2016年9月24日土曜日

美女と花粉

怪奇大作戦の驚異の先見性の1つが、ここにも。まだ花粉症という呼称すら一般的でなかった時代。花粉の有する最凶のアレルギー反応が一瞬で人を死に至らしめる、などというトンデモ発想にまず感服。さらにそれは怪奇大作戦の裏テーマであるところの公害環境汚染問題つまりアレルギー物質の氾濫さえも、先駆的に暗示していて、ヤバい。ほぼ後半全部を使い動機と顛末が密室劇仕立てで語られるところなどは、もはや神話的ですらある。牧のSFテイスト、助さんのハードボイルドも、いいが本作のような複雑な事件の時は、やっぱり所長に現場御登場願いたい。その不条理でトンデモな空気感は所長にしか出せない。あの光る通り魔のラストカットでのシェイクスピア演劇のようなオーバーアクション。

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