2017年4月17日月曜日

オイルsos

さてジャミラからのウルトラ水流つながりというわけではないのだが。本作。とにかく都会的でシャープな外国映画っぽいスケールの映像感覚がドラマ部分特撮部分ともに筆者個人的にたまらない。キャストも嬉しい宮川吸血地獄ヤカベ刑事洋一。そして梅津栄に平田昭彦と豪華だ。いきなり開巻世界中の石油コンビナートが謎の連続爆発炎上。テロか。一転ホラー。点滅しながら異動する海中の光跡。テロリストの潜水艦か。なんかマイティジャックな出だしでワクワクする。と思わせての油獣ぺスター。その吸血コウモリ顔と悪魔の手のような造形はやっぱりホラー。円谷の一ちゃんってばホラーずきなんだから。都市における石油は人体における血液と同じだ。本作は逆吸血地獄。怪獣スケールの吸血鬼ホラー。吸血地獄はホラーサイズの怪獣物。こんなスゴいアクロバットを平気でやってしまう。画面の奥行きと転換のスピード感。テレビと映画の楽しさの両方を兼ね備えている。もうたまらない。ジェットビートルがまたかっこいい。ただの垂直離着陸小型偵察機扱いではない。全員が乗り込むプロトMJ号な万能戦艦扱いなのがなんとも嬉しい。ドラム缶流失いや失礼。大量のドラム缶投下シーンはまるでベトナムでのナパーム爆撃のようで皮肉な恐怖感さえ漂う。ドラム缶同士が洋上を嵐の前の静けさで断続的にぶつかり漂う音と特撮の不気味さ。後半の人間くさい話といい円谷金城。このコンビのこころざしの大きさと盟友感。ホント大人になって染みてくる。そしてなんといってもこのコンビでのウルトラマンの位置付け。本作でも怪獣退治は防衛軍の仕事。英二パパにまかせます。俺たちのウルトラマンはメカニコングのような戦闘ロボット兵器ではない。どっちかっていえばアトム寄りだぜっていわんばかり。ウルトラマンは消火作業とそしてなによりイデの心のケアの為に変身し身を呈して奉仕する。この見事なムラマツハヤタの隊長副隊長コンビ。その隊員への思いやりのコンビネーションプレー。この姿こそ後にセブン最終回でしっかり刻印されるウルトラマンの友であり平和の巨人としての姿なのだ。円谷金城コンビはホントにスゴい。その場限りの子供向け特撮を大人人生一生の名作映画に匹敵する男泣き人間ドラマにまで昇華させるのだから。ラストカットで垂直上昇するジェットビートルの腹が炎と油で煤けて大汚れしている。科特隊。プロフェッショナルの。仕事の証しだ。たぶんまたMJ号ばりに全員で乗り込んで基地に帰還したんだろうなぁ。それを会話とかでなくクールに映像で見せ切るアダルトなハードボイルド感覚。でも。ジェットビートルでの科特隊。MJ号やホーク1号と違って江戸の庶民の長屋か昭和のお茶の間のようでぎゅうぎゅう詰めなのがまた御愛嬌。

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