2018年2月18日日曜日

三つ数えろ

依頼人の元将軍の屋敷はどんな地区にあるのかわからない。広大な事だけはわかる。棟の中にあるのかつながっているのか部屋のドアをあけるとそこは温室になっていて熱帯植物のしげる中。防寒重装備の車椅子の老人それが元将軍。きわめてブキミで仙人か妖怪のような存在だ。さてそして事件の発端となる殺人現場だが容疑者がいきなり自宅か別荘かでころされてしまう。その地区はなにやら近郊住宅街で雷鳴悲鳴までとどろきまるでホラー映画のような立地とシチュエーション。で本作は一粒で二度おいしい前半後半ふたつの事件で構成されている訳なのだが。すべての事件が容疑者のあのホラーな自宅か別荘かで重要な局面をむかえているのだ。そこがいかにも名作にありがちな古典的閉鎖空間密室劇密室劇していてよいのか。まったくふるさがない。本作。たしかに演技こそ見所なのだろうが筆者的にはミステリーというよりどこか怪奇なかんじがただよっていてそちらの方にこそひかれる。いりくんでおもわせぶりなストーリーはもはや怪談といいきってさしつかえない。そうハードボイルド物というよりフィルムノワール気味。人より場所や光や闇といった物の方がなにやらザワザワしていてキモいのだ。そしてついに仙人妖怪めいた依頼人の元将軍は二度とでてこなかった。やはりきわめてブキミだ。そして鍵となる先任の探偵も会話にはでてくるものの会話中の名のみで回想にすら姿をみせない。まるで謎の死をとげた先任の家政婦とかがでてくるゴシック洋館怪奇劇のようだ。あげくブキミにもまだどこかでいきていてなんとメキシコで死の床にあるとかいってるし。あと探偵のクルマのダッシュボードからとびだす拳銃はそのシカケがトンデモな発想な割には実に入念かつ重厚に円谷レベルの小道具としてかっこよくつくりこまれているのでまるで特撮スパイ物のsfチックな秘密兵器をみせられているかのよう。そんなこんなでこの監督を。なぜ筆者がすきなのかもがまた一寸判明した次第。

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