2018年1月24日水曜日

死者がささやく

かなしみの女スパイといったところだろうか。コンパクト型テレコや指紋付手袋などスパイガジェットもたのしい。前半は温泉地での新婚旅行というどこかなつかしい昭和風俗に血まみれの亡霊をからませやはりどこかなつかしい怪談風。後半は筆者大すきな怪奇大作戦のもうひとつの側面三沢のキャラを存分にいかしたハードボイルドタッチ。白亜の展望台にたたずむ三沢は本当に絵になる。しかし全体をとおしてはある組織の女の時間をかけての堅気の男への擬装結婚工作そしてその途上での葛藤そんな物語だ。そういえばつい先日迄綾瀬はるかでそんなドラマをやっていた。本作典型的なファムファタール物。この女。もしかしたら地下銀行をぎゅうじる暗黒街の大物の娘でもあったのかもしれない。暗黒街というとざされた苦界をいつかはとびだしたいそんなかわいい夢をいだいた富だけではみたされないかわいそうな少女時代でもあったのではなかろうか。男への情のうつりやそれにともなう煩悶などかなりセクシーにえがかれていてとても子供向とはおもえない。またそれをこの女優牧紀子がゲストをこえ主演としてきっちりえんじきっている。

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