本作。そんなウルトラqダークファンタジーのなかの一本。さかのぼりウルトラq2020年の挑戦での人間消失だが。あれは素粒子化して異次元にとびさったわけではない。一瞬のうちに液体人間化しそうみえるだけ。水たまりに足をかけた瞬間きえているようだがそうではない。水たまりと同化してしまったのだ。冒頭に謎のスライムが登場しそれに接触して人がきえているのをおもいだしてほしい。あれはまさに映画美女と液体人間そのもの。さらに。しらべると。スタッフも意識して意図的に映画の設定をテレビにもちこんだとかかれている。ということで以上をふまえての本作の解説である。ぜひよんでふまえてほしい。本作はそれでその不気味さこわさが二倍ましになるのだから。かさねがさね本作筆者的に下水道映画の大傑作とさせていただく。脚本の高橋洋はやはりリングという下水道映画をものにしている。レンタルビデオ屋の床下に古井戸があってそこにはやはり恐怖の液体人間貞子がひそんでいた。そんな映画だ。下水道世界なるものを可視化したラストカットの冒険も見事な本作ヒエロニムスの下僕だが液体人間は井戸地下水道下水道がその棲息域だ。液体ということで液晶画面のなかにもはいりこむことさえできる。インクや現像液にまぎれポスターや写真にもはいりこむことさえできる。一種の二次元人でもある。リングも本作もテレビやビデオのなかに人がとじこめられる。それはほんとうに気もちわるいイメージだ。かくして。液体人間たちはいつもはくらくふかい魂のダークサイドをおもわせる下水道世界のなかで悶々としているのだが。雨ふりの夜など窓にべっとりはりついたり。液晶画面から液晶画面をわたりあるいたり。して。液にふれたものをやはり液体人間にしてしまう。謎を謎のまま。

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