2018年4月13日金曜日

悪魔はふたたび

ウルトラqウルトラセブン間の過渡期としての初代ウルトラマンはシリーズ全体が邪神いりみだれる暗黒宇宙ホラーな超異色シリーズ。そして初代ウルトラマンは超不気味でダークな存在。本作のモンスターも怪獣のような姿をしているが怪獣ではない。すくなくとも恐竜由来の生態はもちあわせていないだろう。カプセルの中で液体化している姿はまさしくバイオテクノロジーがうんだ人造生命体。それも東京より前の謎の都市工業文明がまちがってうみおとした危険きわまりない産業廃棄物。都会の路地裏に潜伏していたチンピラ二人のようなバニラアボラスその姿がたのしい。米軍基地の中の街のような英語看板だらけのミニチュアセットをあばれまわるヤンキー愚連隊か。派手な赤と青のイデタチはさながらバイオテクノロジーがうんだAKIRAのようなかなしき不良少年達の集団抗争劇のようでもある。いやはや。でも相当にメイワクだしブキミだ。本作タイトルの悪魔はふたたびそれそのままうけとりスティーヴンキングアメリカンゴシックホラーとしての方を存分にたのしみなおすとヒーロー正統派とはまったく別のクトゥルー物の端緒がひらけてくる。福山博士はもろラヴクラフトだし金属板はネクロノミコンか。うれしい事にこんなかんじはイデ隊員とともに戦えマイティジャックにそのままうけつがれたがその後がうけつがれなかった。残念。

2018年4月12日木曜日

吸血地獄

火垂るの墓の兄妹が大人になる事をこばむかのようにして秘密基地ゴッコな防空壕跡でのオトギバナシ的生活にころがりおちるように突入する件。真夜中のカーボーイの二人にとってはユリカゴだったのか。低運賃長距離バスのせまい座席。傷だらけの天使やゲッタウェイのラストでじつはユートピアだった事が判明する。ゴミのまう夢の島。いずれも最下層自滅自閉の極だが。あらがえない何か甘美なくろいファンタジーへの萌芽が確実にみとめられる。怪奇大作戦本作の二人も若者らしいハウステンボスやディズニーランドといった場所でなく中年不倫カップルのように秘宝館めいた温泉地の観光地獄の方をえらんでいる。この低空飛行自閉したかんじ。きわめて甘美。そしてやたら不自然にくらい廊下をもつホテルはダークファンタジーの舞台として超最適。もはや宇宙のはてのダークサイド。そこへとおちこんで。なおそこでくりひろげられるのは。およそシリアスではない淫靡で下世話なドタバタ喜劇のようなsri牧と野村らとのオイカケッコ。まさにディズニーランドのアトラクションよりたのしいといわんばかり。皮肉なダークファンタジーさがみちみちている。とくに牧のハイテンションぶり。民間のドブサライのような犯罪捜査チームにはいる位しかなかった屈折した天才青年科学者像がはやくも爆発している。ドラマはいっきにクライマックスへ。離島の崖から転落する二人。またこの転落の仕方がよい。たかさにためらって足をすべらせたかのようなあっけなさブザマサ。イヌジニめいていて実にカッコイイ。おまけに二人の転生をまったく祝福する気どころかますますのろわしいものにするかのような。海面には汚染されたアカシ。ドスあかい赤潮さえ。結局何もおこらなかったんじゃないか位の無力感虚脱感。ここまで迷走汚濁もきわまると一周まわって爽快でさえある。そんな事を本作の神業演出はおしえてくれる。たしかに京都買いますのラストのたたみこむような汚濁演出もすばらしい。しかし本作はかるがるとその上をいっているとしたい。そう物語はいつの間にかセカイ系へと自閉してしまっていた。そればかりではない。そのうえやはりいつの間にかセカイその物も汚染の極にたっしてしまっていて。なにもかもがもはや終末。いや終末の予感余韻さえ存在しない。すべてがダークサイドにのみこまれていくばかり。そんなドスぐろいスペクタクルの爽快感。そこに。みる者は30分だけだが。孤独でなく連帯をみいだす。そう最下層自滅自閉のオタクまけ犬たちの暗黒大連帯。じつはこれこそが怪奇大作戦のもつ永遠最大の魅力で今やっとあばかれつつある本質なのではないだろうか。50年目の円谷金城コンビがしかけたとんでもない時限おき土産。

