2018年5月13日日曜日

パシフィック・リム

あのドイツ映画U・ボートをみたときの興奮がよみがえった。本作。とんでもない傑作潜水艦映画だった。ロボットはヒトガタをした特殊潜水艦だとおもおう。大戦中のドイツや日本のアクロバティックな発想の潜水艦開発をかんがえればじゅうぶんにありえる設定である。地下の潜水艦基地を丁寧にみせてくれるところなどはなによりもうれしい。そのスケールや空気感までが手にとるようにわかるほどまでにつくりこまれている。それぞれの潜水艦。あえて潜水艦としたい。の隊員というかクルーも超個性的で。まるで香港の場末に存在する見世物小屋のフリークス。とくに科学班がしっかり科特隊やウルトラ警備隊っぽくコメディー担当なのがよい。しかもTACの梶隊員のようにジャンキーときている。とにかく敗戦濃厚な決死のドイツや日本。おいつめられたレジスタンスの一斉蜂起をおもわせワクワクしっぱなし。大平洋の底ふかく次元の裂目から怪獣が次々と襲来するなんて。まるで巨大な地球の下水へとつづく排水口から気色わるい公害奇形生物がわいてくるようなムズムズ感で。実に生理的実感さえある。とにかくあの映画U・ボートもそうだったが。べたつく垢や汗や血のリアルな潜水艦のきたなさが本作も最大の魅力になっている。その点でいえば本作も。追記。わがライフワークジャンル下水道映画の範疇にはいるのでは。それもクトゥルー神話規模の暗黒宇宙下水道映画。

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