2018年3月21日水曜日

ミイラの叫び

冒頭。布をかけられ担架ではこばれるロングショットは特撮物というより大人の刑事物を思わせる程シリアス。そんなミイラがはこびこまれる科学センターも通常どんな研究をしているのか。不気味な施設。もしかしたら死体蘇生か。徐々にホラー感はたかまっていく。本作しっかり下水道物。として筆者偏愛。そのわけそのシーンだが。まずミイラが逃げ込んだとされる下水道入口での被害者の痕跡がこれまた不気味ときた。ヒトガタのチョーク跡に血が点々だ。そして定番の下水道内追跡劇となるのだが。特に本作はその追跡劇のクライマックスが下水処理場なのが良い。施設はガス室のような近未来sfなひややかさで。屋外地上というよりなにやら地下の延長下水道の中継地点。めいた閉塞感があって雰囲気満点だ。たとえるならゾンビのショッピングセンターとその車の消えただだっ広い駐車場。幼少の頃の初見がトラウマになったのも頷けミイラの最期も汚水プールに落ちて浮かんでいるとかダーティーハリーばりの汚濁感もよいとは思ったが食事時の子供番組だったし。怪獣出現ウルトラマン登場となるのだがこの頃のウルトラマンはヒーローというより不気味な謎の宇宙巨人といった趣。かけ声というより不気味な唸り声を終止あげて怪獣ととっくみあっている。勝負がつき廃墟に横たわる怪獣の亡骸。おもいっきりかぶさるbgmがおもいっきり悲しい。さて本作変身を解くというか合体を解くシーンまで描き完全無欠ヒーローとしてのウルトラマンとしては不自然なかんじをあたえるかもしれないがそれは伏線で。オチをイデの定番ギャグハヤタウルトラマン説へともっていき悲壮感を緩和。かろやかに終結する為。だった。納得。とにかく初期ウルトラマン独特の混沌としたウルトラqな感じも相乗効果なミイラ男物のホラー回。そういえば旧ウルトラマンはそんな感じで番組前半のヒーロー物感薄い混沌とした所が魅力で。筆者は好きだ。逆に新ウルトラマンの帰ってきたでは番組後半の方がウルトラブレスレット設定になったりブレスレットに逆襲されたり身体バラバラにされたりレギュラー死んだりで正統派ヒーロー感薄れたその混沌ぶりが魅力だ。そんな風に帰ってきたウルトラマンは弱いヒーローに後半なっちゃったけど最終回に次郎くんの最大のピンチを救ったという所から。もしかしたら後半の新マンは人類のヒーローなんかではなく次郎くんをただ守っていただけなのかもしれない。そんなことを考えていたら旧マン。番組とおしてのイデとハヤタのその深すぎる奇妙な友情をおもいださずにはおれなくなってしまった。旧マンってハヤタだけでなくイデの事もホントに好きだったんじゃないかなぁ。マンがじいさんでハヤタとアキコの息子がイデつまり孫のかわいさをえがいている。やっぱり正統派ヒーローじゃない。セブンやスーパーマンら正統派は恋人を愛した。

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