2018年4月25日水曜日

海底科学基地

典型的なパニック映画のスタイル。30分ドラマパッケージにハリウッドばりの娯楽要素がコンパクトにつめこまれているそれも10年先行して。あくまでパニック優先で怪獣はそえ物だがそれらしくやはりコンパクトにまとまったよいデザインの怪獣。パニック物としてのシナリオレベルはたかくにがみさえふくむ大人の味。タワーリングインフェルノのような落成記念パーティーから物語ははじまる。当時すでに海ほたるな管制エントランスが設定されシンゴジラ冒頭さえ彷彿その近未来海浜風景にはおどろかされる。キリ番来場の少女と要人の二人が科特隊のエスコートで海猿のレガリアのような通常部外者たちいり禁止エリア施設最前線海底ドームに招待される。海底ドームがポセイドンアドベンチャーのように浸水そして酸素不足に。救出には科特隊の重機ではちかづけず小型潜航挺が外部組織から調達される。ここがまた日本沈没のわだつみのようでメカもだが調達の経緯もリアル。さらにそれに搭乗し救出にむかう救助隊メンバー。今回の実質的主人公フジ隊員とイデ隊員まるで少女をたすけるエイリアン2のハリウッドヒロインと田所博士のような鬼才科学者。ちょっとリプリービショップコンビのようでもある点が不気味。そんな二人がむかうのだからワクワクももりあがる。一方もろ災害孤立化した現場では密室タイムサスペンスの人間模様がくりひろげられる。 極限状態でのムラマツ隊長と要人との大人な軋轢。子供達の健気さ。パニック物としてホントよくできている。葉巻をすう要人にたいしてムラマツ隊長が空気をよごさないようにしましょうと提言するところなど環境問題サミットなディスカッションっぽくもありやはり限界状況シンゴジラ前線基地を彷彿。酸素ボンベをつけ施設上部への詳細な移動サスペンスがまたポセイドンアドベンチャーしている。救助隊到着ドラマは最高潮にフジ隊員など聖母のような崇高さであの潜水おばさんのよう。そういえばムラマツ隊長の酸素不足演技も最高だった。せきこみ方が先程の空気汚染の風刺にもなっていてそればかりかこの状況でさらなる感染症の発症かそんなふくみさえもたせた恐怖演技ともとれる名演技。さすがだ。解決後の親子再会シーン空港でのエアポートシリーズのそれのようにこれでもかというくらいよくねられていて感涙。またウルトラマンとの怪獣チェイスがぬるっと深海でおこなわれるのもいつもよりおくゆかしくそこも好感。ある意味ウルトラマンの正義超人らしからぬクトゥルー不気味宇宙人ぶりが意図せずでてしまっているようでホラーといえばいえるかも。ところでこのゼネコン総裁の要人というか財界大物なのか政府高官なのかちょっとあやしい。だってそもそもこの海底ドーム常勤スタッフがひとりもいないし一体なにかを自動掘削でもしているのか使命もふせられている。まるで私的な要人専用核シェルターで都市伝説巨大地下空間のような雰囲気さえただよってくる。したしみやすさを隠蓑にした政治的陰謀がよぎり国家的社会実験軍事シミュレーションのようにもみえる。そんな背景で登場する怪獣なので下水道の巨大ワニではないが未知の埋蔵エネルギー物質の影響での巨大生物またはメカニコングのような掘削用ロボット怪獣そんなことまで想像してしまう。そうじて本作にはおおきくよい意味で予想をうらぎられ筆者個人的なライフワークジャンル暗黒下水道映画としてもみようによってはみえてしまえるのでラッキーなひろい物。結論。70年代パニックスペクタクルを先どりしているどころか80年代パニックホラーさえ先どりしていた。追記。地上での怪獣バトルだがウルトラファイトのようでよいかんじに全体からういていてメタフィクションかシミュレーションとしてたのしめる。だって。海底科学基地。あまりに。そっけない。教材のような。そのタイトル。

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