2017年4月20日木曜日

吸血地獄

先日マンホールの中の人魚を観たんだが、その話、結局、妻に先立たれた男の幻想で、死体損壊中に逮捕。本作も恋人の事故死以後全編幻想だと言う見方もあって、元々、青年は薬物中毒だったし、シナリオのラストでは恋人ニーナの養母に射殺されるはずで、確かにその方がバッドトリップの悪夢と言うか、幻想には相応しい気もする。タイトルも本来は、吸血地獄・編だったらしい。そういえばATGの青春映画に、初恋・地獄篇ってのがあって、ググると養父に引き取られ性的虐待を受けていたとか記載、もしかしたら本作のニーナも。だからそれを知ってずっと何も出来なかった養母がせめて自分の手に掛けて、と言う事だったのか。いずれにしても何処までも抜け出せない、地獄を巡るようなバッドトリップ、薬物中毒の恐ろしさを伝え切っている。言及すればする程、何処までも魅力を増す本作だが、人の世の悲しさが時代を経る毎に増す。超弩級の名作。

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