2017年4月2日日曜日

霧の童話

本作は霧つまりガスの中に幻覚成分が混入され霧そのものもスクリーンとなってよそ者をバーチャルに包み込み幻惑するというもの。ただの幻惑ならよいがどうやら開発の被害者であり真犯人でもある村人。犯行の動機には絶望が色濃く破滅への必然は免れようもなく結末で事件の村は全滅するが何か村そのものが例のガスに元々芯まで汚染されてしまっていて村人も大半がガスを麻薬的に常用。もともと村へ逃げ延びた敗残の落武者をなぶり殺しにしたような因襲深い村だ。代々罪の意識に苦しんでいたって不思議はない。そしてついに村人自身が自らダムの栓的なものを開けてしまったかのように見える。限界集落の絶望カルトな自爆テロ紛いの暴走。またその上に上にと罪深い開発が塗り重ねられていく。いつまた深層の罪の意識が噴出し自滅するかわからない。少年も含め村全体が素朴とかではなく現実味なくどこか浮わついている。ただ野辺の地蔵とコスプレのボケ老人だけが皮肉に村を見おろしている。

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