2018年8月28日火曜日

美女と花粉

まずこの新東宝風のセクシーなサブタイトル。トルコ風呂という性風俗や若者風俗をしっかりととりこんでいるところはまさに新東宝。硫酸をかけられとかというおだやかではないところもまさにスパイのリンチかってなかんじで定番中の定番な表現。本作は小川さおり編サーボーの大冒険ともいうべきさながら千と千尋の神隠しなやはり大時代的な大冒険ファンタジーいや怨念ダークファンタジーである。新宿にあるソープランドビルの屋上おどろおどろしい私設植物園そこの城主うつくしい裏にみにくい姿をひめた美魔女いや魔美女。もはやこれは湯婆婆そのものではないか。彼女がつかう呪術は熱帯植物の花粉をもちいうつくしいわかい女性専門に土人黒人のような姿にしてしまい一瞬のうちにころしてしまうというおそろしいもの。このへんの黒魔術ブードゥーをおもいおこさせる雰囲気は非常におぞましい。そこに敢然と単身のりこむサーボーこと小川さおり。赤頭巾のようないつもとはちがうアイドル然とした扮装とアクションがこれまたダークファンタジーヒロインしていた。そうそう前にこれはサーボーそっくりのアンドロイドではないかとかいたが。たしかに誰ひとりさそいにおうじてもらえなかった牧がアンドロイドでもいいからと私用でつくってつかって結果捜査にまでってことなのかも。なにせあの蒸気のバルブをけちらすようなアクティブなアクションはとても人間技とはおもえない。笑。この空中庭園でくりひろげられる神話のような一大バトル下界はといえば退廃した若者達の生態がこれでもかというほどえがかれる。まるで近代的都市文化にたいして未開の土着文化が反撃の牙をむいたような図式。当時のベトナムの戦場のような惨状が不条理にもここ東京に再現されてしまったかのような禍々しさなのだ。最後にsri 本部にもちこまれた熱帯植物にしたところでそのフォルムはまるで空襲につかわれるなにかのbc爆弾のようそんな風にもみえる。こうした東宝映画ノストラダムスの大予言をおもわせる終末感。本作はじめ後期の怪奇大作戦にはそこはかただよっていて未だ充分こわい。同時にモルモットにマニキュアしたりしてとてもかわいかったりするが上記のような女性週刊誌的グロテスクがすけてみえ80年代的乙女チックのさきどりもしている。この80年代性は怪奇大作戦初期うりものだった人体破壊ショック描写につうじていてまさに集大成と豊穣をかんじさせてくれる。

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