2018年10月4日木曜日

クモ男爵

蜘蛛にかまれた娘は気がふれてしまい森の奥ふかくおどりながらまよいこみ底なし沼にはまってしんでしまった。やがて娘はよみがえると沼からはいあがるも既にその姿はおそろしい蜘蛛へと変化していた。かなしみのあまり気がふれた父親は蜘蛛の娘とくらすうちに。みずからもすこしづつ蜘蛛へと変化していったのではないだろうか。沼は超自然的な能力をゆうする。魔としてえがかれているのではないだろうか。その霧の成分が人をして狂気たらしめ死者をして蜘蛛に変化せしめる。以上をしっかりふまえると。本作。登場人物達のその後がひどく気にかかる。たしかに蜘蛛は退治され無事にげのびたにはにげのびた。でも沼におちた二人にはしっかりと沼の毒がすくなからず影響していたそれをわすれてはならない。一人は熱にうかされ。もう一人は意識なくオカリナをふきつづけた。そうではなかったか。ここには。さいわい一時的ではあったが。沼の。人を狂人たらしめる能力がしっかりとあらわれていたといわざるをえない。それだけではない。蜘蛛にかまれたとも推察できる詩人。彼のその後となるともっと気にかかる。彼は後に蜘蛛へと変化したのではないだろうか。もしかしたら灯台で所員をおそった蜘蛛は彼なのではないだろうか。冒頭だけ現在事象で。タイトルあけからはその蜘蛛になった彼が。蜘蛛の脳で。今の蜘蛛の身の上をうれい。きっかけとなった過去の事件を回想したそういう描写だったのではないだろうか。もしそうだとするとこれはこわい。

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