2016年10月3日月曜日

『戦え!マイティジャック』「炎の海を乗り越えろ!」

まず何の説明も無く登場する巨大ダコ。白鯨やクトゥルーの邪神を思わせる。クトゥルーと言えば本シリーズの他のエピソードでだが古代の神殿を抱く島が浮上し船が沈没、生き残りの船員達が島で閉鎖空間サバイバル群像劇を繰り広げるってのもあった。巨大メカ対巨大メカという構図も良いけれど怪獣怪物を出すのなら宇宙人よりマイティジャックには銀河系それを軽く越える大暗黒大宇宙大神話なクトゥルー設定の方が非常に良く似合うんじゃないかと思う。そして怪物を退治するのも白鯨や本作のように、正義とか平和とかのヒューマニズムな近代主義を越えた前近代的な怨念や執念と言った物。そうなのだグローバリズムなどと言うポストモダンなモノノケじみた化け物を倒すには前近代的な何かこそが必要なのだ。それも市井の庶民の。船長役のメイツ星人さんが実に良い。腹を殴ると言う子供の戯れじみた小技が脚本上とても上手く活かされている。ラストシーンのオンボロ漁船が実に雄々しく格好良い。これこそがマイティジャックの精神神髄なのだ。感動した。

0 件のコメント:

コメントを投稿