2012年2月28日火曜日

タクシードライバー

ヒップホップ前夜の荒廃の極にあった当時のニューヨーク。本作は日記の朗読で進行していくところがポエトリーリーディングをおもわせヒップホップにつうじる何かを感じる。ニューヨークパンクがパティスミスやリチャードヘルなどどちらかというとロンドンポップの美術寄りに対し文学寄りであったように時計じかけのオレンジに対して本作はとても文学的に感じられる。ヒップホップロックンロールそしてストリートロックが常にカリスマを必要としその血を吸って巨大な産業となったように本作の後こうした都会派アクションはハリウッドを席巻し数多くのスターを生んだ。いわくダイハード。しかし私はこうした流れに抗してきたように思う。911をきっかけにポエトリーリーディングに自身もハマった。しかし東京の片隅のムーブメントですら先のハリウッドバビロン的罠からは逃れる事ができなかった。それほどこのストリート系は呪われたジャンルなのだ。私はダブやブルースを取り入れどうにか逃れた。スプリングスティーンにしたってネブラスカでブルースに立ち返りボーンインザUSAではひとりベトナム戦争をでっち上げ法螺話的虚構化で煙りにまいて逃げ切った感がある。あのジャケットの前向きではなく後ろ向きの顔のない匿名性と高度に機械化されたサウンドプロダクション。

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