2018年4月11日水曜日

ウルトラ警備隊西へ

舞台は新東宝のラインシリーズに登場するような。多国籍で。いかがわしい。異邦人や宇宙人が暗躍する国際港湾都市神戸。そんな神戸に。さらにゼットンっぽい巨大ロボットまで出現。もうたのしくて仕方ない。要人をつれてのロードムービーじたての出だしには筆者個人的にもうワクワク。それどころかルート上に防衛軍自慢のシークレットハイウェイが点在でそのシュールさたるや抜群。どこまでひろいんだ防衛軍基地。笑。くわえて二重スパイの御都合主義な展開もb級新東宝感全開でエキサイティング。劇場映画ばりの豪華さをねらいおもいいれつよく丁寧につくられたせいかまったくふるさをかんじない。なにより神業のような脚本。前編後編で一本の劇場映画どころか前編一本後編一本としても充分通用する程。とくに後編のダンとドロシーの宇宙人同士による波止場での地球の運命の議論は本作をディスカッションドラマたらしめていて大島渚の諸作や三島由紀夫の美しい星をおもわせ重厚。しかしそれにしてもこういう作風だとキリヤマ隊長ははえる。で潜入捜査の面々の変装はといえば。あのmjの面々にくらべアレだが。そこがまたsriの面々っぽくてご愛嬌。リーヴ版スーパーマン同様。リンダハーディスティーのリケジョスーパーヒロインぶり。プラス震災前の神戸埠頭その暗黒街物な波止場っぷり。それらが堪能できるという点で。涙なしではみれない程の永遠傑作。

2018年4月10日火曜日

火垂るの墓

あかい幽霊は黒沢清やニコラスローグでおなじみだし冒頭で荒野へなげすてられるドロップ缶にはいった遺骨も今村昌平の復讐するは我にありそのものだ。そして全編が幽霊による回想なところはもろシックスセンスでしかもさきどりだし本作見事なまでにスリラー映画ホラー映画の大傑作。大傑作ゆえにくらい反戦映画などという陰気なレッテルがはられエンタとしてのポジティブさが年々うしなわれ抹香くさい芸術じみたかびくささばかりがめだってしまって実にくちおしい。化学兵器にたいするいかりの昇華の結果の荒唐無稽さはゴジラから君の名はまでの東宝の伝統なのに。

2018年4月9日月曜日

侵略する死者たち

病院の地下の死体槽からきえた10体の死体。基地へとおしよせるあるく死体たち。地球防衛軍メディカルセンター内はといえば基地の警備班と応戦し負傷した死体たちがつぎつぎとはこびこまれ混乱はさながら野戦病院。ベッドにおききれない死体は床隅にまで放置される。10体目のあるく死体だが巧妙にも基地地下の下水道施設内部を移動し中心部をめざしていた。そんなふうになにからなにまで本作。冒頭も深海の岩影をすすむ輸送潜水艦と。地下迷宮感全開で息さえつまりそうな全編閉鎖空間密室劇。そのおかげかラストの宇宙空間でのウルトラセブンウルトラホーク敵ステーションの戦闘シーンが異次元のすばらしさ。星ひとつない宇宙空間セット。飛散しない爆破片。点滅するだけの不気味な砲撃。なにもかもがまるで宇宙空間らしくない地下下水道内でのそれのような悪夢じみた閉塞感なのだ。こんな宇宙の雰囲気はあの外宇宙暗黒宇宙を舞台とした暗黒神話クトゥルーsfホラー映画エイリアン以来。というか本作のほうが何十年もさきどりしていた。

2018年4月4日水曜日

空の大怪獣ラドン

前半と後半ではトーンがガラッとかわる。もしかしたら後半は主人公の末期の夢なのでは。主人公佐原健二は物語のどこかの時点で死んでしまったのでは。安蘇の高原でさまよう主人公を恋人白川由美が目視するシーンがあるのだけれどもなぜかいつもそのシーンに筆者一番戦慄させられる。まるで主人公が亡霊となって恋人にあいにきたそんなかんじがするからだ。そう何度みても本作筆者的には怪獣映画とはおもえないそんな高度なショッキング演出技術満載のテクニカルカラーならぬテクニカルホラー映画なのだ。さて今一度みなおす事にするとしよう。監督本多猪四郎のホラー神ぶりを篤と。

2018年4月3日火曜日

悪夢が生んだ植物魔人

リチャードキールえんじる植物魔人。当初は睡眠実験の被験者の無意識を吸収し活動するエネルギー体にすぎなかったが被験者の死後は下水道内にすみつきそこの汚物を食用とし成長する完全に生物的な公害怪獣となってしまった。冒頭の汚物まみれで医院の待合室にねそべるコルチャックは空の大怪獣ラドンの記憶喪失の主人公同様かなり衝撃的だ。こんな臭気さえただよってきそうな汚濁感と倦怠感はゴジラ対ヘドラ級でなかなかこんな作品はない。それもこれもダークシティーたる大都市。シカゴが舞台だからこそ。本作ではそんなシカゴの文字どおり物理的な地下や裏どおりのみならず社会学的な下層や暗部さえ存分にあじわえ都市論ずきな筆者は大満足だ。