2018年3月17日土曜日

空間X脱出

とだえたことのない人類の宇宙開発。地球の人工衛星軌道上には膨大な宇宙ゴミの蓄積を認めざるを得ない近未来現状。漂う個々のゴミは時として妙なカタチで集積し異常な重力をもち異常な空間を生じさせると蜘蛛の巣のように旅客機さえも捕らえ遭難させるという。そうそれこそが本作の空間xである。宇宙規模最悪究極の汚染ヴァンアレン帯。訳のわからない宇宙線放射線とびかい宇宙細胞宇宙遺伝子未確認放射性物質なんでもござれの魔窟だ。不気味に赤く変色したクサムラを進軍するソガアマギ両隊員。森の中なのにまるで陰気な廃病院の中のように反響し響き渡る声。常に苛立たしいナースコールのようなベルの音。その主はまるでコンビナートが擬人化したかの如きセミ型の宇宙巨人。沼にハマればそこは底無し沼で。毒々しい色とりどりの亜硫酸ガスがいたるところから噴出。神経毒さえふくんでいるのか二人の精神はもはや崩壊ギリギリ。見上げる上空に巨大な地球さえみてしまう。しかしそこはヒーロー番組。セブンやホークの活躍で二人はすくいだされる。しかし集積して一時的に成立していた疑似空間なので時が来ればバラバラの素粒子に帰し虚無の淵へか次元のハザマへかかき消えていくなか間一髪での脱出はアクションをこえてやっぱりsfホラー。またいつどこにあらわれるかわからない空間x。本作のこわさは空間というモンスターであって怪獣や宇宙人ではないというところ。おっと宇宙蜘蛛を忘れてはなるまい。まさに汚染の象徴のような存在として空間xに繁殖。常にその排気口から有毒ガスを噴射し続け鉛色のバイオ金属っぽい表皮の色が不気味だ。ベル星人もイイ。意図不明だし。仙人か幽霊のような存在と思わせておいていきなり倒れたセブンに対してタコ殴りならぬタコ蹴りの高速連射はサイコパスの豹変っぽくてこわい。

0 件のコメント:

コメントを投稿