2016年5月26日木曜日

モスラ対ゴジラ

致死量の放射能に汚染されながら嘗ては谷底に謎の緑の森が生じていたインファント島。今や、あちこちに奇形の動物の骸骨が散乱。それほどに荒涼としている。島民は何やら地下の洞窟網に潜み、その数も激減した様子。その何処かに存在する泉の周辺にだけ辛うじての緑。そこに横たわり死を待つだけの成虫モスラ。日本に流出し見世物にされる卵。追いかけて小美人。絶望し帰島する成虫と小美人。更なる遺跡宝物とか商売ネタを求め島民蹂躙目的で島へ乗り込む悪人。追いかけて来て島民に味方する正義側。欲にまみれ死ぬ悪人。お礼にと成虫が幼虫制御に日本へ息も絶え絶えの過酷な旅。それだけでいいのでは。どうもゴジラが余計な気がしてならない。モスラの逆襲。折角の縮小再生産哀愁臭を持つ、くすんだ感のあるプログラムピクチャーテイスト。なのにゴジラを出さねばと、豪華にせねばと、東京オリンピックイヤー64、無理してないか。地味な佳作の座頭市血笑旅を見習って欲しかった。モスラによる人情いや獣情ロードムービー。見てみたかった。異色な良心的小品をとるか娯楽な賛否上等の冒険作をとるかキンゴジほどではない予算と期間、難しいところだったのだろう。むずかしい後者を選び、割には頑張っているとしたいが、やはりゴジラは、、、、だからこそ前者の道を選んでのショボいけど味のあるモスラの逆襲の名を冠する縮小再生産型純モスラ続編を見てみたかった。迎えに来た成虫は最期に語りかけるように暴れないようにと卵の上で息絶え、生まれた二匹小美人振り返りつつ島へ帰っていく。

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