2018年1月13日土曜日

ゆきおんな

発端は山奥の湯治場。人里はなれたサナトリウムや湯治場にはやんだ者以外にも様々の事情をかかえた者がいたりする。胸をわるくして再起をかけるボクサーや指名手配犯罪者だっている。たとえば本作の強盗団のボス。足をわるくしたふりをして絵などかきながら山奥の湯治場を転々と里におりる事なく身をかくし行方をくらましているつもりなのだろう。そんな怪人物を小松方正が見事にえんじている。ピストルでの自決なんか妻ごろしの因果な右翼の影の大物か教団教祖とかっぽくてえらくかっこよい。トーマスマンの魔の山とかどこかドイツ浪漫派文学のかおりさえたちこめる雰囲気満点の出だしだ。しかしそこは怪奇大作戦それだけではおわらずプラス怪奇でしっかり山の怪談ともなっている。絵にしこまれたダイヤのありかをめざす娘が軽装だったりドラマの尺もみじかいので心ぼそい登山の雰囲気がいまいちで娘が母の面影だけを心のささえとして山中で夜をあかしたりするかんじがあまりでていないのが残念。それでも追手の山中にひびく銃声とかスリリングでしっかり山岳ミステリーしてる。かつブロッケン現象からのゆきおんなの特撮もすごい。もうすこし積雪がおおければさがすのもほぼ絶望的なかんじやばらまかれたダイヤは春の雪どけまでまたねばとかのロマンやテンションもあがったろうに。

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