2017年1月26日木曜日

盗まれたウルトラ・アイ

東京K地区。宇宙戦争戦時下、親を失った不良少年少女や孤児達の街。街外れには枯野ばかりが拡がっている。アキラとかエヴァを彷彿させる景観だ。着ぐるみの出ない三部作は、どれも寒々しい近未来ディストピア風景が描かれている。最終回では世界の主要都市が壊滅しているというのに野球か何かのラジオかテレビの生活音だ。これは多分過去を懐かしむ為の海賊放送か何かで場末の飲み屋での演歌に通じる物と筆者は見る。しかし、これこそが薔薇色の近未来を舞台とするウルトラマンと正反対のウルトラセブンの世界観ズバリなのだ。地球防衛軍の軍族の家は洒落た洋館だが庶民は下町どころかスラムな感じに描かれる事が多い。この点が丸ノ内のビジネス街や山ノ手の子供家庭が多いウルトラマンと大いに違う。本作は宇宙の孤児としてのマヤとダンの極めて深いテーマを秘めた小さな触れ合いのジュブナイルドラマ。その傑作。

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