ツルちゃん。このキャラクターはもったいない。はやすぎたバットマンのジョーカーなのか。裸の大将系アンチヒーローダークヒーロー風味のバリアフリージェンダーフリーヒーローとしてシリーズ化してほしかった。ころさないでほしかった。毎回ふらりと全国津々浦々のスラムにあらわれては働かない男たちに一旦は金蔓にされかかるが健気に街娼業にはげみ男たちを支え励ます。働く事の尊さ。働くとは何かを問い掛け遂にはスラム全体を健全へと覚醒させる。一種の革命家でもある。ツルちゃん。普段は化粧をしていないが街娼の時は変身ヒーローとしておかめメイクになる。業務は一切描写しない。かえりに歌う仕事のうたがツルちゃんの一番輝く時だ。クライマックスは地元のヤクザたちやパンパンたちとの反感を買ってのお決まりのアクション。結局風のようにスラムをさる。まさにヒーローである。新東宝系。まぼろし探偵やスーパージャイアンツ。ダークヒーローの宝庫であった。
製作年 1954年
製作国 日本
配給 新東宝
上映時間 111分
スタッフ
監督 新藤兼人
製作 吉村公三郎
脚本 新藤兼人、棚田吾郎
撮影 伊藤武夫
音楽 伊福部昭
美術 丸茂孝
録音 長岡憲治
照明 田畑正一
協力 山田典吾、絲屋寿雄、能登節雄
キャスト
ツル 乙羽信子
ピンちゃん 宇野重吉
徳さん 殿山泰司
ほか
2019年10月8日火曜日
2019年9月30日月曜日
ドラマ阿刀田高サスペンス趣味を持つ女
ゾクッとするような長身喪服の女。無機的で体温のひくそうな美人である。郊外海辺のマンションの廊下のつきあたりの一番奥フローリングの何もない殺風景なその部屋ではあかずの巨大冷蔵庫が異様な存在感をはなってうなりをあげている。その実写版ブキミ鉄人28号かナチスがらみの東宝フランケンシュタインの心臓かもしくはうしなわれたアークかのような巨大冷蔵庫をいとしそうにだきしめる巨女。屈折しまくった暗黒の母性さえかんずる。女にはいいよるストーカーのような男がつきまとっていて女の次の餌食となりそう。女はみずからを独占欲のつよい女とかいってるし。歳をとればとるほどそれはつのるともいってる。巨大冷蔵庫の中には一体何がはいっているのだろう。一体何がはいるのだろう。異常な男女関係の連鎖に腐臭と妖気がただよう。阿刀田高の極私的二大傑作短編ホラー小説そのうちのひとつのドラマ化である。もうひとつもやはり冷蔵庫ネタでこちらもドラマ化されているのでそれもまた近々かたろう。リアルタイムでみてずっと記憶にひっかかりつづけの本作。その主題歌の記憶ともあいまってバブル残照な気だるい時代のあの雰囲気が横溢していたと記憶する。クールさも過剰ならもれでるそこはかとないグロサとエゲツナサもわすれられない。
2019年9月6日金曜日
風丘早月のメッセージ
マリコという人間は骨の髄まで科学捜査官化しており生身の目の前での出来事より熱感知カメラごしの姿とかレーザーマイクごしの声や音の方をリアルにかんじる。前回がマリコを我々からみて。の。ホラーだったとしたら。今回はマリコにとってのホラーとは何かをみせきる。風丘が目の前でころされるより機器ごしでこそがホラーなのである。以下ネタバレ。とにかく今回は誰も死人がでなかったその割にはどっとつかれるヘビーさ。それは奥ふかいところで風丘主人公の法医学ドラマにしっかりとなっていたからだし。なによりも背景にあるのが仮想通貨などという得体のしれない世界のひろがりだったからだ。
2019年8月31日土曜日
女神のぬか漬け
今回はお茶や寿司の回のような消化回ではなかった。時々あるように。ある意味マリコのホラーキャラ面をうきぼりにしていそう。食品というより微生物の宇宙としての糠づけの世界をめでているその姿はやはりマッドサイエンティスト。そんなホラーなかくし味があったからこそラストの不穏さ。次回の急展開へうまくつながった。
2019年8月23日金曜日
予約された死
ネタバレ注意。まるで昭和ドラマによくあった夏の怪談回といってよい今話。患者にたいしてドsな町医者がころされた。この町医者。まるでどこぞの大学病院教授のように葬儀社までまきこみ誤診の過去を隠蔽工作。これは。ダークでハードな話になりそうだ。と。おもいきや。真犯人はありふれて家政婦だし。隠蔽工作にしたってみずからのオチャメなドm趣味の隠蔽だったし。女王様のピンヒールでのこめかみへの一撃という死ももろドmだし。美女二人による解剖プレイなんて。至福。か。そうなのだ。話はどんどんハチャメチャドタバタスラップスティックな方向に。ホラーからドタバタそしてホンワカ家族愛と。二転三転のまさにジェットコースタームービー。でも本質はまるで日本昔ばなしのようなよいはなし。そこがなんともよい。最後お約束の屋上でのメタ解説だが土門のマリコにもいえない秘密をにおわせてのジエンド。さてこの土門の秘密とは。シリアスなものなのか。それとも今回の町医者のそれのようにほほえましいものなのか。
2019年8月9日金曜日
赤い宝石
サブタイトルといい全体的なくらい色調のカメラといいどちらかといえばハードボイルドクライム編。治安のわるい地区にある病院では抗争でかつぎこまれる患者がひっきりなしだ。貴重な血液製材材料のめずらしい抗体をもつヤクザ者。ひょんなことでそんな彼と遭遇することになった臨床検査長。その関係がヒューマンにながれずドライにえがかれるのがよい。そう臨床検査長とヤクザ者の関係まるでフランケンシュタイン博士とその怪物なのだ。マリコはといえば本作ではまるで志村喬のような巨匠重鎮科学者なオモムキ。さてしかしヤクザ者だが。人間的な良心にめざめはじめるとその出自と現状とのあいだにさいなまれ怪物的にあばれだす。花壇の花をふみけちらすその描写やよし。また映画フランケンシュタインのように子供との遭遇もありこころかよわせるかとおもわせやはり映画ばりにつめたくつきはなすようなにがい結果。これもよし。
2019年8月2日金曜日
殺人遊覧船ツアー
熟練の夫婦漫才のようなマリコと所長のかけあいは洗練のきわみで風光明媚さとあいまってイタリア映画かフランス映画のこじゃれたミステリーコメディーのようなおもむきさえ。要所に蒲原宇佐見のイケメンっぷりをはさこむあたりもしゃれていた。それよりなによりいつになく土門刑事がしぶい。ヒッチコック映画でのケーリーグラントばりである。所長とのコンビ捜査で。よい観光になったんじゃないかとそのバディーっぷりをひにくるラストの土門にたいしてうれしそうに否定するマリコ。あなたとならすてきな観光になったわよといわんばかりである。乙女っぷり全開である。なかなかの清涼感あるラブコメ編であった。
登録:
投稿 (Atom)