2018年6月16日土曜日

怪談・壁からでる幽霊

犯人のバタくさく同時にどこかマリオネット的なロボット的なラリっているようなえがきかたが魅力。企業管理社会のダークサイドにおちた男の変容と破滅の物語。演出脚本の妙がひかる。アバンタイトルのオープニングまでがながい。10分ちかくある。しんだ被害者の死体を背おうのではなく足をもちさかさにしてモノとしてはこぶところ。など。とにかくこの犯人ウデっぷしのつよさはフランケンシュタインばりでその人間ばなれしたところがもはや悪党をこえてしまっておりにくいどころかバケモノ的哀愁すらかもしだしている。だからか魅力的なダークヒーローにもみえどこか爽快ですらある。黒猫につけられた顔の傷でさらに犯行かさねるところなど。神出鬼没のワープ黒猫の不気味さと対になっててフランケンシュタイン対黒猫というタイトルでもつけたいくらいだ。ザ・ガードマンという普通の大人のドラマとしてみればたしかに怪作だがガキムケの特撮モノとしてみればきわめて正統的な大映ブランドのバケネコ怪談映画となっている点はどこか次元がねじれ変でおもしろい。たぶんそれは硬質なカラーフィルム撮影の画質とサイケなカメラワークによるところがおおきく。それがほどよく劣化しているからか。それになんといってもあのレトロかっこいいザ・ガードマンのエレキインストのテーマ曲。特にエンディングでのスローめのサイケアレンジ。一種の。あの時代。ベトナム戦争当時の空気感。そのドラッグフィルムなニューロックさ。がある。同監督の吸血鬼ゴケミドロはまさにその意識的具現。ニューロックとベトナムとホラー。の合体。そりゃタランティーノもリスペクトする。余談だが。コッポラの地獄の黙示録は合体をあとおいでこころみようとしたモノ。しかし音楽のつかいかたでキューブリックのフルメタルジャケットにまけている。キューブリックのロックな暗黒音楽センスはとにかくすごやば。

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