2017年5月8日月曜日

マンモスフラワー

ビルの隙間や下水道などの人目につかない都市の空間へと知ラヌ間に巨大食虫植物が枝や根を伸ばし都市そのものが怪物と化し、いつの間にか我々は、その内部に取り込まれた虫のように体液を吸い取られ消化される。そんな悪夢のようなイメージが本作の前半で。後半は怪物の最期と、植物系モンスターの常だが、その本質がエコ的に見て善なのか悪なのか、根源的難問を突きつける。結局マタンゴやゾンビも同じで。植物化やゾンビ化の恐怖とは巨大な全体に取り込まれ、個としてのアリカタを奪われる怖さ。野蛮の本能と遺伝子のノリモノという事態に支配されて、それでよし。と出来ない近代人のアキレス腱を突かれる。確かに、そういう類いのホラーが一番怖い。皇居の、お堀に伸ばされた蔦はテンノー制なミシマ的問題すら突きつける。

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