2016年12月18日日曜日

24年目の復讐

戦時怪談として見直すと非常に整合する。ベトナム戦争時の横須賀。ここも戦場なのだ。水棲兵士の伝説に憑かれた男が隊を離れる。彼は姉を戦争で喪っている。そして未だに良心の呵責に苦しんでいる。それが異常な水棲兵士への執着をもたらした。普段は大人しい男が暴力沙汰を起こし失踪。極めて必然だった。失踪した男を探す隊の捜索は戦場の奥の前の戦争の伝説の戦地に及ぶ。追い詰められた水棲兵士。全身にダイナマイトを巻き付け自爆する。この感じ。どっかで見たような。そう。地獄の黙示録。巨大な戦艦群を目前に燃え上がる水棲兵士のボート。地獄の黙示録の闇夜の殲滅爆撃と同様。ニヒリズムはピーク。反戦意識など消し飛ぶ虚無感。それこそが戦争の本体と言わんばかり。それぞれの王国のパノラマが猿島要塞跡地でありアンコールワット風なのもイメージがオーバーラップし重い。だからこそエンディングは救いのギャグだったのだろう。

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