2018年2月24日土曜日

バイパスの夜

田舎ホラーのシチュエーションとしてよくある物にヒッチハイクがある。この場合ヒッチハイカーの方が異常者で常にドライブインに先まわりして執拗に都会からきたドライバーをつけねらうというかドライバーの前にどうやって移動するのか超自然的に出没してドライバーをふるえあがらせるそんなのがまず一つ。また別の場合だが逆にドライバーの方が異常者で界隈をいつも車でながし都会からのヒッチハイカーをひろっては殺害して山中に遺棄というかそんなのも又一つ。兎に角そんな風に田舎ホラーでは田舎の人間には時にとんでもなくおそろしい奴がいて都会からの余所者越境者はよくよく心すべしというような物。そこで本作。何がすばらしいってその両方をかねそなえている。山をながす異常者のタクシードライバーその車に付近の山小屋にでも潜伏していたのか逃走中の凶悪犯がのりあわせるのだから。そのスリルと結末が正にストロング級だ。外は嵐。密室の車内。山中。峠の崖の上。カーラジオのニュース。逃場なしのすさまじい心理戦がくりひろげられる。結末にいたっては正に山ならではの怪談か都市伝説か。田舎ホラーの魅力が濃縮されたような作品。

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