2018年2月20日火曜日

ガラダマ

一種の秘境物と筆者はみている。ダムの底にしずんだ村。そこ出身のわかい女二人。しずんだ村がどこか南極の氷の下の古代都市を連想させる。そこ出身となると女達は神秘めく。巫女めく。そこにねらいをさだめておくられてきた刺客ガラモン。まきこまれるレギュラー陣。そんな本作の秘境探検物さを決定的に印象づけてくれるのが村の子供達。事態が深刻な局面をむかえた途端まったくでてこなくなってしまう。あれだけドラマをひっぱってきていたのにだ。おかしい。高所からみておどろいている様子なんかが一寸でもえがかれたってまったく不思議ではないのに。わかい女達のおどろきようもうすい。イチノタニ博士の方がよっぽどおどろいている。そんな森の中の木霊のような精霊めいたわかい女達や子供達がでてきた時点においてすでにもう本作は筆者には近郊秘境物の変則的傑作。追伸。さてモスラのインファント島やマタンゴ島だが。あれは地図的空間的にいっての絶海の孤島的秘境ではない。脳内の秘境だ。平和への切実ないのりがもたらした理想夢であり邪悪な性的欲求や放射能への恐怖からのがれようと常用したドラッグの幻影。そんなながれにあって。からの。本作のダム地区である。この脳内近郊秘境も。宇宙の未知の電波が。もしくは錯綜する現代の都会の電波公害が。ダムが水をとどこおらせたように。みえない電波ダムがそこにはあって。よごれたサイケでノイジーな電波のたまり場になってしまってて。人間の脳に影響を。あたえた。あたえうる。そんな結果とか仮説とかとしての。眼前のカタストロフのマボロシ。シミュレーション。というシュールなとらえ方もできるのだ。そんな夢おちっぽいかんじというか。ボーヨーとしたドラッギーなとらえ方の方がやはり筆者的には心地よい。やはり吸血地獄ににている。やはり永久不滅天才名コンビジルシ作だ。ツッコミ所満載ととりたいヤツはとればよいのだ。前回の三つ数えろもだが。筆者はどこまでもそんな癖がつよいがみえづらい。どこかかたりたらずでなげっぱなし。そんな監督脚本チームの擁護派だ。映画とは心地よい悪夢でよい。理解なんかできなくてよい。しみるワンダーさえあればよい。

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