2017年4月11日火曜日

侵略する死者たち

とにかく防衛軍基地の広大なエリアの中に存在すると思われる第三病院が不気味で仕方ない。ここは地球防衛軍基地。今は星間戦争戦時中。宇宙人からの生物化学兵器による攻撃も無くは無いだろうから、その未知の病原に向けての実験用死体を常に豊富に軍は確保必要とし てるはず。第三病院とは名ばかりで、実態は、基地外部から窓口としてヤバい手を尽くしてすら死体をかき集めている、地球防衛軍の、いちセクションに違いない。もう第三病院のある、あの街全体がホルマリンくさいはず。そんな企業城下町というか、理化学学園都市が、しれっと敷地内に存在する防衛軍も防衛軍で不気味この上ない。とにかく本作は宇宙人によるバイオテロが絶対にあり得る、あり得た、そんなことを、明示せず、暗示していたり、におわせていたりする、そんな内容だからこそ、よけいに怖いのだ。スポンサーが薬品メーカーだったから直接なバイオテロ。薬害とか伝染病は描けなかったのかも。地下道をゾンビのように徘徊するシャドウマン本体の 一人を撃ち殺す場面。あれが感染症患者だと考えると怖い怖い。想像してみて欲しい。狙われた街で小規模な精神バイオテロは描かれていたが本格的な伝染性バイオテロが防衛軍基地で起きる、起きた、その地獄絵図。きっと、そんな経験すら乗り越えての、あのポジティブさなのだ。ダンやウルトラ警備隊の面々は。ただただ凄いの一語に尽きる。まだある。盗まれた、世界の防衛軍基地の所在を搭載した極秘 データだが。転送先を辿る際に出てくる東京K地区。なんとなんと、そこには、草ぼうぼうの中に建つ廃墟ビル。このK地区。まるで震災か爆撃を受けた跡地にしか見えない。設定の近未来戦時中を踏まえると、先程、広大な防衛軍基地と書いたが、最早、日本中が基地化し、残る場所は尽く廃墟化してしまっているのではないのか、そんなふうにさえ考えてしまう。いや逆か。尽く荒廃した本土だからこそ、基地にするしかなかったのかも。特に本作は。まるで死霊のえじきか惑星ソラリスかと言わんばかりの閉鎖空間感終末感絶望感なのだ。冒頭の潜水艦では謎の爆発が世界中で観測されているとか言ってるし。何れにしても、なんと荒涼とした星間戦争時代なんだろう。トンデモ批評を自覚ついでに、更に続けさせてもらう。先のセブンがガラスコップに閉じこめられた時の物置と言うか、 倉庫と言うか、そのセット。テーブルの上に無造作に乗せられた椅子だったり埃を被った薬瓶だったりと、やけに生活感していたが、学校の怪談みたいで、これまた怖い。撮影所の片隅を、そのまま流用したりしたのだったら、それはそれで、その、虚実、日常非日常の、メタフィクションさが、更に更に、目眩がするくらい怖い。メタフィクションついでに、トンデモ批評をさらに畳み掛けさせていただくと、冒頭のメディカルセンター室内での都市伝説幽霊。もしかしたら、当時の子供たちの間で、そうさせようと、スタッフが意図的に仕掛けたとも。

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