2024年11月9日土曜日

サイコ2前作から二十年以上の続編1983年製作

中盤。人間というよりもはや建物が主役。20年の薄汚れた劣化が効果を深めている。それらがしっかりと再利用されレベッカなどのようなゴシックロマンス映画それもメタにリアルなものとしてもはや立派に成立している。逆に内容こんなロマンチックな感じは前作には微塵もなく面喰らうくらい新鮮。それどころかモーテルと母屋が繋がっているような錯覚さえあって空間がねじれたポストモダンsfのようでもある。いやもしかしたら母屋の覗き穴はデジタルディスプレイでモーテルの監視カメラ映像がそこから見えていたりするのか。これなんぞ80年代スパイ映画っぽくもあり更に新鮮。これに先立つ今作前半ノーマンの出所受刑者のようなズタボロ感だが。男臭く土埃立ちそうなアメリカンロードムービーしててそこがしっかり前作の前半とシンクロし同じくハードにフィルムノワールしてて良かった。問題は後半だ。前作はノーマン単独のシンプルなサイキックホラーだったが今作はエイリアン2の如く今度は戦争だと言わんばかりの誰もがサイコパスってか状態で。超能力者バトルロイヤルならぬサイコパスたちによるサイキックバトルロイヤルのカオスと化している。精神科医なんかキャリーばりの念動力で念入りに何度もころされるし。ラストでは中盤ロマンスした相手メアリーの死の復讐も果たし全てに勝利するノーマン。モーテルの看板に灯を入れ。母の為の母屋の暖房にも石炭をくべ。実母の影を映す窓の母屋を背にモーテルへと向かう宗教儀式めいたシルエット。そうもはや純愛一直線生涯素人童貞貫くフランケンシュタイン系不死身ゴシックモンスター。サイコキラーハンターな治療者や模倣犯なんか寄せ付けもしない近代的価値観がナンボのもんじゃいな筋金入り完全無欠の大元祖サイコパスマシーンノーマンベイツってば素直に無茶苦茶カッコ良い。完全にマーベルコミックのダークヒーロー。聖なる邪神の剣の特注キッチンナイフを手にディズニーホーンテッドマンション仕様の空飛ぶモーテルそのコックピットに乗り込んでアベンジャーズ入りだ。料理の腕もあげサンドイッチも前作より美味しそう。

0 件のコメント:

コメントを投稿