2017年3月10日金曜日

袖志の女

なんか、もしかしたら本作この話。子連れ狼版の闇の奥で。地獄の黙示録を先取っていたのではないか。最後のグズグズな破綻っぷりも含めて。やはり奇っ作。女だけの山岳民族仕立ての特殊部隊。そして人としての情けからの、その完全殲滅。無や空や政略を武士道や男の友情や家族愛が一瞬ではあるが超えた幻のユートピアをここに筆者は見、感動する。まぁ、しかし、その風景。とにかく荒れ果てた造成地をロケ現場とした、その見事なまでの低予算っぷりと満身創痍の一刀という殺伐荒涼とした全シリーズ通じての記憶に残る凄まじさのディストピアだが。やはり有事のフィリピンのジャングルをロケ地とした地獄の黙示録に通じる一種の事件的作品。そう考えると地獄の黙示録は大作とか大いなる失敗作とかというより初期衝動の映画。まさに暴動の映画ではなく映画の暴動。ロックの映画ではなく映画のロック。

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