2016年12月25日日曜日

美女と液体人間

暴力もない。血の一滴も流れない。けれども、このうえもなくバイオレンスを感じさせる。みどころは、人体破壊のみ。血まみれ東映バイオレンスの良きライバルでホラースラッシャーの先駆。それこそが、本作の、正体。精密な東宝特撮だからこそなしえたカラーワイドスクリーンで見る華麗なる人体破壊描写。そのカタルシス。ダラっとドロっとした退屈さ。だからこそのクライマックスが。ひとつは、漂流船に乗り込むシーン。ひとつは、警官隊がキャバレーに突入するシーン。そこに現れる液体人間。おかげで現場は、もうドタバタの、バイオレンスまみれに。笑いさえこみあげてきそう。用意周到に時間をかけて計算されつくした画面設計だが、まるで、仁義なき戦い、の手持ちカメラ撮影のデイリのシーンでも見ているかのような、カオスなメマイ、さえおぼえる。ニンゲンが、あっという間に溶けるって、スゴイ。

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